目次
アラキドン酸とは
アラキドン酸は必須脂肪酸です。猫は体内でリノール酸からアラキドン酸を合成することができないため、食事から摂取する必要があります。
皮膚被毛や腎機能と関係しており、不足すると被毛がぱさぱさになったり、脳の機能に不調をきたす場合があります。
また人の場合、加齢により減少するともいわれています。
猫はリノール酸からアラキドン酸を合成できない
犬はリノール酸からアラキドン酸を合成することができますが、猫は合成することができません。このため食事から摂取する必要があります。
総合栄養食のドライフードなどを食べていれば欠乏することはありませんが、手作りご飯などでは注意が必要です。
手作り食では注意が必要
アラキドン酸は動物性脂肪にしか含まれていないため、野菜には含まれていません。因みに魚類もぶりなど脂肪分が多い魚以外は含有量が少ない傾向にあります。
このため手作り食を作る時に肉や卵を用いないレシピではアラキドン酸が非常に少ない、もしくは含まれないレシピとなります。
この場合、オメガ6脂肪酸のオイルを添加するなどの方法以外だと、全てのアラキドン酸を総合栄養食のドライフードなどで摂取する必要があるため、手作り食を食べているにも関わらず、1日に必要な分だけのドライフードなども摂取する必要があります。
かぼちゃのニョッキを例に考える
例えば以下のレシピを参考に見てみましょう。このレシピでは基本的にかぼちゃしか使われていないため、猫の栄養評価表を確認してみると、アラキドン酸の含有量は0です。
こうした手作り食を食べた場合には、それでお腹が膨れたとしてもアラキドン酸は全く接種できていないので総合栄養食のドライフードなども食べる必要があります。
このため手作り食は控えめに、コミュニケーションツールや、食事の楽しみを覚えてもらうための一品として使用するのが使いやすい方法かと思います。
アラキドン酸を含む食材
アラキドン酸は動物性油脂のため、豚レバーや牛レバー、鶏ハツなどの内臓や豚肉、鶏肉、卵、牛肉などの肉に含まれています。
魚の場合はあんきも、からすみなど内臓や油分の多いぶりなどに豊富です。
アラキドン酸の含有量は肉類に劣りますが、魚の場合はEPAやDHAなどオメガ3脂肪酸も含まれていることでバランスよく摂取できる点は魅力です。
食品 | アラキドン酸(mg/100g) |
---|---|
乾燥卵黄 | 1100 |
卵黄 生 | 520 |
からすみ | 470 |
豚レバー 生 | 300 |
ピータン | 250 |
がちょう フォアグラ ゆで | 210 |
ぶり 生 | 180 |
まさば 生 | 180 |
和牛レバー 生 | 170 |
豚 肩 脂身 生 | 130 |
さわら 生 | 95 |
参考:食品成分表2022(八訂)
アラキドン酸のペットフード含有量
AAFCOのドッグフードにおける基準値
AAFCO DOG FOOD NUTRIENT PROFILES BASED ON DRY MATTER
栄養素 | 比率 |
(リノール酸+アラキドン酸):(α-リノレン酸+エイコサペンタエン酸+ドコサヘキサエン酸)酸比率 | 30:1 |
参考:AAFCO DOG FOOD NUTRIENT PROFILES(PDF)
犬はアラキドン酸はリノール酸から合成できるため、必須ではありませんが、αリノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸とのバランスの目安があります。
AAFCOのキャットフードにおける基準値
AAFCO CAT FOOD NUTRIENT PROFILES BASED ON DRY MATTER
栄養素 | 乾物ベース単位 | 成長期&妊娠期 最小値 | 成猫の維持期 最小値 |
アラキドン酸 | % | 0.02 | 0.02 |
参考:AAFCO CAT FOOD NUTRIENT PROFILES(PDF)
AAFCOの基準では子猫、妊娠期は0.02%以上、成猫の維持期は0.02%以上となっています。
まとめ
- 猫はアラキドン酸を体内で合成できない
- 動物性油脂に含まれているので内臓、肉類に豊富
- 欠乏すると皮膚被毛、脳などに影響がある
- 手作りレシピの場合はアラキドン酸が含まれていない場合があるので注意
猫は体内で合成ができないアラキドン酸。総合栄養食のペットフードを食べていて問題になることはありませんが、手作り食を与える場合には肉類が含まれていないレシピの場合アラキドン酸が全く含まれていない場合がありますので、ドライフードとの併用がおすすめです。