「猫にも植物が必要」だからこそ「草食動物を食べる」という考え方を紹介

猫は植物(穀物)は消化できないから必要がないという考えが主流になってきていますが、本当のところはどうなのでしょうか?
栄養学者の川島四郎氏の著書「食べ物さん、ありがとう(1986/7)」で、「アフリカのライオンは草食動物を捕まえたら、一番柔らかい肛門を食い破り、腸を引きずり出して、半消化された植物が出てくると好んで食べていた」という話があります。
消化する能力がないからこそ、草食動物の消化酵素と、消化してもらった植物を得るという仕組みです。驚いたのは消化酵素を持たないから、「草食動物の腸内の消化酵素を得る」と記されている点です。
現在は動物学者や栄養学者は猫は肉食のみで生きていけるという考えがメジャーですが、「本能として植物を摂取する」もしくは「植物からしか取れない栄養素は植物から摂取している」という考えがあり、猫にとって必ずしも植物が必要ないという考えばかりではありません。
この理由は諸説ありますが、ライオンも肉食動物を捕食する時があり、映像などでも確認できます。しかもチーターなど同じ猫科の動物を狩ることがあります。このように必ずしも肉食動物を食べないわけではありません。
それでは、肉食動物は肉からだけでは不足しがちなビタミンなどの栄養素をどのように摂取しているのか、草食動物はタンパク質などをどのようにして摂取しているのか考えてみましょう。
まず草食動物の場合ですが、植物からたんぱく質を摂取しようとすると、大豆など一部の野菜からしかタンパク質を摂ることができません。大豆などがどこにでも自生しているとは考えにくいので、野生の草食動物は植物からたんぱく質を摂取することが余りできません。
しかし草食動物には植物を消化できる長い腸があります。この長い腸には多くの微生物が住んでいて、この微生物が植物を食べることでタンパク質を生成し、そのタンパク質を消化吸収しています。更に微生物自体を消化吸収することでタンパク質を得ていると言われています。
草食動物は草だけでなく果実や木の皮なども食べます。そして「バクテリア食」も行います。これは腸内に培養している微生物自体を消化吸収することでタンパク質を摂取しているからということです。肉食の場合は先に説明したように草食動物の腸から植物を摂取しているからですね。
このように肉食動物が植物を摂取することはハッキリとさせています。
株式会社ヒューマル代表取締役。ペットフード専門家。「動物にも食育を」を掲げて2016年に会社を設立。ヨーロッパを巡って自身の希望レシピを製造できるペットフード工場を探し出し、オリジナルキャットフードを開発。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士、ペット防災指導員、ペット共生住宅管理士、保育士などの資格保持者。詳しくは紹介ページへ
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