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BHAとは
飼い主の興味関心が強いと感じているのがBHA、BHT、没食子酸プロピル、エトキシキンです。
以前も学びましたが、より深くBHAについて紹介してみたいと思います。
今回はBHAだけについて掘り下げてみます!
BHAはブチルヒドロキシアニソールの略称です。脂溶性で化粧品や食品に使われる酸化防止剤で、食品添加物でもあります。
人が食べるバターやマーガリンなどの油脂類、魚介類の加工品などに使われていて、人の生活において非常に身近なものです。
普段食べている油を使用した多くの製品で使用されているんですね。
食品添加物として認可を受けたのは1954年。BHTは1956年なので、より早く認可された歴史のある酸化防止剤です。その後に順次医療品でも使用されています。
BHAで発がん性が見られるのは一部の条件下のみ
まずは以前学んだ復習から行ってみたいと思います。
BHAは前胃がない動物には発がん性の兆候は見られないんでしたよね。
その通りです。逆に言うと前胃を持たない人や犬、猫では発がん性は認められていません。実際にドライフードに含まれるBHAでも発がん性は認められていません。
使用量は基準を守ることが大切
科学的根拠に基づいてできるだけ少ない量の使用を促し、基準の設定もしています。
こちらでも紹介しています食品添加物の上限値の設定の仕方のように、限りなく少ない量の基準値を設定し、実際に使われているものはそれよりも少ないとされています。
分類 | 物質等 | 定める量(μg/g) |
---|---|---|
添加物 | エトキシキン・BHA・BHT | 150(合計量) 犬用にあたっては、エトキシキン75以下 |
BHAに認められた環境ホルモン作用
1995年、英国のジョブリングらはプラスチック添加剤など20種類の化学物質の環境ホルモン作用を検討した結果を発表したが、BHAに作用は弱いものの女性ホルモン作用があることを報告した。これは日本の学会でも再確認されている。
出典:薬害オンブズパースン会議
このようにBHAには女性ホルモン作用があることが確認されています。いわゆる環境ホルモンは胎児に作用すると奇形や障害の危険性があるとされ、危惧されています。
そう聞くと私摂取するのは避けたいかも…
こうしたものも見方ひとつですので、影響については様々な角度から賛否が起こっており、その必要不要の議論は随分昔から続いています。
ペットフードにおけるBHA
食品添加物や化粧品でも使われているBHAはペットフードでも酸化防止剤として使用されています。
結果的にペットフードに使用されるBHAの量での発がん性などは認められず、基準を守ることで安全に使用できるものとして長年の使用実績もあります。
更にBHAは蓄積型ではないため、犬猫ではおおむね2~4日程度で体外に排出されます。
こうした理由から現在の値であれば一生食べ続けても健康を害することはないと言われています。
法律から見たBHA
法律の観点からみたBHAについては行政書士が執筆しているこちらも参考にしてみてください。
まとめ
- BHAはブチルヒドロキシアニソールの略称
- 酸化防止剤として食品添加物、化粧品、医薬品にも使われている
- 前胃のない動物には発がん性は認められていない
- 女性ホルモン作用があることが確認されている
- 環境ホルモンは胎児に影響がある可能性あり
- ペットフードに使用されているBHAの量では発がん性は認められていない
- BHAは蓄積型ではないため2~4日で体外に排出される
BHAは歴史のある酸化防止剤であり、その評価には賛否両論であることがわかりました。様々な見方が存在するBHAですが、現状ではとにかく決められた上限値を守り、適切に使用することが大切という考えが有力なようです。