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ドッグフードは食べることを最優先に考える
ドッグフード選びについてお伝えするとき、まずはこれから話すようにしています。
ドッグフードは飼い主が選びますが、人間目線になると原材料や品質などに捕らわれすぎて、愛犬が好まないものを無理矢理与えてしまっているケースが見られます。
長生きして欲しいと思うとつい…気持ちはよくわかります。
しかし「よく食べること」が犬の食育、またQOLの面からも大切です。「犬が食を楽しめること」を最優先にして考えてあげてください。
食べないフードを与えていると食べなくなる
犬の場合は猫ほど選り好みが少なく、比較的なんでも食べるという犬が多いのではないでしょうか。
また、肉食の猫のように苦手な食材も少ないので、飼い主としても慎重に選びすぎなくてもよく、与えやすいかと思います。
確かにうちのダックスも喜んでなんでも元気に食べてくれます!
そんな犬ですが、食べたくないもの、余り好きではないものをずっと出されると食べなくなってきます。もしくは飼い主の様子をみて渋々食べるでしょう。
これが続くとドライフード事態に嫌悪感を抱き、楽しく食べることができなくなってしまうこともあります。
原材料や品質が高いものを選ぶことも大切ですが、犬が喜んで食べてくれるものを探してあげてください。
発売されているドライフード
ドッグフードもかなりの種類が販売されており、いつも買うフードがバラバラであったり、悩んでみるけど結局何を与えていいかわからないといったことがあるかと思います。
ここではそうした多くのドッグフードの見方を紹介することで、飼い主自身で選択できるようにしたいと考えています。
私もしっかり自分で選べるようになりたいです!
まずはドライフードを3つに分けてみたいと思います。犬の年齢や状態、種類に合わせて作られている固体別のドライフード、オーガニックなどテーマを決めて原材料を選んでいる原材料別ドライフード、猫の味の好みを考えた原材料に工夫が見られる味別のドライフードがあります。
- 個体別ドライフード(年齢や犬種など)
- 原材料別ドライフード(オーガニックなど原材料の選別にテーマを設けている)
- 味別ドライフード(鶏肉や魚など)
犬の場合は犬種による個体差が大きく個体別が人気
犬の場合は小型犬から大型犬まで体の大きさの個体差が大きく、個体別フードは見た目にもわかりやすく、非常に人気です。
中でも長毛種用など身体的特徴がある場合に犬種別フードを選ぶのが簡単で便利な使い方かもしれません。
しかし必要量は体重や体表面積に関わると考えられており、食事量で調整ができますので、全年齢対応食でも問題はありません。
原材料や味も非常に大切な要素でそれぞれが相互に関わっていますので、犬種別にこだわり過ぎず、他の要素についても考慮して愛犬が喜んで食べるものを探しましょう。
こうやって考えると選ぶのも難しいですね!
例えば、小型犬のチワワのフードを選ぶ場合、幼犬用、成犬用、老犬用と大きくわけただけでも3種類あり(個体別)、かつオーガニックなど原材料にこだわったり(原材料別)、鶏肉や魚、また織り交ぜたりと味に変化を付けているフード(味別)があります。
例えば、「成犬用」の「オーガニック」で、「鶏肉味」といった感じですね。
個体別ドライフード(年齢や犬種など)
個体別ドライフードについて見ていきたいと思います。個体別とは犬種や年齢、状態を表すフードのことです。
こうしたフードはロイヤルカナンやヒルズが得意としています。
- 犬種別
- 幼犬用
- 成犬用
- 老犬用
- 体重管理用
- 避妊去勢後用
- 室内犬用
- 食事療法食
- 栄養補完食
こうした犬の状態に合わせた種類が販売されています。そこから更に一歩進んだものとして以下のようなものがあります。
- 皮膚被毛ケア
- お腹の健康ケア
- 歯垢歯石
- 尿路結石
体重管理もしたいけど、お腹のケアもしたいといった目的が2つ以上ある場合には悩むかもしれません。
愛犬に適したフードが2つ以上ある場合の選び方
一番多い質問が室内で飼っている犬の場合、室内犬用か成犬用のどっちを選べばいいかわからないというものです。
この場合は運動量を目安に選択するといいと思います。
室内犬用
室内犬用はその多くが、室内で飼育されることで運動不足になることを懸念し、肥満防止について考えられている商品です。また、動かないことで腸の動きが鈍くなることを考えて、腸の動きサポートや便臭の軽減などが考えられています。
このようにトータルして室内犬に起こりやすい問題をサポートするものが室内犬用です。
室内犬用の中でさらに幼犬、成犬、老犬とわかれているものもあります。
成犬用
成犬用はあくまで一般的な成犬に必要とされるカロリーや栄養素が計算されて作られています。
