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ロニーボディクリーム開発について
2020年冬に大反響を頂きまして、潤沢な在庫を準備していたにも関わらず、製造が追いつかずに在庫切れをしてしまったロニーボディクリーム。
そもそも私自身や弊社スタッフは動物と接することもありますし、犬猫動物のためにハンドクリームやボディクリームをつけられず、手や肌が荒れるという問題から、弊社の社員のために開発が始まりました。
私も特に今の時期はハンドクリームとして使ってます!
動物と接する人が化粧品を使う時の問題点を挙げると、メインとなる問題点は以下です。
- ペットに舐められる
- ペットの体にクリームがつく
- 手に毛がつく
- 保湿力が高いものはべたついて使用できない
- 精油(香料)を使用していないものを選ばなければいけない
これらを言い換えると以下になります。
- 舐められても問題がない
- べたつかない(すぐサラサラになる)
- べたつかないのに保湿力が高い
- 精油を使用していない
これらをクリアしないと弊社スタッフが使うには問題があるものとしてラインを定めました。
舐めても問題がないという課題
これには製造上の問題よりも、法律の問題があります。
ボディクリームやハンドクリームは化粧品であり、食品ではないので「食べられる」「食べても大丈夫」ということはできませんので、製造時点でそれらに「配慮」して製造していく必要があります。
弊社はペットフードメーカーですのでこの点にアドバンテージがあると思いますし、最大限の配慮を行いました。
なるほど!ということは完全に自然のものだけを使用した化粧品でも、化粧品である以上は食べられると言ってはいけないんですね!
私達はその点を徹底して、工場スタッフや動物に関する意見を求めることができる専門家と共に、自然由来の素材を選んでいきました。
さすがに食べるものではないのでガブガブ食べたらどうかというのは、安全かどうかに関わらず、単に気持ち悪くなると思いますし、そこまでは想定していませんが(笑)
べたつかない(すぐサラサラになる)という課題
保湿力を求めるとどうしてもベタベタの方向に進んでしまいます。自然系のシア100%や馬油、ミツロウなどはペットへの問題こそ少ない(ない)ものの、ベタついたりと使い心地が決してよくないという課題がありました。
そこでまずは「毛がつかない位サラサラになる」ことをラインに定めて開発を行いました。
本当に犬猫に触ると凄い毛がついて、これを取るのもかなり大変なんですよね…
100%天然由来だとどうしても使い心地に難があり、目標に達することができなかったので、トリマー向けクリームなどでも実績のある原材料を0.3%使用することでクリアしました。
原材料は99.7%が自然由来です。もちろん合成のようなパワフルな質感ではありませんが、思った以上の保湿力を感じる仕上がりになっているかと思います。
べたつかないのに保湿力が高いという課題
べたつかないのに保湿力が高いということは非常に矛盾したように感じます。
保湿力を高める場合、バセリンのような外部からの刺激をシャットアウトするように作ることが最もバリア製が高く水分を逃さないようにできるのですが、それでは当然べたついてしまいます。
また、バリア性を高めるということは肌の表面に残っている状態になりますから、犬猫動物にとってはクリームがつく原因になりますし、飼い主にとっても毛がつく原因になります。
このため、バリア性ではなく浸透する方向で試作、製造していきました。もちろん完全にバリア性がないわけにはいきませんので、飼い主だからこそわかる「ちょうど良い」バリア性へと調整を行いました。
精油を使用していない
元々このボディクリームは私達従業員が使えるように業務用で開発を進めていたものですので、動物の安全を最優先にすることで精油など香り成分は使わなくても問題がありませんでした。
なるほど、動物と触れ合う方へ向けた業務用の予定だったんですね。
香りを付けたい場合は精油以外にはない?
私自身、化粧品検定1級の上位資格であるコスメコンシェルジュの資格を有しています。
化粧品に香りを付けようとした場合、動物性香料もあるのですが、動物保護の観点からも、実際に使えるものとなると精油以外にはないといっても大げさではありません。このため、動物に配慮する場合は香料は使えないと言えます。
こうなればどうしても原料の香りといいますか、素材の香りがしますので、その点はどんな原材料を使用するかによって香りも変わっていくと思います。
犬猫動物と接する方は、ペットフードメーカーが作ったボディクリームですので是非試してみてください。
まとめ
- ロニーボディクリームは元々業務用として開発を検討しスタート
- 化粧品は食べ物ではないので法律の面から舐めても大丈夫といった直接的な表現ができないので、製造時から配慮していく
- 使用後も毛がつかないように浸透するような質感を目指した
- 香料は事実上精油しか使用できないため不使用としている
犬猫動物と接する人達へ向けた業務用として企画・開発が始まったロニーボディクリーム。飼い主の声を聞いて一般発売となりました。私やマッサンはハンドクリームとして常時使用していますので、ハンドクリームとしてもおすすめです。