没食子酸プロピルとは
没食子酸プロピルは「もっしょくしさん」と呼びます。「ぼっしょくしさん」とも読むようです。これは食品の主に油脂類に酸化防止剤として使用されています。
食品に使用してはいけないものもありましたが、没食子酸プロピルは大丈夫なんですね!
ただ油に溶けにくいという性質があります。食品によっては色がついてしまう場合がありますので使用されるものは限定されているかもしれません。
一番強力な酸化防止剤?
名前だけ聞くととても強そうですよね。その聞こえの通り、没食子酸プロピルはBHAやBHTよりも酸化防止作用が強力です。
このため非常に少ない量で酸化防止効果が期待できることがわかっています。
それならやっぱり没食子酸プロピルが一番使われているんですか?
現在ペットフードで一番使われているのはトコフェロールなどになるかと思いますが、没食子酸プロピルも使われていますよ。
没食子酸プロピルの毒性
毒性と言ってしまうと誤解が生まれかねないのですが、あくまで用量によって、急性毒性、変異原性、染色体異常が認められています。
没食子酸プロピルの用量
単回投与毒性の経口投与で半数のマウスが亡くなってしまうLD50は2,000-3,000mg/kgです。
しかし人の場合でもADI(1日の許容量)は1.4mg/kgとなっていますから、ペットがマウスのLD50に値する量を摂取するということは考えられないほどの値です。
人のADIの1,428.57倍から2,142.86倍もの量ですね。この量で考えると、人の食塩の目標量は20歳で8g未満/日なので、この1,428.57倍の11,428.56g(11kg)の食塩をマウスが摂取したら半数どころか全てのマウスが亡くなってしまいますよね…
しかも人の数値は1日の許容量ではなく、目標量ですから、こうした点を考えても根拠を持って決められた用量内であれば毒性は高くないといえるのではないでしょうか。
こうしてバターなどの食品だけでなく、医薬品や化粧品にも使われています。
因みに人の食品の使用基準の最大限度はバターでは0.1g/kg以下、油脂類としては0.2g/kg以下となっています。
ペットフードの場合、ペットフード安全法ではBHAやBHT、エトキシキンにように用量に制限はかけられていません。ただしEU理事会では100ppm以下を定めています。100ppmは0.1g/kgですので、バターと同じ程度になっています。
まとめ
- 没食子酸はもっしょくしさんと読む
- BHAやBHTよりも酸化防止力が高いので少量で効果が期待できる
- 油に溶けにくい
- 急性毒性、変異原性、染色体異常が認められる
- 影響のある用量は非常に多く、それほどの量を摂取することが難しい
没食子酸プロピルについて、詳しく教えてもらいました。人の食品にも使われている酸化防止剤として、ペットフードにも使われています。規定用量の範囲内であれば、一生食べ続けても影響はないと考えられているそうです。