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ケイ素とは
ケイ素は原子番号14に元素で元素記号はSi、原子量は28.1です。別名シリコンといいます。
ケイ素は水道水などにも含まれており、普段の食生活では意識することなく摂取しているものです。ケイ酸塩や二酸化ケイ素といった形で岩石などの元となっています。
骨や皮膚、髪など多くのものに影響がありますが、普段から摂取していることにより、意識することは非常に少ない微量ミネラルです。
シリコンってあの柔らかいぷにぷにしたシリコンですか?
それとは違います。スギさんの言っているシリコンはシリコーンで、ケイ素のシリコンとは別物です。
二酸化ケイ素とは
二酸化ケイ素はケイ素の酸化物で組成式はSiO2で、別名シリカや無水ケイ酸と呼ばれます。
二酸化ケイ素には二種類あり、分子が整列している結晶質シリカと、ただ寄せ集まっただけの非晶質シリカです。
二酸化ケイ素は指定添加物として厚生労働省に認可されていて、食品添加物としても使用されていますが、それは非晶質シリカです。
参考:シリカやケイ素を摂取できるとうたった飲料、健康食品等に関する調査-ケイ素の摂取は美容や健康に良い? 国民生活センター
結晶質シリカ(石英)とは
結晶質シリカはその文字通り、水晶やオパールといった結晶です。大変綺麗ですが、毒性があることが知られています。
発がん性について
遺伝性疾患、発がん性のおそれ、反復暴露による呼吸器、免疫系、腎臓障害などがあり、グループ1の発がん性物質に分類しています。
石英粉塵を吸い込んだりすると珪肺、肺がん、肺結核などの原因になります。二酸化ケイ素は土壌を構成する形で存在しているので鉱石採掘現場などでのがんの原因にもなりえます。
しかし粉末の吸入が問題なので吸わなければ問題はなく、触っても問題が起こるということはありません。
非晶質シリカとは
非晶質シリカはシリカゲルや珪藻土などです。
シリカゲルのように乾燥剤や消臭剤、農業肥料、調湿剤などに使われている他、吸水性の低さを利用してアイシャドーやファンデーションのような化粧品にも使われています。
同様の効果を狙ってふりかけなどの粉体に混ぜ込むことでダマになるのを防ぐ効果があります。ビタミン系の粉末の食品添加物にはこの効果を狙って添加されているものがあります。
食品添加物して指定されていますが、「母乳代替食品及び離乳食に使用してはならない」という使用基準が設定されています。
基本的に食品添加物の非晶質シリカは体内で吸収されないため、便として体外に排出され、体には影響がありません。
栄養素として体内に存在するケイ素は二酸化ケイ素ではなく、食品に含まれるケイ酸など水溶性化合物から吸収しています。このため食品添加物としての二酸化ケイ素を摂取しても栄養としてのケイ素を補充できるわけではないという点には注意が必要です。
発がん性について
人、動物ともに発がん性情報はなく、不明確ですが、過去の実験からは特に問題は確認されなかったようです。
IARCでは非晶質シリカ全体に対して発がん性に関する証拠は人、実験動物で証拠不十分として、発がん性分類をグループ3としています。グループ3は「ヒトに対する発がん性について分類できない。」としていて、完全に安全としているわけではありません。
シリコン製剤(ケイ素食品剤)の可能性
ホットトピックはこのシリコン製剤の可能性です。
水素水では水素発生量が少なく、効果が期待できないが、1gのシリコン製剤から400mL以上の水素が24時間以上発生し続けるシリコン製剤ではその効果が実証されています。
研究成果のポイント
・体内で24時間以上にわたり多量の水素が発生するシリコン製剤を開発(2019年10月25日発表)
・今回、ラットを用いた動物実験で、シリコン製剤が慢性腎臓病の悪化を抑制できる可能性を発見
・マウスを用いた動物実験で、シリコン製剤がパーキンソン病の進行を抑制できる可能性を発見
・根本的な治療法がない難治性疾患であるパーキンソン病や、1,300万人もの患者がいる慢性腎臓病の予防と治療に期待出典:体内で多量の水素を発生させるシリコン製剤が慢性腎臓病の悪化やパーキンソン病の進行を抑制する可能性 大阪大学 産業化学研究所
なんと人だけでなく犬猫でも見られるパーキンソン病。その進行を抑えられる可能性が見つかっています。慢性腎臓病の予防、治療も期待でき、その可能性は大変大きいものです。
犬猫に検証済み。アトピー性皮膚炎、糖尿病、外耳炎などに効果有り
しかも犬猫などの動物に対してのシリコン製剤の効果は既に検証済み。それによってアトピー性皮膚炎、糖尿病、外耳炎などが治るという治療例が観測されています。
10年間使用していたステロイドを中止し、45日間シリコン製剤を与えたところ、アトピー性皮膚炎が完治し、かゆみがなくなり脱毛していた背中部が増毛しました。
糖尿病の猫にシリコン製剤を摂取させました。摂取前は、血糖値が235mg/dLと正常値75~145mg/dLよりもかなり高く、食欲がなく元気のない表情でしたが、シリコン製剤を40日間摂取させたところ、血糖値は125mg/dLまで低下し、食欲が糖尿病前に戻りました。
シリコン製剤は、ペットフード、食品、サプリメント、医薬等に応用でき、すでにレナトスジャパンからシリコン製剤入り動物用サプリメントが販売されており、酸化ストレス性疾患を防止できることが証明されています。