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キャットフード・ドッグフードの輸送方法について
こんなマニアックな話を誰が興味を持つのかと思いますが、希に聞かれることがありますので、話してみたいと思います。
輸送方法というと車や船、飛行機ですか?
そうですね。その3つの方法で運ばれます。基本的にはコンテナ輸送トラックとコンテナ船で運ばれます。
以前こちらの記事で輸送方法について話しましたのでこちらも参考にしてみてください。
コンテナ、コンテナ船
まずは入れ物のコンテナの話からしてみたいと思います。主に海上コンテナと言われますが、ISO海洋輸送用コンテナ、海上輸送用コンテナなどとも言われます。
このコンテナはキャットフード・ドッグフードだけでなく、野菜やコーヒーなどの農作物や、車やバイクなどの工業製品、ワインなどの食品、カメラやおもちゃなど本当になんでも詰め込まれ運ばれています。
輸送用の鉄の箱という認識であっていますか?
その認識でいいと思いますよ。厳密に言えばコンテナ規格があり、それにマッチしたものであって、海上を何ヶ月も旅することがありますから機密性も高くなっています。
コンテナのサイズ
サイズは基本的には20フィートと40フィートの2種類があります。
このコンテナに荷物をダンボールなどのままバラ積みすることもあれば、きちんとパレットに積み上げて組んだものを24パレットなど詰め込む場合もあります。
コンテナの扉はしっかりと封がされ、途中で開けた場合はそれがわかるようにもなっていますので、途中で開封されることはありません。輸入検疫などで中身のチェックが必要なときは必ず開ける旨の連絡があります。
コンテナの種類
コンテナにはドライコンテナとリーファーコンテナがあります。
ドライコンテナは一般的な箱で、リーファーコンテナは電源が付いていて中の温度を一定に保つことができるコンテナです。
海上を長い間航海するコンテナは温度変化にさらされます。このためドライコンテナではコンテナ内に強力な除湿剤を使用し、企業によってはコンテナ内の温度がどう変化したかがわかるようにGPS付き温度検知器を載せます。
冷凍、冷蔵の必要がある食品や精密機械などはリーファーコンテナが使用されます。
リーファーコンテナは冷蔵庫で運ぶようなものですか?
例えば10度を保つなど一定温度を保つものでもあるので、決して冷蔵庫というわけではありませんが、そんな感じですね。低温ではなく定温です。
因みにリーファーコンテナは20フィート1本なら倍近い価格になることもありますし、リーファーコンテナ自体が少なく、借りれる時、借りれない時があり、上手く調整してもらう必要もあります。
ただしリーファーコンテナにも結露などの欠点があり、乾燥物にはあまり使われません。
LCL貨物(混載便)
コンテナ一本をまるごと借りるのではなく、コンテナ一本に満たない荷物の場合はLCL貨物として一本のコンテナに他社の荷物と合わせて混載して運ぶこともできます。
ただし全ての荷が同じ国へ下ろされるとも限りませんので、コンテナヤードで出し入れが行われますし、結果的に破損や汚損の原因にもなります。
紛失や破損、汚損など起こった場合に、頻繁に開け閉めが行われることによる原因の特定の難しさもあります。
世界中の港に寄港して到着する長い輸送時間
ヨーロッパから日本の場合はいくつもの港に寄港し、コンテナの上げ下ろしが行われます。決してヨーロッパから日本行きの荷物だけでなく、様々な港から港への荷物が積まれたり下ろされたりするため、コンテナの積み方が非常に重要で、一番最初にコンサルタントによって計算された位置に積まれています。
以前テレビ東京で流れた「巨大コンテナ船に乗せてもらいました!」というテレビ番組があったのですが、これが非常に参考になるテレビ番組で、録画していなかったことを後悔しています。もし見られる機会があったら見てみてください。
コンテナ輸送トラック
コンテナ輸送トラックはそれほど珍しいことはないかと思います。時折巨大なコンテナを後ろ引いたトラックを見たことがあるかと思いますが、それそのままです。
例えば海外の工場から港までコンテナ輸送トラックで運ばれ、船で運ばれた後、日本の港から倉庫までもコンテナ輸送トラックで運ばれます。
東京だと環状線しか走れないくらいの大きさがありますよね!
コンテナを駐車できる場所や、コンテナから荷物を下ろす作業、フォークリフトなどがなければ荷物の移動もできないため、専用の倉庫も必要です。
また、コンテナの重さによって引ける車の種類があるそうで、コンテナへの積載重量によってはその車の手配がつかないなんてこともあるみたいですよ。
飛行機輸送
飛行機輸送はとても早く到着する非常に便利で優秀な輸送方法ですが、同量運ぼうとすれば運賃は5倍以上する上に、1回で運べる輸送量がぐんと減ってしまいます。
このため飛行機はなにかしらの理由で在庫がなくなる危険性が出たときに急ぎで送ってもらうなどで使用するという選択肢になりそうです。
倉庫で検品、箱詰めされて出荷
倉庫で箱から出されて検品が行われます。問題がないと判断されたものが注文に合わせて箱詰めされて発送されます。
ここからは佐川急便やヤマト運輸、日本郵政などに託され、皆さんのもとへ届くという仕組みです。
通販で購入するということはここまでの道筋があるんですね。
ロジスティクス(物流)は購入者には見えにくい部分ですが、最も手間と時間がかかる部分のひとつです。この間で商品が破損しないようにとパッケージ作りも非常に大切になってきます。
まとめ
- ペットフードはコンテナ船、コンテナ輸送トラック、飛行機などで運ばれる
- 温度、特に湿気対策がされる
- 積み卸しにはフォークリフトなど専用の機械が必要
- コンテナがつける倉庫が必要
海外で製造される場合、ペットフードは海の旅を越えて日本へやってきて、皆さんのもとへ運ばれているんですね。