目次
低温加熱ペットフードとは
低温加熱ペットフード(低温加熱ドッグフード、低温加熱キャットフード)とは、製造工程で比較的低い温度(おおよそ60〜100℃前後)で加熱処理されたペットフードのことを指します。通常の高温加熱(130〜200℃)と比べて、以下のような特徴があります。
- 低温乾燥(エアドライ)
- オーブンベイクド製法
低温乾燥(エアドライ)
低温乾燥は60℃前後の熱風で長時間乾燥を行います。高温にならないため栄養保持がしやすく、水分をとばすことで保存性も高くなります。
オーストラリア、ニュージーランド産のペットフードでよく見られます。
オーブンベイクド製法
オーブンで焼き上げるため、じっくりと比較的低温で加熱するのが特徴です。
ただし90℃~130℃、場合によっては150℃など必ずしも低温でない場合があり、すべてが低温調理というわけではありません。
ただオーブンベイクド製法の商品は以下に説明する鳥インフルエンザ発生時には輸入禁止商品に指定される場合があり、エクストルーダー製法とは別のものであると考えられています。
低温加熱のメリット
栄養素の保持
高温では失われやすいビタミン、酵素、アミノ酸などが残りやすい傾向にあります。
タンパク質の変性もそれ以上の高熱と比較すると少ないため、消化吸収にもよい影響がある場合があります。
香り、風味が自然
高温でつくられるフードよりも素材本来の香りや風味が残りやすく、嗜好性が高くなる傾向がある。
このためおやつとしても使いやすい商品が多いです。
低温調理のデメリット
殺菌力が弱い
一番のデメリットが保存性、ウィルス対策です。
例えば鳥インフルエンザは高温であれば死滅し、食べても問題のない状態になりますが、低温調理の場合はウィルスが死滅しない可能性があることがわかっています。このため、製造国で鳥インフルエンザが起こると、エクストルーダーで製造されたペットフードは輸入可能であるにもかかわらず、低温調理されたペットフードは全面輸入禁止措置が行われます。
過去に低温・低圧調理のオーブンベイクド製法で作られたペットフードも対象になりました。
決して安全性に問題があるということではありませんが、状況に応じてデメリットのひとつになると思います。
保存性のリスク
水分量が多くなることで保存性が低くなり、防腐剤の使用などが必要になる場合があります。
ドライフードの場合は水分量10%以下ですので問題ないかと思います。
まとめ
- 低温調理は香りがよい傾向にあり、栄養素が残りやすい
- 一味違った美味しさがあり、ローテーションのひとつやオヤツとしても活躍
- 殺菌力の弱さと保存性に課題あり