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ペットフードの品質保持とは
ペットフードの品質を保持しようと考えたとき、酸化防止剤がよくあげられますが、それだけではありません。
品質の保持という観点からみると
- 酸化防止
- 微生物の繁殖の抑制
- 分離防止
などがあげられます。
腐ったりするのを防ぐってことですね!
腐るのは微生物が繁殖し、食べ物を分解してしまうからですね。酸化は食べ物が酸素と結合することで酸化してしまいます。これらをどのように予防するかが品質保持に繋がります。
塩分や糖分で微生物を抑制
塩分や糖分濃度は微生物抑制に関係しています。
塩分、糖分が効果的って一体どういうことですか?全くイメージが沸きません…
食塩や砂糖などの食品成分と結びついている水を結合水といい、微生物はこの結合水は利用することができません。このため、結合水を多くすることで微生物の繁殖を抑制することができます。反対に微生物が使用できる水を自由水といいます。
特に塩分は効果的で水溶液中の塩分濃度が25%程度になるとカビやブドウ球菌は繁殖が不可能になります。
保湿剤も同様の効果
微生物が活用できる自由水の割合を表す指標を水分活性といい、水分活性が低いほど微生物が繁殖しにくくなります。保湿剤は水分活性を下げる働きがあります。
水分を保持しないことが大切
このように微生物の繁殖を抑制するためには、水分を保持しないことが大切です。
これはペットフードを湿気の多いところに置かないなど、保管でもいえる大切なことです。
少しでも水分を保持してしまうのであれば、水分活性を下げることを考えてみます。
乳化剤で分離防止
油と水が分離してしまった状態は品質保持できていませんよね。このようにデンプンの効果でも解説した乳化剤は品質保持には大きな影響があります。
化粧品でも長く使っていなかったものが分離してドロドロになってしまった経験があります。
分離は見た目にわかりますので品質悪化の判断は簡単だと思います。これからは何で乳化しているかをみてみるのも面白いかも知れませんね。
酸化防止剤で酸化防止
キャットフードの学校でも何度か登場している酸化防止剤。酸化してしまうと変色したりと見た目にも変化が生じ、時には有毒な状態にまで変化してしまうこともあります。
酸化防止剤には合成のもの、自然由来のものがありますが、どちらも安全な範囲内で利用されています。どちらを利用していたとしても酸化することをしっかり抑えることがより大切なことです。
具体的な例はセミモイストタイプのキャットフード
キャットフードで具体的に使用されている例としてはセミモイストのキャットフードを見てみてください。
あの保湿剤は質感を作り出すこととと共に、品質保持の目的で使用されています。
例えばプロピレングリコールは猫には使用できませんが、ドッグフードでは見られる保湿剤のひとつです。
まとめ
- 水分活性を低く抑えること
- 酸化防止
- 乳化で分離防止
ペットフードの品質保持は水分を保持しない、酸化防止、乳化で分離防止の三点が大切であることがわかりました。保管時も湿気の多いところに置かないように注意したいと思います。