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キャットフードやドッグフードに匂いについて
キャットフードの匂いについて、飼い主の方が気になるという場合がありますが、匂いについて考えてみましょう。
食べ物の匂いについてはペットフードも人用の食品も同じです。肉や魚が多いほど匂いが強くなります。反対に野菜や繊維が多いほど匂いが少なくなります。
これはうんちに関しても同じです。肉や魚が多いほうが臭くなります。
人と全く同じですね。当たり前といえば当たり前ですよね。
また、人が臭みを感じる鹿やラムなどは、犬猫にとっては普段感じたことがない匂いであったり、匂いが強いことで食いつきを刺激します。
もちろん反対に苦手な犬猫もいると思いますが、このように強い匂いは犬猫にとっては興味の対象になり得ます。
そしてレシピ作りにおいて匂いは非常に重要で、匂い強めに作りますので、香りが苦手な飼い主が臭いというのはその通りではないかなと思います。
ただし犬と猫では匂いの方向性に若干違いがあります。それは猫は新鮮肉食、犬は余ったら埋めておいて後で食べることができる腐肉食のため、それぞれ好む匂いに違いがあります。
匂いの強い原材料
ジビエやラム肉など
ジビエやラムは飼い犬、飼い猫にとっては初めての匂いであることもあり、強い興味を示すことがあります。
ジビエ、ラムはやっぱり独特な匂いですもんね。
もちろんその分匂いが強い、もしくはそれほど強くないにしても独特な匂いであるものが多くなります。このため反対に嗅いだことがない匂いとして敬遠する場合もあります。
一長一短ですので持続性を持たせたり、好き嫌いを避けるために、身近な匂いの鶏脂などでコーティング、マスキングすることでより好みやすい匂いに調整することもできます。
牛肉
日本ではあまり見られないのですが、牛肉は海外ではラムなどよりコストが安いのでよく使われます。
私達が思う肉らしい匂いがしますが、キャットフードというと鶏肉系の匂いが多いので、一風変わった感じの匂いに感じる場合もあります。
また、牛肉も鶏脂などのコーティングで匂いが変化します。
鶏肉
最もベーシックな肉原材料です。
鶏肉は食いつきがよく、流通が安定していて、単価が安く、加工しやすいことからキャットフードに最もよく使われます。加工のしやすさから鶏タンパク質、鶏脂も多く使われます。
その価格とベーシックな食いつきや匂いを生かして鶏肉を基本の肉原材料にして、魚や牛肉、ジビエとブレンドすることで他肉原材料の特徴を生かしたレシピ作りが可能です。
鶏肉なくしてキャットフードは作れないという程重宝されています。
他の肉原材料でも同じなのですが、私は鶏肉の匂いが基本に感じているからか、他の原材料に大きく影響を受けるように感じています。他の肉原材料が匂いに癖があるので影響を感じにくいだけかもしれませんが…
魚
私の印象では魚は海外と、国産もしくは国内メーカー(製造国はアジアなど)だと匂いの方向性が違うと感じています。
国産もしくは国内メーカー
日本はどこか出汁を感じさせるカツオやツナが主流です。日本人が思う魚や出汁、醤油っぽいいい匂いという感じです。
海外産
海外の場合は出汁のような繊細なイメージではなく、もっと塩っぽいといいますか、魚を力技でそのまま投入、使用しているようなパワー感を感じます。
もちろん物にもよりますので一概には言えないのですが、魚はメーカーや原産国によって意外と違いが見られる面白い原材料です。
同じサーモンでも、スコットランドサーモン、ノルウェーサーモン、鮭、アトランティックサーモンなど産地で全然違いますのでそれも影響しているかもしれません。
匂いのある原材料
ハーブ、果実類
決して匂いは強くはないですが、匂いはあります。
ハーブを生の状態といいますか、水分を含んだそのままの状態でミキサーに突っ込むのではなく、乾燥するので乾燥ハーブを使います。
生の状態だと水分が多すぎて成分も
弊社のキャットフードの場合は一部のハーブ、果物は混ぜて乾燥させているよう(※乾燥工程などは確認していなかったので不確定ですみません)なので、それっぽい匂いがするといいますか(笑)草っぽいというと雑ですが…私がハーブや植物に詳しくないので非常に語彙力がなく申し訳ないのですが…いわゆる私のような素人がイメージする強いハーブの香りがあるわけではありません。
匂いを形容するのって難しいですよね(笑)
匂いの少ない原材料
原材料ではありませんが、まず国産メーカーのものは日本人が臭いと思うキャットフードは少ないように感じます。さらっとしているといいますか、ゴリ押した匂いではなく、やはりどこかに出汁を感じさせ、いい匂いに感じるものが多いです。
穀物や野菜
はっきり言いますと、穀物や野菜だけでなく、肉とハーブ以外の原材料はあまり匂いがありません。
イメージとしては家でお米を手に取って嗅ぐと確かに匂いはありますが、ないって言っていいよね?位のイメージです。ただ、多く使う原材料の場合は1種類でも非常に量が多いので匂いは感じます。
お米を少量手に取った時の匂いと、米袋を開けた時の匂いって感じですね!
