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トレオニンとは
トレオニン(Threonine)は最も新しく1935年にウィリアムカミングローズによって発見された必須アミノ酸です。
トレオニンはスレオニンとも呼ばれます。化粧品ではトレオニン、医薬部外品表示ではL-スレオニンかL-トレオニン、部外品表示の簡略表示ではスレオニンかトレオニンと表示されます。トレオニンは全てで使われているのでここではトレオニンを採用しています。
トレオニンは添加物として飼料用にも使用されます。アミノ酸のバランスを改善でき、肉質の改善やトレオニン消化率の低い穀類などの飼料の栄養価の改善などが可能です。
トレオニンを含む食材
鶏肉、卵、七面鳥などの鳥類、魚、豚肉、牛肉などに含まれています。
一例として鶏胸肉、クロマグロ、豚ロース赤身などに多く含まれていますが、ビーフジャーキーはそれらに比べて倍以上含まれています。
動物性のものに多く含まれ、野菜類の含有量は少ないです。穀類にも少ないので穀類の多い飼料ではトレオニンが添加物として使われます。
豆腐などにも含まれていますが、含有量は決して多くないため、動物性たんぱく質を摂取するように心がけましょう。
犬猫とトレオニン
成長を促進する
トレオニンは新陳代謝を促すことで新しい細胞を作り出します。たんぱく質の合成を高めるため、筋肉などの組織の機能改善、成長を促します。
トレオニンが不足すると体重減少を引き起こす
犬猫共にトレオニンが不足すると体重が減少します。また拒食を引き起こします。
マウスでの実験ではトレオニンとトリプトファンを減らした食事を与えたところ、カロリー制限なしに体重が減少しています。
トレオニンはコラーゲンやケラチンの合成原料
コラーゲンやケラチンの合成原料となることから皮膚被毛の健康に効果が期待できます。
トレオニンのペットフード含有量
トレオニンは必ずしも熱に強いわけではありませんが、肉類に多く含む為ドッグフードやキャットフードでは比較的豊富に含まれています。
AAFCOのドッグフードにおける基準値
栄養素 | 乾物ベース単位 | 成長期&妊娠期 最小値 | 成犬の維持期 最小値 |
トレオニン | % | 1.04 | 0.48 |
参考:AAFCO DOG FOOD NUTRIENT PROFILES BASED ON DRY MATTER(PDF)
AAFCOの基準では子犬、妊娠期は1.04%以上、成犬の維持期は0.48%以上となっています。
AAFCOのキャットフードにおける基準値
栄養素 | 乾物ベース単位 | 成長期&妊娠期 最小値 | 成猫の維持期 最小値 |
トレオニン | % | 0.73 | 0.73 |
参考:AAFCO CAT FOOD NUTRIENT PROFILES BASED ON DRY MATTER(PDF)
AAFCOの基準では子猫、妊娠期は0.73%以上、成猫の維持期は0.73%以上となっています。
トレオニンの欠乏症・過剰症
猫では欠乏すると神経機能障害や歩行失調などが見られ、特に極端な活動性を示すことがあります。犬の場合は体重減少などが見られます。
過剰症はないと考えられています。
まとめ
- トレオニンは最も新しく発見された必須アミノ酸
- 穀物が多い飼料用の添加物としても使用される
- アミノ酸バランスや肉質の改善が行える
- 鶏肉、卵、七面鳥など鳥類、魚、牛肉、豚肉に豊富
- 筋肉や成長を促進する
- コラーゲンやケラチンの元となり、皮膚被毛の健康に関係する
トレオニンの欠乏は体重減少を招くほど重要なアミノ酸です。犬猫の肉類メインの食事で欠乏することは考えにくいことで、総合栄養食のドッグフード、キャットフードを食べていて欠乏するということはありませんが、意識してみることは悪いことではないかと思います。