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生肉という表記は本当の生肉じゃない日本語の難しいところ
Freshly Prepared Chickenの訳は生肉ではない
成分表に新鮮鶏生肉などと書かれている場合があります。確かに直訳するとそれでもおかしくないのですが、本当の意味は少し違います。
鶏生肉や新鮮な鶏肉の英語表記を確認するとFreshly Prepared Chickenと書かれています。このフレッシュリープリペアードチキンは「新鮮な調理されたチキン」とでもいうのが正しい訳です。
つまり新鮮な肉を使用していますが、製造工程中でキャットフードやドッグフードに混ぜる前に調理したものなので、生肉のまま使っている訳ではありません。このためキャットフード・ドッグフードの原材料にraw meatやfresh meatという言葉は使いません。
これが日本語の難しいところで、海外では一般的な認識で、日本で間違った認識をされる部分です。

完全に生肉だと思っていました…
「生肉を製造工程の中で調理してから混ぜ込む」ということですね。
生肉も乾燥肉にしてからペットフードになる
誰でも生肉が多い方がいいと感じるでしょう。これは生肉をそのままキャットフード・ドッグフードに入れているかのようなイメージがあるからだと思います。
しかしキャットフード・ドッグフードの原材料として使うためには生肉も一定まで乾燥したりミンチにする処理を行います。
生肉は調理され、ペットフードを製造できる状態に加工される
乾燥チキンは水分がない栄養素が凝縮された状態です。これに対して生肉は完全に乾燥チキンと同じ状態にしなくても、ペットフードの製造が可能な状態まで処理をすればいいため、水分が20%程度(機械によって違いがあるようです)まで乾燥した状態に処理されます。
ミンチをもっとミンチにしたような状態で使用する場合もある”らしい”
言葉で表すのも難しいのですが、生肉をひたすらミキサーにかけた状態にして原材料に混ぜて使う場合もあるようです。
非常に効率的で素材を生かした作り方のひとつのようなのですが、水分を含んでいるので多くの量は配合できないというデメリットもあるそうです。
生肉より乾燥チキンの方がたんぱく質が豊富
乾燥肉を生肉に置き換えるとたんぱく質量が減る
乾燥チキンの方が生肉よりたんぱく質やカロリーが豊富です。ビタミンなどその他の栄養素は生肉の方が豊富ですが、最終的に行う熱処理でほとんど変わらない状態になります。
例を挙げると、乾燥鶏肉30%、鶏生肉15%の製品の場合、配合を逆転して乾燥鶏肉15%、鶏生肉30%にするとたんぱく質とカロリーは減ってしまいます。
また生肉は水分を多く含んでいるため、加工後は量が減ってしまいます。乾燥肉は予め乾燥しているため、加熱による増減はあまりありません。
生肉を多く配合できる工場は限られている
生肉は水分が多く処理が必要なために、生肉を配合できるペットフード工場は限られています。現状では生肉の配合をだいたい30%から多くて50%程度までが限度といわれています。そして生肉を配合できないペットフード工場もありますよ。

生肉の配合って特殊な工程が必要なんですね。
生肉のイメージの良さが販売を後押し
乾燥肉に比べて生肉のイメージの良さは一級品です。このため各社は生肉がどれだけ配合できるかを試行錯誤しています。

マッサンもやっぱり生肉が多い方がいいと考えていますか?
コストは上がるのに必ずしも栄養価は高いというわけではないジレンマはありますが、たんぱく質やカロリー以外では生肉の方が栄養が豊富な部分も多いので、基本的には賛成です。
販売においての商品イメージも重要なので、製造担当者と悩みながらロニーキャットフードやウィリアムドッグフードが完成しました。

肉だけでも配分も色々と考えられているんですね。
少しでもいいものを、少しでも安く、値段とクオリティのバランス良く、悩みはつきませんね。
キャットフード具体例
例えば生肉の含有率が一番少ないカナガンは乾燥チキンが35.5%、骨抜きチキン生肉25%です。製造に辺り、この位の配合がコスト的にも優秀で栄養バランスも取りやすい配合だと感じています。
反対にAATUや私物のグレインフリーは生肉の配合量は非常に多いですがたんぱく質含有量は少なくなっています。
オリジンは肉と魚の両方が配合されているためチキンのみなど単一タンパク源とはまた変わっています。
このように日本でいう生肉が必ずしもいいといいきれるものでもないという点は知っておいてもいいのではないかと思います。
まとめ
- 成分表の生肉は本当の生肉ではない
- 生肉は乾燥加工されて使われている
- 乾燥肉の方が生肉よりたんぱく質が豊富

日本語訳のちょっとした違いを紹介しました。確かにキャットフード・ドッグフード製造時の加工前は生肉なので生肉で間違っているわけではありませんが、実際は乾燥加工されて使用されていることを知っていれば、また考え方も変わってくると思います。