目次
カリウムとは
カリウムとは体中に最も多く存在するミネラルです。ナトリウムとセットで考えられ、お互いに作用しながら細胞の浸透圧の維持・調整、血圧調整、水分保持などの働きをしています。
- 細胞の浸透圧の維持調整
- 水分保持
- 血圧調整(余分な塩分を排出する)
- 心肺機能の調節
- 筋肉機能の調節
- pHの調整
猫は汗をかくか
猫が汗をかくところといえば…
肉球ですね!
そうです。肉球です。猫は汗腺が退化しているので肉球からしか汗をかくことができません。
汗をかくとカリウムが失われ、細胞も脱水症状になります。足がつったらカリウム不足といってバナナなどでカリウムを摂取するかと思いますが、猫では汗が原因でカリウム不足になることはありません。
しかし
猫に必要なカリウム量
カリウム | % |
---|---|
成長期と妊娠期の最小値 | 0.6 |
成猫最小値 | 0.6 |
最大値 | なし |
カリウムは不足、過剰摂取ともに症状があります。ただ両方とも症状が外からでは気付きにくく、ほとんどわからないという難しさがあります。
カリウム不足による症状
猫はカリウムが欠乏することは希であり、あまり見られませんが、例えば下痢や嘔吐が続くとカリウムも大量に排出されてしまうためにカリウム不足になってしまうことがあります。
そして食欲がなく摂取量が少ないときも、キャットフードから摂取できずにカリウム不足になることがあります。
カリウム不足になると低カリウム血症になることがあります。中高齢猫で発症しやすくなってきます。
症状としては人のカリウム不足と同様です。
- 手足がしびれ
- 筋力の低下
- 脈拍異常
- 死亡
最も重篤な時は死亡する場合もあります。
カリウムの過剰摂取による症状
過剰摂取した分は排泄されるためAAFCOの規定に最大値はありません。
しかし排出能力を上回るほどの量を摂取したり、何かしたの理由で過剰摂取が起こる場合もあります。
過剰摂取になると高カリウム血症がになることがあります。症状は低カリウム血症と同様です。
手足の痺れや筋力低下などは見た目でほとんどわからないかもしれませんね…
カリウムを摂取できる食べ物
カリウムを豊富に含む食べ物は以下のようなものがあります。
- 肉
- 魚
- 牛乳
- とろろ昆布、
- 芋
- 果物
- かぼちゃ
- ニラ
- ひじき
これらから猫が直接食べる可能性があるものといえば肉魚牛乳あたりになるでしょうか。しかし常識の範囲内で摂取しただけでは問題になることはありません。牛乳と魚以外は生で食べさせることもほとんどないかと思います。
キャットフードではカリウムの調整も行われていますのでキャットフードを食べ過ぎたからカリウム過剰になることはないと思います。
カリウムは水に溶け出しやすい
芋類など茹でると水にカリウムが溶け出し、ゆで汁を捨てることでカリウム摂取量を減らすことができます。とはいえ、普段生で食べることはないかと思いますので意識する必要はないと思います。
またカリウム過剰症になることもほとんどないので普段の生活で気にすることはないでしょう。
まとめ
- カリウムは体中に最も多く存在するミネラル
- ナトリウムと相互作用がある
- カリウムが失われると脱水になり、血圧調整や心肺機能、筋肉機能などに影響を及ぼす
- 過剰分は排泄されるため、過剰症になることは希である
- AAFCOに摂取最大値は定められていない
カリウムは猫にとっても人と同じように作用していることがわかりました。過剰症、欠乏症はともに起こりにくいようですが、ナトリムと一緒に考える必要があるということで、ナトリウムの摂取量が増えたときなどは注意してみるといいかもしれません。