犬猫に与えてはいけない食べ物リスト。人の食べ物が犬猫に危険な理由と具体例

食品は種類によっては人には平気でも、動物の体には毒になったり負担をかけたりする場合があります。

まずはなぜ人の食べ物が犬猫にとって危険になるかを理解し、その上で具体的に犬猫に絶対与えてはいけない食べ物を確認しましょう。

犬猫の健康を守るためには「人の食べ物=安全」と安易に考えないことが大切です。また、最近は愛犬・愛猫に手作りご飯を与える方も増えていますが、手作り食を与える際は使ってよい食材と避けるべき食材をしっかり把握することが重要です。

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人の食べ物が犬猫に危険とされる理由

人と犬猫とでは体の仕組みや必要な栄養バランスが大きく異なるため、私たちが普通に食べているものでも犬猫には有害になり得ます。

人は雑食性で穀物・肉・魚・野菜・乳製品など様々な食品から栄養を摂取できますが、犬や猫はそれぞれ本来の食性(犬は雑食寄りの肉食、猫は完全肉食)が異なり、必要とする栄養素の種類や割合も違います。

そのため人の食べ物を与え続けると必要な栄養素が不足したり、不要な成分を過剰に摂ったりする恐れがあり、長期的には健康に影響を及ぼしてしまいます。

代謝酵素の働きにも違いあり

人と動物では食べ物の分解・解毒をする代謝酵素の働きにも違いがあります。

例えば猫は肝臓の解毒酵素が人より少ないため、人には平気な添加物や薬でも中毒を起こしやすく注意が必要です。

同様に犬も人とは代謝経路が違うため、無害なはずの成分が体内で分解できず蓄積し、中毒症状を引き起こすケースがあります。

人との体重差による耐性の低さ

加えて体重が人よりはるかに軽いため、ごくわずかな量でも致命的な影響が出ることにも注意しましょう。

例えば人の食べ物は塩分・糖分が多いものが多く、たとえ毒性のない食品でも犬猫にとって塩分過多・糖分過多となりやすいです。

継続して与えれば腎臓病や尿路結石、膵炎、肥満などの慢性的な病気を誘発する可能性があります。特に塩分の摂りすぎは食塩中毒で嘔吐や下痢、ふるえなどを起こし、命に関わることもあります。

味付け以外にも、香辛料などの刺激物も犬猫には耐性が低く、肝臓障害や消化器トラブルの原因となる場合があります。

迷ったら与えない

犬猫には基本的に市販のドッグフード、キャットフードを与えるのが安心です。

もし迷った時は、与えないようにしましょう。

犬猫に与えてはいけない・注意する食べ物リスト

食べてはいけないものに加え、窒息など物理的な問題などを含む食材も含んでいます。参考にしてみてください。

野菜

食材理由
ネギ類(玉ねぎ、長ネギ、ニラ、ニンニク、らっきょう 等)赤血球を壊す毒性物質(有機チオ硫酸化合物)を含む
ほうれん草シュウ酸を多く含み、尿路結石の原因になることがある
ジャガイモの芽ソラニンという神経毒を含む
こんにゃく消化不良と窒息のリスク
たけのこ消化不良とアク成分(シュウ酸など)の影響

ネギ類(玉ねぎ、長ネギ、ニラ、ニンニク、らっきょう 等)

犬猫が摂取すると、赤血球が破壊される「溶血性貧血」を引き起こす可能性があります。症状は元気消失、食欲不振、尿の色が変わる(血尿)などで、重症化すれば命に関わります。加熱しても毒性はなくなりません。

ほうれん草

ほうれん草にはシュウ酸が多く含まれ、カルシウムと結合して結石(シュウ酸カルシウム)を形成しやすくなるため、特に猫や尿石症の傾向がある犬には不向きです。また、過剰摂取はミネラル吸収の妨げにもなります。

ジャガイモの芽

芽や青く変色した部分にはソラニンという有毒成分が含まれており、嘔吐、下痢、けいれん、昏睡などの神経症状を引き起こすことがあります。加熱しても完全には分解されないため、危険です。

果物

食材理由
ブドウ(含むレーズン)原因不明の中毒を起こし、急性腎不全に至ることがある
アボカドペルシンという成分が犬猫に毒性を示す
柑橘類の皮(猫のみ)リモネンなどの精油成分が猫に毒性を持つ
果物の種子(アンズ、モモ、ウメ、サクランボ、リンゴ 等)アミグダリンが体内でシアン化合物(青酸)に変化する

ブドウ

医学的にどうといえないのですが、アメリカの検証結果から体重1kgあたり、生のブドウが30gで致死量に至ると言われ始めました。急性腎不全などの症状が起こると言われています。時々見解が発表されることがあるのですが、結局のところ明確な原因がわかっていません。犬猫ともに避けた方がよいでしょう。

