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オーブンベイクド製法とは
オーブンベイクド製法はプレスなどで形作ったペットフードをオーブンでじっくりと焼き上げる製法です。低温調理でだいたい中心温度90℃程度で焼き上げます。
オーブンベイクドはその名の通り、粒がベルトコンベアで運ばれて、長い長ーーいオーブンで焼かれる工程があります。下記動画でも紹介されていますが、とても長いので小さな工場では大きなオーブンを使うことは難しいと思いますが、少量であればパレットに粒を並べてオーブンで焼くことができます。自宅でオーブンレンジを使ってクッキーを焼くのと同じです。
小規模工場で採用されやすく、大規模工場でも上記のようなシステムで製造されます。
オーブンベイクド製法のメリット
口内環境に懸念のあるシニアの犬猫は食べやすい
オーブンベイクド製法はクッキーのような製造方法なので、サクッとした食感で、これが一番のオーブンベイクドならではのポイントになるかもしれません。
エクストルーダーでは硬く、コールドプレス製法では柔らかすぎたり、食べない場合には、サクッとした質感になりやすいオーブンベイクドは中間の選択です。
コールドプレス製法はよだれが多かったり、だいたい横に置かれている水分が付いたりすると口にまとわりつきやすく、食べにくい場合もあります。
食感は犬猫ともに食いつきに影響すると言われていますので、困った時の選択肢にできます。
栄養素の損失が少ない
オーブンベイクド製法は100℃を超えない低温加熱により、食材中の栄養素の損失が少ない点がメリットに挙げられます。
オーブンベイクド製法のデメリット
低温加熱の矛盾
オーブンベイクド製法は低温加熱になりますので、原材料の段階の炭水化物の処理方法によって違いが出やすい製法です。
また、低温加熱をアピールポイントとしている以上、肉製品の取り扱い方によっては食中毒のリスクがあります。これらを防ぐためには結局のところ事前に高温で加熱しなければならないので、低温加熱とはこれいかに…という矛盾が生じてしまう部分でもあります。
製造コストが高い
エクストルーダーは大量生産能力が高く、生産量、生産スピードに長けています。更に高温で加熱できることにより、食中毒リスクもないと言っていいほどです。
コールドプレス製法はあらかじめ加熱、粉末に加工する行程を短くすることができれば、あとは押し固めるだけなので時間の短縮が可能です。
オーブンベイクド製法は前段階の加工の時間を短くできたとしても、オーブンで焼く工程を短くすることができないので、トータルの時間短縮にも限界があります。
こうしたことから手間と時間がかかり、製造コストが高くなりがちです。このため採用しているメーカーも多くありません。このため、それを逆手にとってアピールポイントとしているメーカーがあるほどです。
コールドプレス製法とオーブンベイクド製法の違い
同じ低温熱の調理法として、似ている製法にコールドプレス製法があります。
食感の違い
コールドプレス製法は低温加熱加工して粉状にした原材料を圧縮して粒の形に成形します。その後に乾燥機を通して乾燥します。このため食感はさらっとした仕上がりになり、崩れやすく、柔らかいです。
オーブンベイクド製法は練り上げた生地を成形して、オーブンで焼き上げます。クッキーと同じイメージのため、生地製造時に問題とならない量であれば水分が含まれていても問題ありません。また、成形後にじっくりとオーブンで焼くため、カリッとサクッとした仕上がりです。
使用できる食材の違い
コールドプレス製法は原材料を先に粉状に加工しなければいけないため、水分が多い食材は手間がかかり、向いていません。また、低温加熱では米などがα化しないので、事前にα化したものを使用します。ただし、そうなると低温加熱とは言えず、コールドプレス製法のメリットをひとつ失うことになってしまいます。
オーブンベイクド製法は粒成形後に加熱するのでコールドプレス製法より水分に対する許容量があります。しかし、こちらも低温加熱を採用している場合はα化の問題があります。
食感に期待して食べない犬猫に試してみる価値あり
一番の違いは食感であると思いますので、食の細い犬猫に試してみる価値はあるかと思います。メーカー様もそれほど多くないと思いますので選びやすいのではないでしょうか。
メリットデメリットはありますので、ご家族様(飼い主)がしっかりと見極めて選んであげてくださいね。





