目次
ペットフードに使われるラムについて
ラムやウサギなど日本では少ない原材料について質問を頂きましたので、わかる範囲で話してみたいと思います。正直なところ、私もそれほど多くの情報は持っていないのですが…(笑)
ラムやウサギ、ヴェニソン(鹿)やイノシシなどたくさんありますよね!
色々ある中から、今日は主にラムについて話してみたいと思います。
ラム飼育頭数の多い国1位は中国
羊と言えばオーストラリア、ニュージーランドのイメージが強いのではないでしょうか。しかし飼育頭数は圧倒的に中国が1位となっています。
中国なんですね!恥ずかしながら、私には中国のイメージはありませんでした。強いてアジア言うならチベットやモンゴルにはいそうな…その位の認識でした。
多くの日本人がそうなのではないでしょうか。
私自身も同じ認識です。そして2位はオーストラリアですが、3位はインド、4位はナイジェリア、5位スーダンと全くイメージのない国ばかりです。
これが不思議と羊肉生産量となるとオーストラリア、ニュージーランドが一気に躍り出てきます。
しかし中国(2,384,200トン)>オーストラリア(669,604トン)+ニュージーランド(451,276トン)と中国の生産量は圧倒的です。
ただし中国は国内需要が多く、オーストラリアやニュージーランドが輸出国としては大きくなっています。
日本でも約9割がオーストラリアとニュージーランドからの輸入です。
順位 | 飼育頭数 | 羊肉生産量 |
---|---|---|
1 | 中国 | 中国 |
2 | オーストラリア | オーストラリア |
3 | インド | ニュージーランド |
4 | ナイジェリア | トルコ |
5 | スーダン | イギリス |
6 | イラン | イラン |
7 | イギリス | アルジェリア |
8 | エチオピア | スーダン |
9 | トルコ | インド |
10 | チャド | ウズベキスタン |
11 | モンゴル | ロシア |
12 | パキスタン | パキスタン |
13 | アルジェリア | モロッコ |
14 | ニュージーランド | 南アフリカ |
15 | ロシア | シリア |
これが日本では羊はオーストラリアやニュージーランドというイメージに繋がっているんですね。
国によって羊の品種が違う
ラム主体のペットフードの製造国による一番大きな違いは品種です。wikipediaにも書かれていますが、各地域の品種は概ね以下のようになっています。
地域 | 品種 |
---|---|
ヨーロッパ | アイスランディック |
アラゴネセ | |
イースト・フリージャン | |
コーカシアン | |
サフォーク | |
シャロレー | |
チェビオット | |
テクセル | |
メリノ | |
ロムニー | |
オセアニア | コリデール |
ドライスデール | |
アジア | アワシ |
カラクル | |
蔵羊 | |
寒羊 |
参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒツジ
全然違うんですね!
私も知らなかったのでヨーロッパを渡り歩いていたときに聞いて驚きました。勝手ながら羊はほとんど種類がないイメージを持っていました。
ヨーロッパ
ヨーロッパでの食肉はサフォーク種がほとんどだそうです。これがなんと日本でもポピュラーで日本最多登録数であるメジャーな品種です。ヒツジのショーンのモデルになった種類だそうですよ。
オーストラリア
オーストラリアではドーセット種が一番飼育されているそうです。他にはボーダーレスター、サフォーク、メリノなどのようです。メリノは日本でも有名なメリノウールのメリノで、オーストラリアメリノと言われています。
ニュージーランド
ニュージーランドではロムニー種が一番飼育されているそうです。毛も肉も両方使われるそうで、2番目はメリノ種です。こちらはニュージーランドメリノと言われています。
ペットフードに使う羊の品種による違い
さて、肝心なペットフードでどの品種が使われているかですが、これはその国々で最も多く安く仕入れることが可能な品種です。
なので基本的に特定されません。
ということは、製造国によって羊の種類が変わると考えてもいいんでしょうか。
その通りです。キャットフード・ドッグフードの原産国がヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドと違えば、羊の種類が違うと考えていいかと思います。
原材料コスト的にはヨーロッパラムが一番高いです。それは品質ではなく数の問題であると感じています。
このため、ラムの原材料費はオーストラリアかニュージーランドが一番安くなりそうですね。
食べなくてもメーカーを変えれば食べる可能性あり
品種が違えば香りや固さ、色には違いが出ると思います。
この当たりは犬猫の好みに直接影響しますので、ラムのキャットフード・ドッグフードを食べなかったとしても、メーカーや原産国を変えれば食べるということは十分に考えられることと思います。
厳密には鶏も魚も同じ
種類の違いに関しては魚であっても鶏であっても、気候が全く違う他の国で育てられれば違うものと考えても間違いはないようにも思いますので、羊だけに言うことでもないかもしれません(笑)
特に魚に至っては大きさでも名前が違いますし、サーモンの種類だけでもあげたらキリがありませんので…
なので羊に限らず、魚でも鶏肉でも、主要原材料が同じであってもメーカーを変えれば食べるというのはもっともなことであると言えると思います。
ご参考程度として頂ければと思います。
ラムのメリット・デメリット
デメリット
デメリットはコストが高いことです。鶏よりも高く、魚と同等クラスか更に高くなります。
メリット
メリットは必須アミノ酸が豊富に含まれていることです。
原材料に豊富に含まれていれば栄養添加物での調整は最低限に抑えられます。特に羊は微量ながらもα-リノレン酸(オメガ3脂肪酸)が含まれている牧草を主食として食べているので、他の肉よりもα-リノレン酸(オメガ3脂肪酸)が多いという特徴があります。
オメガ3脂肪酸は主に魚や亜麻仁などから取るものとの意識があるかと思いますが、牧草を主食としている羊や放牧牛にもα-リノレン酸(オメガ3脂肪酸)が含まれています。
お肉でもオメガ3脂肪酸が含まれているものがあるんですね!
ただ魚の場合はDHA、EPAとして摂取することができるので、全く同じものではないと覚えておいてください。
ヘルシーだという声も聞こえてきますが、一概にはそうも言えないように思います。部位で見ていく必要がありますので、鶏はもも肉や皮はカロリーが高いですが、ささみなどは低カロリーです。牛や豚も同じなので、どの部位を使用しているかが重要かもしれませんね。
まとめ
- 製造国によって使われる羊の種類が違う
- オメガ3脂肪酸を含む羊肉
- 原材料としてのコストが高い
- イメージほどヘルシーではない
製造国で羊肉の種類が違うというのは驚きました。全世界で飼育され、ペットフードも製造されているのですから、違うものになるのは当たり前だということに改めて気付かされた気がします。