キャットフードの知識を持っているのは誰?獣医師?大学教授?メーカー?ペット栄養管理士?

今までペットフードに関することは全てマッサンに教えてもらっていましたが、こうした知識を持っている人は具体的には誰なんでしょうか?獣医師?大学教授?メーカー?ペット栄養管理士?
ペットフードの知識は見方、考え方で判断が変わる部分があります。原材料や栄養素に目が向きがちですが、製造、運搬、保管の現場も非常に重要です。更にはパッケージの素材も重要でしょう。
これらはそれぞれ別の方々が担当し、それぞれに知識を持っています。このため、トータルでの知識を有している人は非常に少ないです。
メーカーのスタッフでもセールスの方と研究員の方では持っている知識は全く違いますし、獣医師でもいわゆる獣医さんと、ペットフードメーカーの獣医師でも全く違います。
このように同一の職種であっても有している知識には違いがあります。
結論から申しますと、ペットフードに関して最も知識があるのは、多くの種類のペットフードを製造していてその結果を知っている工場やメーカーの研究員(栄養士や獣医師など)です。
やはり多くのペットフードを作っているメーカー、工場の研究員はフィードバックされた情報を持っているので、その方なりの一定の答えを持っています。
これらフィードバックされた情報は、販売されているメーカーからくる情報であり、動物実験ではありませんが、それに匹敵するほどの情報ではないでしょうか。
そして、例えば「この原材料を入れるとミネラルに影響がある」など個々の原材料がどう影響してくるのかをわかっているのもこの方たちだけです。
また食いつきに関しても、「猫だからこういうものが好き」といった学術的なものではなく、「実は猫はこれが好き」といった具体的な処方を持っていたりします。
動物関連の学者の方などからもこうした経験に基づいた実践的なお話が聞けるときがあります。
このように研究員には獣医師などが持っているエビデンスとは別のエビデンスや経験を持っている場合があり、考え方に違いが出てきたりします。
参考記事:
日本ではペットフード製造や判断において畜産に関する知識は欠かせません。というのもペットフード自体の法律はまだ十分ではないため、畜産における法律、経験、実績が重要視されているからです。
畜産に関しては人が食べるものとして、人に直結するので法律で明確に定められています。
畜産について専攻されている先生方の知見をもとに法律なども整備されていき、結果的にペットフードに大きな影響を与えています。
しかし家畜の場合、牛、馬、羊、豚、うさぎ、鶏などを主にしていて、猫のような肉食動物がいません。
このためキャットフードは畜産とはまた違った一面を持っています。
参考記事:
獣医師は先生方によって詳しい知識に違いがあるかと思いますが、基本的な栄養配分や特に病気における療法食についての知識は欠かせません。
現場にいらっしゃる獣医師の方々であるからこそ持っている最先端の知見が、療法食や基本栄養に生かされています。
また、明確なエビデンスを元に考えられ、思わぬ面白いアイデアや経験則はあまり出てこなかったりします。職業的に当たり前ですよね。
面白い先生では独自の考えや予想、アイデアを話してくれたりします。
こうしたペットの有資格者も現在のエビデンスを元に勉強を行い、資格を取得しています。
参考記事:
この他にもまだまだ多くの資格があります。
中身がどれだけ理論上整ったものになったとしても、袋の品質によって大きく左右されてしまいます。
酸素透過率や水蒸気透過率、頑丈さ、使いやすさなどはパッケージの素材選びから始まり、素材の組合せも大きなポイントです。
こうした部分は製造者と打ち合わせ、テスト製品を繰り返して試験が行われて完成します。
弊社ヒューマルでも新素材の開発を行い、先日遂に納得のいく素材が完成したところなので、今後は弊社製品のキャットフードに使われていきます。
海上輸送ですので積み替えのある船を使用するか、積み替えなく一回で日本まで届くのかといった点もあります。これらはフォワーダーだけでなく、荷着時期に合わせた船のタイミングなども関係してきます。
どちらでも大きくは変わりませんが、ペットフードをコンテナに積む作業はフォワーダー側が行う場合もあれば、ペットフード工場側が行う場合もあります。
倉庫はイメージが付きやすいですね!保管場所が劣悪な状況だったら商品には大きな影響が出そうです。
参考記事:ロニーキャットフードの入庫完了!今回もベルギーより無事に届きました。(サイト外リンク:株式会社ヒューマルのブログ)
結果的にこうした方々から話を聞き、見学を行ったりしながら状態を確認していくことで、全体的な流れや商品の取扱いが見えてくるようになります。
更に食べる食べないといった行動学も含まれてくると、そうした分野を研究されている方の知識も必要になります。
ペットフードは様々な知識や経験によって支えられ、品質が保たれています。
私自身も出来る限り様々なことに関わるようにして、多角的な目で見られるようにしていきたいと考えています。
株式会社ヒューマル代表取締役。ペットフード専門家。「動物にも食育を」を掲げて2016年に会社を設立。ヨーロッパを巡って自身の希望レシピを製造できるペットフード工場を探し出し、オリジナルキャットフードを開発。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士、ペット防災指導員、ペット共生住宅管理士、保育士などの資格保持者。詳しくは紹介ページへ
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