アボカド

犬猫ともにアボカドに含まれるペルシンという成分が中毒症状を引き起こす可能性があります。ペットフードに主要原材料として使われているものもあり、ペットフード製造後にはペルシンが検出されないのではないかと思いますが、メーカーに確認を行うなどしてもよいかもしれません。

柑橘類の皮(猫のみ)

皮に含まれるリモネンが猫に有毒であると言われています。皮をまるごと使うフードは少ないと思いますが、自分が食べている時に謝って噛んでしまったり、与えないようにしましょう。

果物の種子

種子類は意外と危険なものが多く、アンズ、モモ、ウメ、サクランボ、リンゴなどはアミグダリンが体内でシアン化合物(青酸)に変化し、有毒となります。原則種子類は与えないと覚えておくとよいでしょう。

調味料・香辛料

食材理由
塩・醤油・味噌 等(塩分の多い調味料)ナトリウム過剰による中毒や腎臓への負担
香辛料(唐辛子、コショウ、わさび 等)消化器の炎症や神経への刺激が強すぎる
キシリトール(犬のみ)急激なインスリン分泌による低血糖・肝不全を引き起こす

ナッツ類

食材理由
マカダミアナッツ犬に特有の中毒症状を引き起こす(※猫への影響は不明だが与えるべきでない)
ビターアーモンドアミグダリンが中毒を起こす可能性

肉類

食材理由
生肉(特に豚肉、鶏肉、牛肉)細菌・寄生虫による感染リスクがある
生卵(卵白)アビジンによるビオチン欠乏とサルモネラ感染の恐れ
鶏の骨裂けやすく鋭利になり、喉・胃腸を傷つける危険がある

生肉

生肉が必ずしも問題があるわけではありません。しかし生肉は細菌・寄生虫・腐敗など多くのリスクがありますので、管理に十分な注意を必要とします。取扱いや知識に自信がない場合は控えた方がよいでしょう。

魚介類

食材理由
イカ、タコ 等消化不良とビタミンB1欠乏症のリスク
エビ・カニ 等(甲殻類)消化不良と甲殻の誤飲による窒息・腸閉塞リスク
貝類(サザエ、アワビ、ハマグリ 等)消化不良と光線過敏症・中毒のリスク
魚の骨鋭利で刺さりやすく、消化管を傷つける
煮干し・海苔塩分過多・ミネラル過剰摂取による健康リスク
スルメ水分を吸って膨張し、腸閉塞を引き起こす危険性

イカ、タコ等

イカに含まれるチアミナーゼによるビタミンB1欠乏症で、神経症状によるふらつきなどを引き起こします。イカを食べると猫が腰を抜かすと言われるゆえんです。加熱したイカはチアミナーゼの構造が変化し、症状が出ないため食べることができますが、与えることはおすすめはできません。

その他加工食品

食材理由
チョコレートテオブロミンとカフェインによる中毒
カフェイン飲料(コーヒー、紅茶、緑茶、コーラ 等)中枢神経と心臓への刺激が強い
アルコール類(ビール、ワイン、日本酒 等)急性アルコール中毒を引き起こす。数滴でも致死量の恐れ
ハム・ソーセージ・ベーコン 等加工肉塩分と添加物が過剰、脂肪分も多い
天ぷら・練り製品揚げ油・塩分・保存料による負担が大きい
生のパン生地胃の中で発酵・膨張して膨れ上がり危険
甘い菓子類(アメ、ケーキ、アイスクリーム、まんじゅう 等)糖分・脂肪・乳製品・添加物すべてが負担
チューインガム(犬のみ)キシリトールによる急性低血糖・肝不全(犬)
塩味のスナック菓子(ポテトチップス、せんべい 等)塩分過多・油分・調味料・添加物が多すぎる

チョコレート

大変身近なものですが、チョコレートはテオブロミンという成分が中毒を引き起こします。微量であれば問題が起こることは少ないですが、症状が出るまでに時間がかかる場合がありますので、24時間以上は様子を見てください。

まとめ

犬や猫が食べられない食材は身近なものも多く、特に犬は人に近く、なんでも食べられるような気がしてしまいますが、思ったよりも与えない方がいいものが多いですので、前もってある程度覚えておくとよいでしょう。

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スギさん

新婚さんで妊娠中。子どもができたことをきっかけに家族の健康について考え、10歳を超えた愛犬愛猫の健康も考えるようになった。現在犬猫の食事について勉強中!

エノおじさん

10匹以上の猫を飼っているお酒が好きな元気なおじさん。大量のキャットフードを購入することもあり、安価でありながら安全なキャットフードを探している。
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