シソエキスとは
シソエキスとはシソの葉や種子から抽出したエキスです。
抗炎症、抗アレルギー作用があると言われており、人用では化粧品や医薬部外品、栄養補助食品などに使われていますが、ペット用品では主にデンタルケア用品の使用が主流です。
シソエキスの成分、効果効能
シソエキスにはルテオリンやロスマリン酸などのポリフェノールを含んでおり、これらが相乗して働くことで抗虫歯、抗歯周病、口臭予防などに効果があると考えられます。
シソの実に含まれるルテオリンは高いリポゲナーゼ阻害を示したことから、抗アレルギー性過敏症および抗炎症として役立つ可能性がある。(参考:オリザ油化株式会社)
これらを利用してペットフード、特に犬用ではデンタルケア用品に使用されています。
シソの実にはリモネンが含まれるので猫には注意
シソの実にはリモネンが含まれています。シソの独特の香り成分がペリルアルデヒド、リモネン、ピネンなどんぽ精油成分によるものです。
柑橘系の皮などに特に含まれるリモネンは猫に中毒症状を引き起こす場合があります。
ただしシソの精油(エッセンシャルオイル。濃縮された物)でもその濃度は0.01%~0.1%程度とされ、シソエキスは精油ではなく、水やアルコール抽出による成分が主成分のため、デンタルケア製品に配合されているシソエキスにはリモネンがほとんど含まれていません。(検出されない、もしくはほぼ検出されないとのこと)
このためデンタルケア製品としての使用に問題はないと思いますが、心配であればメーカーに確認してみるとよいと思います。
上記は特にリモネンの代謝能力が低い猫に注意が必要ですが、犬はある程度リモネンを代謝できるため、犬用として販売されているものが多いのではないかと思います。
猫が好むシソ科のキャットニップ
猫にとってだからといって猫がシソ科全てを拒否するかというとそうではありません。
例えば猫が好むキャットニップはシソ科の植物です。キャットニップにもリモネンが含まれています。
キャットニップには猫が好むネペタラクトン(nepetalactone)という成分が、猫の嗅覚神経に作用します。
半数以上の猫が反応すると言われており、ゴロゴロ転がったり、テンションが高くなったりとマタタビのような効果が見られます。(反応は一時的で、5~15分程度。耐性が一時的にできるため、その後しばらくは反応しなくなります)
しかしリモネンの含有量が少ないため通常の使用量であれば問題ないとされており、ストレス解消、しつけ、遊びの一環として使われます。
まとめ
シソエキスのデンタルケア効果を直接検証した研究は見当たりませんが、シソエキスの持つ抗菌・抗炎症作用から、口腔ケアへの有用性が期待されており、市販のデンタルケア製品に配合されているシソエキスは、通常、安全性が考慮されており、適切に使用すれば問題はないとされています。
- シソ「精油」や高濃度エキスは猫に不向き。
- 「食品グレード」「ペット用」と表示された低濃度の製品のみ使用可。
- 気になる製品があれば、成分や安全性を個別に確認するのが安心です。