BHTとは
前回はBHAについて紹介しましたので、今回はBHTについて話してみたいと思います。
BHAに次いで気になる酸化防止剤ですね!
BHTはジブチルヒドロキシトルエンの略称です。BHAと同じく脂溶性で化粧品や食品に使われる酸化防止剤で、食品添加物でもあります。用途などはBHAと全く同じと言ってもいいような用途ですね。
そもそもBHAは「BHTの代用」として使われたものですので同じで当たり前とも言えます。
なぜBHTはBHAに代用されたんですか?問題があったからですか?
BHTは変異原性が認められています。加えて催奇形性の疑いがあり、徐々に食品への使用が禁止になる国や食品会社が出てきました。BHTは非常に広い研究が行われましたが、1970年代にはほとんど食品には使われなくなりました。結果として、BHTと化学構造が似ているBHAが代用として使われるようになりました。
BHT自身の姿を変えて酸化を防止する
BHTはBHT自体が酸化して別の物質へと変化していくことで、食品が酸化することを防いでいます。問題は、この別の状態になったBHTの安全性試験が行われていないことです。
もしかしたら変化後の方が影響が少ないかもしれませんが、影響が大きいと考える方が理にかなっているような気がします。
変化後の安全性…今まで考えてもみなかったことですね。
基本的には食品そのものが酸化することに比べれば、酸化防止剤を添加して酸化防止をした方が安全性は高いと考えられているからこそ使用されています。
東京都の食品安全情報サイト「食品衛生の窓」によれば、使用対象商品は油脂、バター、魚介乾製品、魚介塩蔵品、乾燥裏ごしいも、魚介冷凍品、鯨肉冷凍品、チューインガムというようになっています。
ペットフードにおける上限値
分類 | 物質等 | 定める量(μg/g) |
---|---|---|
添加物 | エトキシキン・BHA・BHT | 150(合計量) 犬用にあたっては、エトキシキン75以下 |
因みに人においてADIがBHTは0.3mg/kg、BHAが0.5mg/kgなのでBHAの方が多く摂取できると考えられています。結局は使用量によりますので直接的には言えませんが、同量であればBHAの方が危険性は少ないとも言えるのかもしれません。
ただしBHAはBHTほど研究は進んでいません。
法律や文献の観点から、行政書士にも解説してもらいましたので以下も参考にしてみてください。
まとめ
- BHTはBHAに代用され、使われることは少ない
- バター、魚介乾製品、魚介塩蔵品、乾燥裏ごしいも、魚介冷凍品、鯨肉冷凍品、チューインガムで使われている
- ペットフードでは上限値が定められ、その数値はBHAと同量
ペットフードに使用されているBHT。BHAやエトキシキンと共に上限が設定されています。ペットフードのみならず、人の食品から使用されているかを意識してみるところから始めてみるのはいかがでしょうか。