イエネコの起源を探る。現代に生きるイエネコに最も近いDNAをもつ猫科の動物はリビアヤマネコだった。

本日のテーマ

  • キャットフードのことを考える上で、猫がどんな動物なのかを知っておかなければいけません。今の猫につながる家畜化の起源と歴史を教えてもらいたいと思います。

1.

イエネコの祖先種はリビアヤマネコ


  • イエネコの祖先種はリビアヤマネコと言われており、エジプトで飼われ始めました。分子系統学などでもある程度裏付けられています。

    ただし、猫の家畜化の話は曖昧な部分も多い部分があります。というのも猫は生態や形態が祖先種とあまり変わりがなく、遺跡などから出た遺骨からは家畜なのか野生なのかの判断が非常に難しいためです。

    エジプトの都市ギザの2000年以上前の墳墓から190体ものミイラが発見されており、そのうち3体はジャングルキャット、残り187体はリビアヤマネコであったことがわかっています。

    人と同じようにミイラにされていることから大切に扱われていた=ペットとして飼育されていたと考えられています。

    壁画にもネコ科の動物が登場

    エジプトのテーベの墓から出土した”湿原の野鳥狩り”という3500年前の壁画にもネコ科の動物が登場します。

    それ以外にも3200年前ほどの壁画えでは膝の上に乗っていたり、飼われていた個体が繁殖したことが伺えることから、王家から労働者まで猫をペットとして飼育していたと考えられています。

     

  • リビアヤマネコにも祖先がいたんですよね?
  • 65~4000万年前にヨーロッパ、北米などに生息していたミアキスと言われる30cm程度の小型の動物が祖先と言われています。これは猫だけでなく、犬の祖先とも言われています。

    もちろん同じネコ科のライオンやトラも全て同じ祖先から進化したと考えられています。

    このミアキスからプロアイルルス→プセウダエルルス→シザイルルス→ネコ科と続いていくようです。

2.

猫が飼育された起源


  • 家畜化された流れ

    猫はそれだけをみると非常に家畜化しにくい動物ですが、リビアヤマネコは12種の亜種にわけられることがあり、砂漠だけでなく、草原、山岳地帯、森林など至る所で暮らすことができる多様性があったことから、同じリビアヤマネコでもその性格、気質も多様であると考えられ、そのうち、人を恐れない種の猫が飼育されるようになったと考えられています。

    人を恐れない猫の生活圏は人の居住地も含まれるようになり、結果的に穀物を狙うネズミなどを捕食するようになったことで、家畜化がより進んだものと考えられます。

    昔は衛生環境の問題もあると思いますから、ネズミを食べる猫にとってはよい捕食場所であったと思います。

    猫の飼育は3,600年前の古代エジプトから

    猫が飼育され始めたのは3,600年前の古代エジプトからと言われています。

    昔から人間が貯蔵している穀物をネズミが食べてしまうことは問題となっていて、日本でも高床式倉庫の足の部分にねずみ返しをつけていたり、グアムのラッテストーンもねずみ返しとして使われていたと言われています。

    こうして人間はネズミと戦ってきたのですが、古代エジプトで穀物を狙うネズミや小動物を求めて猫が人間に近づいてきたことが、飼育された始まりと言われています。

    9,500年前の中東からという説も

    今はネズミを捕食しているところを見ることはなかなかありませんが、「猫がネズミを食べる」ことが猫を飼う大前提だったわけです。古代エジプトの定説が後押しした部分もあるかもしれません。ところが最近では地中海に浮ぶキプロス島でお墓から猫の骨が発掘されたことから、9,500年前の中東から始まったのではと言われています。

    昔のことなので化石など残っている事実からしか判断ができないので、あくまでエジプトで飼われ始めた事実が残っていたというだけなんですね。古代エジプトが起源と証明されていた猫が書かれている絵画は3,600年前のものと考えられていますので、9,500年前となると古代エジプトよりも随分昔から飼われていたということになります。

    世界への広まり

    犬は人間との距離も近く、番犬や猟犬として重宝されていて、穀物を育てる前から飼われていたといわれていますが、猫が飼われるようになったのは農業が発達し、穀物を貯蔵するようになってから。

    しかもネズミは伝染病を媒介する害獣として問題になっていましたから、ネズミを食べてくれる猫がいることで疫病の予防にもなっていきました。

    こうして農業が発達する地域が増えるにつれ、猫も飼われるようになっていきます。日本にも同じく穀物を守る番人として船でやってきたといわれています。

3.

猫がペット(愛玩動物)になった流れ


  • 猫が穀物の番人として人間に飼育され始めたことはわかりました。ではどうやって今みたいなペット(愛玩動物)になったんですか?
  • 人間を恐れない猫が王族に飼われ始めた

    諸説ありますが、古代エジプトでは猫は穀物を守ることやその愛くるしさ、魅惑的でしなやかな体つき、美しさから聖獣として大変丁寧に扱われていました。

    その中でも多様性と柔軟な適応力のあるリビアヤマネコの中で、人間を恐れず、ストレスでショック死したり暴れない個体が王族のペット(愛玩動物)として飼われるようになりました。これらの猫が繁殖し、猫はライオンの代わりに崇拝され、殺したりいじめたりすることも法律で禁止されるほどに扱われた結果、飼育されやすい個体が増えていきます。

    やがて穀物の番人としてローマ帝国に渡りましたが、ローマの貴族も同じようにペットとして大切にするようになりました。やがて大航海時代になると穀物を害獣から守るために猫を船に乗せ、伝染病からも守られていました。これが猫のペットとしての始まりと言われています。

    現在も本当の意味で家畜化はできていないと言われている

    しかし猫は今でもまだ形態的にも生態的にも野生を残したままであり、本当の意味では家畜化されていないという意見もあります。

4.

現代の猫も適応力、柔軟性が高い


  • 猫科という科目から小型の猫がルーツのように感じてしまいますが、実際にはイエネコの誕生はずっと後の話なんですね。このように、イエネコが大型の猫科の動物から派生したことを考えれば長い年月の中で今の形になったことがわかると思います。

    適応力の高いリビアヤマネコが飼育され初めてから現代のイエネコになるまでにもその適応力は発揮され、柔軟に現代に対応しています。室内飼いされている猫や、室内外を自由に行き来し、様々な家で飼われているような状態の猫、野良猫、農村や漁村で縄張りを重複させてまるで猫村のように集団で生活している猫など、同じ猫であっても多くの環境に適用して生きています。

  • 野良猫は環境さえあれば徐々に野生に戻っていく

    反対に、野良猫は野生が復活してヤマネコのように戻っていくことはないんですか?

  • オーストラリアでは野良猫が野生化し、同じく野生化したウサギを捕食しています。これは野生の暮らしを復活させることにつながり、年々ヤマネコの暮らしに近づいています。

まとめ


  • 猫の祖先はリビアヤマネコと言われている
  • ネズミを食べて穀物を守ることがわかって飼育されるようになった
  • エジプトの王族が大切に飼い始めたことがペットとなった始まり
  • 現代の猫も適応力、柔軟性が高い

  • 猫が本当に野生の種族だってことが伝わってきました!それにしても人間にとっていいことばかりの動物だったというのも凄いですね!

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