目次
オーガニックとは
- 環境の保全
化学農薬や化学肥料を使わずに、水、土、待機を汚染から守ります。 - 健康な生活
保存料や着色料などの添加物をできる限り低減し、食品の安全性を確保します。また、化学的な染料や塗料を使用せず、アレルギーのない生活を目指します。 - 自然との共生
自然の動植物を守り、生物多様性を保全します。 - 身土不二
適地適作・地産地消で、地域の文化を大切にします。 - 健全な社会
児童労働の禁止、植民地栽培の排除、南北格差の解消など、人を大切にする社会を実現します。
オーガニックの本質について考えると非常に広範囲にわたりますので、ここではキャットフード・ドッグフードの原材料だけについて考えてみたいと思います。
すると以下について考えていくことになります。
- 化学農薬や化学肥料を使っていない
- 遺伝子組み換え技術を使用しない
- 保存料や着色料などの添加物の低減
あまり簡単にしてしまうと誤解が生まれかねないので注意が必要ですが、ここでは端的に見ていきます。
オーガニックではない食材とはどんなもの?
概ね、いつもスーパーで購入している一般的な食材です。農家さんが手間暇かけて育ててくれた食材です。
化学農薬や化学肥料を使っていない
まず化学農薬や化学肥料を使わないので、自然の力に頼って作物を育てます。天然原料で作られた農薬を使用し、肥料は主に家畜の糞を原料とした堆肥を使用します。このため「オーガニック=無農薬」というわけではありません。
これがどれだけ大変なことかよくテレビなどでも取り上げられていますね。
私たちがスーパーで手にする一般的な作物は基本的に農薬が使われています。だから危ないというわけではなく、安全な範囲で使用されるわけです。
それに対してオーガニックは農林水産省の基準を満たすことで名乗ることができ、その基準は非常に厳しいものです。(国ごとに基準は違います)
例えば植え付けの2年以上前から有機肥料で土作りをしていなければ認められません。
今年は農薬を使わなかったからオーガニックだぞ!とはならないわけですね…
高価格なオーガニック食材
こうしたオーガニック食品は生産に手間も時間もかかり、農薬で守られていないため、生産量も限られ、価格が非常に高くなります。
だいたいスーパーの一般的な野菜に比べてオーガニックは3割から5割くらい高くなるそうです。
3割から5割ですか!
一般的な野菜でも毎年豊作不作で価格が変わりますよね。そうなるとより厳しい条件で育てているオーガニックも当然価格も変わります。
野菜単品であれば価格変動ができますが、製品となるとそうはいきません。まさか今年は原材料が高かったから定価を上げ、来年は安かったから定価を下げるということはできませんよね。
すると持続可能な状態を保つためにも、価格は高く設定せざるを得なくなります。もしくはオーガニックであっても育てやすく、できる限り価格が上下しにくい食材を原材料として使用することになります。
現在はだいたいこの両方のバランスを取って製品作りをしています。
選びにくい原材料
オーガニックキャットフード、オーガニックドッグフードにも欠点があります。
それは価格と供給の両方の面から持続可能な食材から選ぶ必要があるため、オーガニックでも高すぎる食材は採用できませんし、収穫量の少ない食材も使うことができません。
更にチキンなど動物性原材料となると、育てる飼料自体もオーガニックでなければいけないなど、更に制限が課せられます。こうしたチキンは手間が掛かるだけでなく、飼料にも多額のコストが掛かっていますので、非常に価格が高いことは容易にわかります。
キャットフードの場合はドッグフードよりも肉量も多い傾向にありますので、オーガニックのグレインフリーキャットフードとなるとかなり高額になります。
オーガニック環境で育てたチキンなどをたっぷりと使用し、野菜などもオーガニックのキャットフードですもんね…
人間の場合で考えてもこれだけの食材をオーガニックで購入するとかなりの金額です。
ドライペットフードではだいたい1kgで4,500円、2kgで9,000円位です。
これほどまでに高価なキャットフード・ドッグフードが販売可能なのか
もちろん販売自体は可能です。ですが、実際問題、ある程度購入して頂ける方がいなくては、事業者として資金が作れず、製品を作り続けることができません。
実は私もオーガニックを考えた時期はありましたが、まだまだ未熟な私自身の販売能力からして、持続して提供していくことができないと考え製造は行いませんでした。今後の弊社の体制次第では作れるように画策していきたいと考えています
製造能力がある大手メーカーでなければ作るのも難しいレシピのひとつだと感じています。
オーガニックには収穫量の多い食材がよく使われています
このため多くのオーガニックキャットフードでは収穫量の多い「穀物」が多く使われている傾向にあります。
すると高額のオーガニックグレインフリーにするか、オーガニックを優先するか、グレインフリーを優先するかになりそうですね。
犬猫の化学物質アレルギー対策としてオーガニックを選ぶ方もいらっしゃいますので、アレルギー食としても使われるお米を原材料として使うことは大きな問題ではないという考え方もあります。
そしてオーガニックで高いながらも収穫量の多い穀物を使用することで少しでも価格を抑えることが可能になります。
遺伝子組み換え技術を使用しない
これは比較的多くのキャットフード・ドッグフードでも実現している項目なので大きな影響はないかと思います。
保存料や着色料などの添加物の低減
高品質なキャットフード・ドッグフードでは保存料も自然由来を意識し、着色料は使っていないものがほとんどですので、大きな影響はないかと思います。
オーガニックペットフードを選ぶ利点
オーガニックの最大の利点は化学物質に対してアレルギーがある犬猫のアレルギー対策です。こうした場合はオーガニックしか選択肢がありません。
その他には食の安全性ですか?
オーガニックだから必ずしも安全であるという考えは少し違うのですが、一般的な農薬を使われている食材よりは確実に安全であるというのが正しいかと思います。「オーガニックであるから必ずしも化学物質が不検出である」ということを保証するものではないからです。
ただしオーガニック認定のために第三者機関が入るということが非常に大切なことです。これによって不正などは行われず、製造環境もより保たれるからです。
認定を受ける意味は原材料や製造環境の監視を受けているということでもあるんですね。
これらを踏まえた上で、あとは飼い主が犬猫に対してどこまで意識していくかということが分かれ目になると思います。
私にも息子がいますが、最初は本当に食べ物の品質にも気を使っていたのが、保育士の資格も持っている私も、息子が3歳になった今、喉に詰まらせる、熱い、堅い、辛い、産地などは気にしても、食材がオーガニックであるということまでは全く考えなくなりました(笑)
ここには飼い主の犬猫に対する愛情の尺度…というとまるで私が子どもを愛していないようになるのでそうではありませんが(笑)どこまで突き詰めて考えるのかという領域になってくるのかなと考えています。
まとめ
- オーガニックは化学農薬や化学肥料を使っていない
- 遺伝子組み換え技術を使用しない
- 保存料や着色料などの添加物の低減
- オーガニックペットフードは非常に高価になる
- 持続可能な食材を利用するため、使用できる原材料に制限がある
- 化学物質アレルギーの猫には唯一の選択肢
オーガニックのペットフードを意識する時は、オーガニックで更にグレインフリーか、オーガニックか、グレインフリーか猫にとって大切だと思われる点を価格とも相談しながら選択すると良さそうです。