しかし肉を含む全てを混ぜてフードを製造するとかなり匂いは違うものになります。匂いは配分次第でも結構変わるかなと思っています。
ということは穀物や野菜が多いほど匂いは薄くなっていくということですね。うんちも食物繊維が多くなって軽くコロコロとして、匂いも減っていきますよね。
そうした場合は動物性油脂でも動物系の香りをつけたりできるので、一概には言えないのですが、考え方的には穀物などが多い方が匂いが薄いというのはあっていると思います。
同じ原材料、同じ製造工程でも必ずしも同じ匂いにならない
ここが意外と重要で、収穫する季節などによって同じ畜産物、農作物でも状態が変わります。このため同一の原材料、製造工程でも全く同じものはできず、毎回ロットによって違いが生じます。
色やおそらく味にも違いがでますし、匂いも違いがでます。この辺りは工場スタッフとも話していますが、人間の場合はその場で並べて比べれば、まぁ並べて比べてるからわかるかな…位の違いで、嗅いでいるとすぐわからなくなる程度の違いなのですが、おそらく犬猫にとってはかなり違うのかもしれません。
※私は特に鼻がいいということはありません。
製造ロット、そして人によって感じる匂いが違う可能性
こうした微妙な違いは敏感な人だと人間でもよくわかり、印象が違ったものになる可能性もあります。
弊社でオリジナルキャットフードを販売しているわけですが、やはり飼い主の方によって印象が違うことがあるんですよね。
一定の食べる食べないという点ばかりは仕方がないにしても、フードの匂いや固さの印象、ご感想が飼い主によって180度違うこともありますので、判断というのはなかなか難しいものです。
人によって180度違う評価
180度も違うってどういうことですか?
例えばロニーの匂いでいうと、「めちゃくちゃいい匂い」「チキンの香り」「香ばしい」という方もいれば「匂いが強い」「凄い臭い」という方もいます。私はロニーもエリザベスも自分で作ったのでいい匂いに感じていましたし、試作では一番食いつきが良かったので満足していますが、そうではない感想ももちろんあるわけですね。
ロニーの固さも「凄い固い」という方もいますし、「小さくて噛みやすくてちょうどいい」という方もいます。ドライフードを切り出すカッターとしては、ロニーのカッターは小粒よりの部類に入るのですが、最近は超小粒がありますので、それと対比してか「大粒」と言われる方もいます。
あと日本の中小メーカーではオーブンタイプが多く、比較的柔らかいので、それと比較してエクストルーダーで作るフードが固いと感じるのかもしれません。
また、エクストルーダーでも柔らかめというか、崩れやすく作っているものもあります。カリッじゃなくてザクッとかガスッって感じでしょうか。
感覚を表すというのはとても難しいですね。
匂いのまとめ
このように基本的には食いつきを探求すると、安定したデータのある鶏肉、肉多め、匂い強めが基本となるように思います。そこに癖をつけてジビエやラムやなどでしょうか。
魚は日本が特殊なだけで、特に猫はそれほど好きなわけではないので、日本メーカー(アジア産でも)のキャットフードで魚が好きな場合は、世界のメーカーの魚も同一に好きということはあまりないような気がします。
それよりも日本メーカーの魚のキャットフードが好きな猫も、鶏肉のキャットフードを食べたらむしろよく食べたというケースの方が多そうです。
そうなるとフード選び、凄く難しいですね…
弊社のケースで紹介すると「今まで日本メーカーの魚を食べていたからエリザベスを頼んだけど、ロニーの方がよく食べる」ということも少なくありません。
今回は匂いを話題に上げてみましたが、このように幅もありますし、好みの問題なのでフード選びは非常に難しいということが伝わっただけになってしまったかもしれません(笑)
まとめ
- 肉や魚が多いほど匂いが強い
- 野菜や繊維が多いと匂いが弱い
- 便も同じ
- ジビエやラムは強い興味を示す。嗅いだことがない香りで敬遠する場合も
- 鶏肉が最もスタンダードでコストも食いつきも原材料として安定
- 魚の匂いは国内メーカーと海外メーカーで全く違う
- 動物性油脂である程度香りのマスキングやコントロールもできる
- ハーブや果実にも匂いが強いものがある
- 製造時期が違えば収穫時期などが違い、色や匂いが変わる
- ドライフードは鶏肉、肉多め、匂い強めが基本
キャットフードの匂いについての解説は参考になったでしょうか。基本的には人の食品と同じであることがわかりました。愛犬、愛猫が好む匂いを探してみるのもいいかもしれませんね。