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マグネシウム(Magnesium)とは
マグネシウムはカルシウム、リンと一緒に骨を形成するミネラルです。原子番号12の元素で元素記号はMgと表記します。
人だけでなく、植物にも必要なミネラルです。
植物にも必要なんですか?
植物の光合成には必要不可欠なミネラルなんです。
マグネシウムを多く含む食品
マグネシウムは魚、果物、野菜、大豆など比較的色々なものに含まれています。
人も植物も必要不可欠なミネラルですもんね。
私達日本人に身近な食品では穀物に多く含まれています。大豆にも多いですので味噌や納豆などもあります。
魚介類にも豊富ですので、日本人は昔から自然とマグネシウムが多い食事を摂取していたとも考えられるかもしれません。
当然その人の近くで暮らしていた猫も多くのマグネシウムを摂取していたと考えられます。
マグネシウム欠乏症はあまり起こらない
これは猫にも言えることで、マグネシウムは摂取しやすいミネラルのため、基本的に市販のキャットフードを食べていて欠乏症が起こることはありません。
心臓に問題があると処置や薬などによって急減する可能性があります。利尿剤などを使用する際も注意が必要です。
食事に含まれるマグネシウムは25~75%が吸収される
動物の体は非常にうまくできてきて、低マグネシウムのキャットフードでは75%が、高マグネシウムのキャットフードからは25%の吸収率であると考えられています。
その吸収方法も違い、主に吸収する小腸では、低マグネシウムであれば能動輸送、高マグネシウムであれば単純拡散で吸収される。
つまり食事のマグネシウムの濃度によって吸収方法が変わっているんですね。
マグネシウムは骨の中に多く存在する
マグネシウムは骨の中に60%のマグネシウムが存在し、軟部組織、筋肉中にそれぞれ20%存在しています。
マグネシウムが欠乏してしまうと骨からマグネシウムが使われていきます。
人の場合ではマグネシウムを多く摂取すると心筋梗塞のリスクが低下
人の場合はマグネシウム摂取量が多いと心筋梗塞のリスクが低下するという研究結果もあります。
猫の場合はカルシウム、リン、マグネシウムのバランスをとることで尿路結石に配慮していく方法が取られますので、一概にマグネシウムの摂取量を多くすればいいというわけにはいきませんが、マグネシウムにはこうした病気予防に効果的であることは知っておいてもよいと思います。
猫とマグネシウム
マグネシウムは猫にとっても欠かすことのできないミネラルです。
心臓の健康維持
上記の人のリスクで紹介したものと同じく、心臓の健康維持には非常に重要であり、十分に摂取する必要があります。
骨格形成
カルシウム、リン、マグネシウムがそうごに作用して骨や歯の構成成分となります。
ストルバイト結石を構成する
マグネシウムを沢山取った方がよいという話の後ですが、猫の場合はマグネシウムはストルバイト結石を構成するミネラルのひとつです。
このためマグネシウムは適正に制限することで、尿路結石のリスクを減らすことができます。ただし減らすことで他の問題が生じる場合があるため、ただ減らせばよいというわけではないので、目的に合わせてコントロールを行いましょう。
ストルバイトを気にし過ぎてマグネシウム欠乏を起こさないように
猫の天敵ともいえるストルバイト結石。最もメジャーと言っていいいこの病気は飼い主には広く認識されているので、ミネラル摂取の低減に目が向きがちですが、マグネシウムはなくてもよいミネラルではありません。
マグネシウムが欠乏すると不整脈や心不全、発育不全、高血圧による障害、骨の発育不全など多くの病気の可能性があります。
また原因が感染症などの場合もあり、必ずしもマグネシウムが原因であるというわけでもありませんので、必ず病状に合わせて制限するようにし、普段から制限してしまうことは避けると良いと思います。
まとめ
- マグネシウムは必須ミネラル
- 心臓病の予防に効果的
- 骨の構成成分のミネラルのひとつ
- ストルバイト結石の成分のひとつ
- マグネシウムはむやみに制限をしない
猫の天敵、ストルバイト結石の構成成分のひとつとなるマグネシウムは摂取を制限するものとして認識されているか飼い主も多いミネラルです。しかしミネラルは非常に重要な役割を持っていますので、適切な摂取を心掛けるようにしましょう。