タウリンとは
タウリンはアミノ酸の一種です。犬はタウリンを体内で合成できますが、猫はタウリンを体内で合成することができません。このため食事など外部から摂取する必要があります。
このタウリンが欠乏すると目の病気や心臓疾患などを起こしてしまいます。また繁殖機能や成長にも影響しています。
タウリンがサポートする臓器や作用
- 心臓
- 腎臓
- 肝臓
- 繁殖能力
- 視力
- 聴力
- 免疫
- 成長
犬猫の健康の多くに関わっているんですね!
猫にタウリンが必要とされたのは1986年
タウリン入りのドライキャットフードが実用化されたのは1982年でしかも日本だったと言われていますが、猫の必須栄養素であるとアメリカ科学アカデミーのNRCに収載されたのは1986年のことです。
参考:ペットフード・ペットビジネスの動向(書籍)
かなり最近ですね!私生まれてます!
そうなんです。初めて知ったときは私も驚きました。その位猫の栄養に関する研究は進んでいませんでした。実際に、今現在でもわからないことはたくさんあります。
キャットフードはもともとドッグフードをそのまま猫に与えるようなところから始まっていますから、犬に問題がなければ猫でも大丈夫だろうと発展してきた経緯があり、気付きにくいという部分があったと思います。
タウリンが豊富な食材
タウリンは魚介類に多く含まれています。
とても多く含まれているものは残念ながら猫が食べることができない軟体動物や貝類で、例えばタコ、イカ、サザエ、ホタテ(貝柱は食べられる)、ミル貝、はまぐりなどです。
多く含まれているものが食べられないのは残念ですね!
猫が食べられるものであればカツオ、ブリ、サンマ、イワシなどにも含まれています。
肉類にもタウリンは豊富
野生の猫は草食動物などを狩って食べています。決して魚介類を食べられる環境の猫ばかりではありません。
そうした野生の猫がタウリン不足にならないのは、鶏肉など肉類、内臓にもタウリンはしっかりと含まれているからです。
そうした生肉を食べなくなった今、猫にとって必須栄養素として総合栄養食のドライキャットフードには必ず含まれるようになったんですね!
タウリンの過剰摂取は大丈夫
タウリンは過剰に摂取しても不必要な分は尿から排出されます。副作用もないと言われていますので、十分に摂取しておくといいかもしれません。
AAFCOでの最小摂取量は乾物100g中0.1gであり、最大値はありません。
どの位摂取すればいいんでしょうか。
また、吸収率も年齢とともに低くなるので、高齢なほど多めに摂取するといいと思います。
キャットフードでも十分配合されていますが、サプリなどもありますので気になる場合は利用してみてもいいかもしれません。
また手作りフードの場合は気をつける栄養素は他にも多くありますが、このタウリンも忘れてはいけないもののひとつです。
まとめ
- タウリンは猫にとって必須栄養素
- 体内で合成できないので外部から摂取する必要がある
- 総合栄養食のドライフードには必ず含まれている
- 年齢とともに吸収率が下がるため、多めに与えてもいい
- 過剰摂取分は尿中に排出されるため、摂り過ぎることはない
猫にとってタウリンが必要不可欠なものとわかって約30年しか経っていません。今ではドライフード中には必要分が含まれていますが、高齢になったら多めに与えてみたり、手作りの際はタウリンが含まれているものを与えるように心がけるといいかもしれませんね。