過剰に運動を行う必要はありませんが、犬がストレスを感じない程度に健康的な散歩などを行っている場合は成犬用でいいと思います。
また、お庭など外で飼育している場合は体から熱を発するカロリーも必要となります。
愛犬の生活環境に合わせる
このように愛犬の生活環境に合わせて選択することが大切です。
皮膚被毛ケアやお腹の健康ケアなどは、ずっと使わなくても、その時々で使用してあげるといった使い方も良いかと思います。
原材料別のドライフード(オーガニックなど原材料の選別にテーマを設けている)
ドライフードには一般的な原材料を使用したドッグフードと、オーガニックとして農薬などを規制した原材料で作られたドッグフードの2種類があります。
グレインフリードッグフード
一般的な原材料を使用したものでも、穀物を使用しないグレインフリー(穀物不使用)ドッグフードや、人が食べられる食材のみを使用したプレミアムフードといわれるドッグフードがあります。
最近注目されているグレインフリー(穀物不使用)は、穀物を含んでいない分、鶏肉や魚などの肉類が豊富に含まれています。このため肉由来のタンパク質が多く、消化級率が高かったり、消化しやすいといったメリットがあります。
犬は雑食で穀物も消化できますので、穀物が入っていることは問題がありませんので、グレインフリーも選択肢のひとつとして愛犬の好みでお選び頂いたり、穀物アレルギーがみられる場合には選択肢となります。
オーガニック
ほとんどの犬にはこれら一般的な原材料を使用したドッグフードで問題はありませんが、まれに農薬アレルギーなどがあり、こうした犬にはオーガニックが唯一の選択肢となります。
犬にも農薬アレルギーがあるんですか。
意外と知られていないのですが、どんなフードを与えても体調が悪かったり、皮膚被毛に異常が出ていた犬がオーガニックにしたところすっかり治ったということがあります。
しかしオーガニックのデメリットとしては、オーガニックである以上食材に人と動物の差はありませんので、人用と動物用で原材料を取り合うこととなり、非常に高額になります。
一般的な食材は人が食べられる食材の端材だったり、人用と同じではあるが人用の出荷検査(形や重さを揃えるなど)を行わないことでコストを削減したりと、人用の食材と被らないようにすることで、お互いにメリットを見いだし、かつ、無駄を出さないエコな食材の利用を行っています。
原材料は傷物を使っている?
よく傷物が使われるといったことも言われますが、正直なところペットフードは1工場の1日だけでも非常に大量に作りますので、傷物の食材だけ集めてそれだけで作るというのでは食材が足りず、非常に難しいことです。
考え方としては人用では選別する傷物や形不揃いのもの選別していないと考えた方が現場に近いものを思います。
味別ドライフード(鶏肉や魚など)
ドッグフードの主になる原材料には色々なお肉が使われます。鶏肉や魚を始め、馬、牛、豚、鹿、羊、カンガルーなど国によって様々な特色もあります。
犬も猫も原材料には大きく違いがありませんが、馬肉や牛肉は犬の方が好まれる傾向にあるように感じます。
国産ドッグフードだと鶏肉、七面鳥、ダック、サーモンなどが多いですが、その他に意外に感じるものとしては馬肉や牛肉も多いですね。
キャットフードは牛肉、特に馬肉はほとんど使われていないことからも猫と犬の好みを表す点とも言えそうです。
海外ではコストが安い鶏肉と牛肉が人気
鶏肉が一番のイメージがありますが、海外ではどうですか?
海外産は鶏肉と牛肉が人気です。
これは鶏肉と牛肉は非常に食いつきがいい原材料でありながら、安定供給が確立されているので、コストが安く抑えられるためです。
豚もコストは抑えられるかと思いますが、私は余り見たことがない…気がします。あまり意識してなかったのかもしれませんが(笑)
羊や鹿、カンガルーなどはコストが高い傾向
羊や鹿、カンガルーなどはコストも高く、必ずしも食いつきがいいとは限りません。また、羊や鹿、カンガルーなどは地域性が高く、食べない国では全く食べませんので、飼い主自身が敬遠し販売が難しいからです。
こうした変わり種のドッグフードは変化球として、食事にちょっとした変化を与えるフードとして使ってみたり、例えば鶏肉アレルギーが疑われる場合に、選んでみるというのも良いかと思います。
まとめ
- 食べることを最優先に考える
- 年齢別、犬種別、原材料別、味別など愛犬にあったフードを選ぶ
- 高タンパクで穀物アレルギーも避けられるグレインフリー(穀物不使用)が人気が出てきている
- 農薬アレルギーにはオーガニックが唯一の選択肢
- 日本では海外では鶏肉、牛肉が人気
ドッグフードを選ぶ基本的な考え方を学びました。愛犬にあったフードを選ぶために、これらの知識を生かすとより適したフードを選べるものと思います。