ナチュラルキャットフード・ドッグフードとは?ナチュラルのイメージと実際の差。ナチュラルがいいという幻想

ナチュラルペットフードのイメージ

ナチュラルなキャットフード・ドッグフードと言われて想像するのはどんなことでしょう。

スギさん
スギさん

添加物不使用、自然食、高品質などでしょうか。

スギさんの言う通り、多くの方が自然食、農薬不使用、添加物不使用、遺伝子組み換え原材料不使用、ヒューマングレード、ホリスティック、オーガニックなどのイメージを持っているのではないでしょうか。

飼い主の方は総じてこうしたナチュラルの持つイメージを大切にしています。

スギさん
スギさん

私もナチュラルという言葉はとてもポジティブなものに感じます!

ナチュラルとは?各機関のナチュラルの定義

参考:ペット栄養学会誌

まずペットフードに対してナチュラルという言葉、表現の法的規制がなく、認証を行う機関もありません。

アメリカのFDA-CVM(食品医薬品局・獣医学センター)やアメリカ農務省(USDA)、米国飼料監査官協会(AAFCO)を例に見てみますと、

USDAのナチュラルの定義

あくまで食肉用に対するナチュラルを「合成原料や着色料を含まず、加工工程が最小限であること。最小限の加工とは、製品の性質を根本的に変えない方法で加工すること。ラベルには”合成原料を含んでいない””最小限の加工”など説明を加えること」と定義しています。

FDAのナチュラルの定義

食品が加工され、自然本来の姿でないかぎり、ナチュラルの定義を決めることは困難である」としているものの、USDAの定義を他の食品に適応することを「否定しない」としています。

AAFCOのナチュラルの定義

「自然のまま、あるいは従来の加工工程を施されているもので、人工的に作られた成分を含んでいないものを指す」と定義し、GMPに沿った添加物を加える場合には「ビタミン、ミネラル添加済み」と記載するよう定義しています。

非常にあいまいな定義

このように定義が非常にあいまいで、ペットフードには法的規制、認証機関もありません。このため、イメージ先行やマーケティングの一環としてナチュラルという言葉が濫用されています。

上に紹介したようにAAFCOの定義も「従来の加工工程を施されているもので、人工的に作られた成分を含んでいない」までに限定していますが、飼い主のイメージはどうでしょうか。

ナチュラルという言葉から、原材料の生産方法や成分、栄養など多くに関連しているかのように受け取っていることで、多くの誤解が生じています。

反対にいえばナチュラルという言葉が使われていても、例えば常識的な範囲の農薬は使用可能ですし、ヒューマングレードと言われるものでなくても問題はありません。もちろんオーガニックではありませんし、遺伝子組み換えを使用しても定義上は問題ありません。

ナチュラル=「安全・健康」ではない

FDA、USDA、AAFCOはナチュラルに対して以下のように名言しています。

  • ナチュラルが人工的な工程で作成されたものより安全だという根拠は存在しない
  • ナチュラルは排他的というより包括的な定義であり、加工や化学物質の使用が認められるフードも含まれる場合がある
  • オーガニックやナチュラルは加工工程を定義するもので「品質」「安心」「栄養価」を保証するものではない

また面白い話としては「獣医師からすれば、サルモネラ菌やカビ毒のアフラトキシンもナチュラルなものである」と、言われてみれば最もなことです。

スギさん
スギさん

ナチュラルという言葉が安全や健康を表しているものではないんですね。

まとめ

  • ナチュラル=安全・健康ではない
  • ナチュラルは加工工程を定義するもので品質などを保証するものではない
  • ナチュラルには加工や化学物質の使用が認められるフードも含まれる場合がある
スギさん
スギさん

あくまでナチュラルという言葉に詳細な定義はなく、私たちが持っているナチュラルへのイメージと実際は一致しないことがわかりました。マーケティング手法としてナチュラルの言葉、イメージを使っているだけと覚えておきましょう。

関連記事

成犬用総合栄養食フレッシュフード

ウィリアムドッグフードフレッシュ<総合栄養食>|ペトレピフーズ

LESSON レッスン

LESSON キャットフードについて LESSON ドッグフードについて

自分で作りたい方はこちら

ペットレシピ.jp

最近の記事

  1. 「うんちの量を減らしたい」「うんちの量が減った」 犬猫のうんちの量が減る原因は?

  2. キャットフード、ドッグフードのリスクについて。飼い主が選べる安全対策とは?

  3. 猫におやつやウェットフードを併用する場合はリンの含有量に注意。腎臓を守るためにできること

スギさん

新婚さんで妊娠中。子どもができたことをきっかけに家族の健康について考え、10歳を超えた愛犬愛猫の健康も考えるようになった。現在犬猫の食事について勉強中!

エノおじさん

10匹以上の猫を飼っているお酒が好きな元気なおじさん。大量のキャットフードを購入することもあり、安価でありながら安全なキャットフードを探している。
TOP