キャットフードに酵素は含まれていない?酵素の働きや摂取方法を紹介

猫にも酵素は必要?ドライフードにほとんど含まれていない?酵素が含まれる食品や考え方など酵素についてマッサンに解説してもらいました。
酵素とは英語でenzymeといい、~エンザイムという会社名なんかもあったりします。酵素はタンパク質であり、消化吸収代謝など体内で起こる化学反応のほとんど全てに触媒として酵素が必要となります。
触媒とは触媒となるそのものは変化しないのですが、それがあることによって、他のものの反応速度に影響する働きをするものです。
わかりやすく言えば、肉を食べて得られるタンパク質がアミノ酸へと分解されて吸収されます。この分解には消化酵素が使われています。分解前と後では酵素自体には変化がありませんが、分解反応を促進させる働きを持っています。
酵素には「消化酵素」と「代謝酵素」のふたつがあります。
消化酵素とは、消化を行う時に使われる酵素です。酵素といえばこちらの酵素を表すことが多いように思います。
代謝酵素とは、消化吸収した栄養素をエネルギーに変換する酵素です。
アミラーゼは唾液腺から出るデンプンを分解する酵素です。
アミラーゼは犬猫の唾液腺からは分泌されません。
膵臓からアミラーゼ、リパーゼ、トリプトシンなどの消化酵素が分泌され、十二指腸で作用します。
胃に存在する消化酵素で主体はペプシンです。タンパク質をペプチドまで分解します。
膵臓から分泌される消化酵素で十二指腸(小腸)で、中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解します。
膵臓から分泌される消化酵素で十二指腸(小腸)で、胃などで分解されたデンプンを更に分解します。
酵素はタンパク質ですので熱に晒されると構造が変化してしまい、酵素としての機能がなくなってしまいます。その温度が50℃以上と言われています。
ドライフードは50℃以上の熱処理を行いますので、原材料に含まれる酵素はほぼ死滅していると考えていいと思います。
このためドライフードの最大の弱点は酵素だと言っていいかもしれません。
さすがにそんなことはありません。酵素は体内でも生成することができます。
エドワード・ハウエル医学博士が「体内で生成できる酵素の量には限りがある」という研究結果を公開しています。
このように酵素は生成に制限があるので、食品からも摂取した方が良いという考え方があります。
新谷弘実医学博士は体内に酵素の原型が存在しているという仮説を立て、自身でも酵素を監修して販売されています。
原型というのは、例えば食べたものによって消化のために消化酵素がたくさん使われると、代謝酵素が少なくなってしまうという現象が起こります。
元々消化酵素と代謝酵素が完全に別々のものであった場合には消化酵素がたくさん使われても、代謝酵素が少なくなってしまうという減少は起こらないはずです。
こうしたことから酵素の原型が存在し、状況によってそれぞれになり得るという仮説です。
また、人の場合は酵素は20代を100%とすると40代では50%、60代は30%とどんどん量が減少していき、消耗されていくとしています。
こちらも同じく、体内で生成される酵素量には歳を取るほど少なくなってしまうので、食べ物から酵素を補填した方がいいという考えです。
酵素は発酵食品、フルーツや野菜に多く含まれています。
発酵食品の場合猫が食べられるものは非常に少ないですが、醤油や味噌、酢、麹といったものから、食卓にもよく並ぶ納豆、漬け物などがあります。
納豆は猫も食べられますし、他にはヨーグルトやチーズ、かつお節などもありますね。猫用ヨーグルトや猫用チーズ、猫用かつお節なんかもありますから、いいかもしれませんね。
これらに含まれる食物酵素をサプリメントなどにしています。
エビデンスはありませんが、色々な食品を摂取することで酵素を摂取することは犬猫にも有効かもしれません。
株式会社ヒューマル代表取締役。ペットフード専門家。「動物にも食育を」を掲げて2016年に会社を設立。ヨーロッパを巡って自身の希望レシピを製造できるペットフード工場を探し出し、オリジナルキャットフードを開発。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士、ペット防災指導員、ペット共生住宅管理士、保育士などの資格保持者。詳しくは紹介ページへ
スギさん
エノおじさん