猫の飼い主の特徴は?犬の飼い主との違いを比較。猫のフード探しや給餌方法にも影響しています

猫の飼い主は計画性があり、神経質で、心配性!?そんな部分を犬の飼い主と比較をしながら見ていきたいと思います!
私はこうしたときは「犬は友達や兄弟姉妹、猫は神様」と説明しています。
これは実は昔から犬用品と猫用品の販売の仕方は全く違うと言われていて、それが「犬用品を売りたければ飼い主に会いにいけ」というもの。犬の飼い主は犬と共に外に出ますし、外に出る、犬を介して飼い主同士が話したりと社交的であるといった傾向にあります。このためネットで細かく探すよりも、友人やお店などで直接目にしたものを購入する傾向にあるそうです。
よく見ていますね。一般来場者のある日に一緒に来場する動物のほとんどが犬です。つまりこうしたイベントに来場する多くの人は犬の飼い主であり、猫の飼い主は少数派のため、メーカーもそれをわかっていて商品を並べ替えています。
このため犬用品を扱っているメーカーの場合は展覧会などへの出展が多く、猫用品しか扱っていない場合は猫専門イベントへの出展はあってもペット総合のイベントへの出展は少ない傾向にあります。
飼い主側としてはSNSの発達も手伝い、猫の飼い主同士が交流を持てるようになりました。これによって猫は連れてきませんが、猫の飼い主、猫好きの人が集まる猫専門イベントは徐々に開催数が増え、規模も大きくなってきました。
猫の場合は「猫は家につく」と言われていますから、猫を連れて外に出る人は非常に少数派です。最近は外飼いもほとんどなくなりました。このため、飼い主は猫を連れて他の飼い主と交流することはほとんどありません。
こうしたことから「猫用品は対面よりネットで売れる」となるわけですが、事態はそんなに単純ではなく、猫の飼い主は非常に慎重である傾向にあります。
飼い主からすると、キャットフードは手作りの方がいい。人工酸化防止剤は使うべきではない。ビートパルプは使わない方がいい。残留薬物は危険だ。着色料は必要ない。
こうした多くの意見が出てきます。
弊社のフードは着色料を使用していないのでロットによって原材料の旬などもありますから、色は変わったりします。それに対して何故色が違うのか?といったお問合せを頂くことは少なくありません。
やはり着色料がある世の中に慣れているからだと思います。
このように収穫された時期など原材料の状態によって、出来上がった製品の色や見た目にバラつきがでることで、場合によってはクレームや不信感にまで繋がることもありますので、着色料を使うことで安定して販売できる場合もあります。飼い主も知らず知らずのうちに、同じものを与えているという心理的安心感を享受しています。
また、華やかな色つきを好む方もいらっしゃいますね。ビートパルプも食物繊維として有用ですし、酸化防止剤があってこそ多くの食べ物の保存が効くようになりました。
このように知識というのは考え方や見方によって何が正しいかは変わってしまうんです。
肉野菜など限らず生ものに近いもの(冷凍も含んでいいのではと思います)の方が新鮮で体にいいと感じると思います。飼い主はそうした新鮮で体にいいものをペットにも与えたいと考えます。
もう少し具体的にしますと、飼い主が求めているものは「酸化防止剤や添加物は使っていないけど長期保存が可能で、毎日便利に、できるだけ安く与えられる、よく食べるフード」です。
しかし手作りでない以上はその日その日に新鮮なものを食べることは不可能です。どうしても保存が必要になので、ある程度高温で乾燥て水分含有量を減らしたり、酸化防止剤を使う必要がでてきます。
こうして現実にメーカーが提供すべきペットフードと求められるペットフードには開きが出てしまいます。このためメーカーは少しでもこの開きを埋めるべく日夜努力をしています。
どうでしょう。
たったこれだけのことでも、見方によって善し悪しが変わってきますね。腐らないことが大切なのか。すぐ腐ってもいいから体にいいものが必要なのか。安さを追求したいのか。現在は飼い主と猫の要求の全てを満たせるものはないので、各メーカーがどこかに重きを置いて開発をしています。
なので、「安いフードだから、穀物を使っているから、酸化防止剤を使っているから、品質が悪いということではない」という点を忘れずキャットフード探しをしてもらえたらなと思います。
このようにネット上では多くの意見があるため、真剣に細かく調査する猫の飼い主は混乱する傾向にあるようです。
待てない!というのはキャットフード選びに関する部分ですが、食べたら下痢になったなど体調、病気は除外し、健康な猫の場合でお話してみます。
犬は比較的なんでも食べられるので、ドライフードを選り好みすることが少なく、全く食べないということもあるにはありますが、猫ほどではないと言われています。こうしたこともあって、健康な犬の飼い主がドライフードで悩むことは少ないです。
しかし猫は「食べない」ことがありますね。これはフードの良し悪しは全く関係がなく、単に好みやその猫が欲している栄養などによります。
そう思えますよね?現在はキャットフードが豊富にあり、愛猫に合わせて選ぶことができるようになりました。キャットフード自体のクオリティも非常に上がってきています。しかしドライフードの歴史はまだ浅いということをご存知でしょうか。
例えば全世界で販売され、療法食といえばロイヤルカナンと言われているほどのメーカーであっても、猫用フードを出したのが1994年、初めての猫用療法食は1998年のことです。つまり、私が子どもだった頃は選ぶほどキャットフードがありませんでした。
猫が食べるか食べないかということがあっても、キャットフードの選択肢がないのですから、あるものを与えていましたが、その状態でも猫は育つんですよね。
もちろん徐々に猫に必要な栄養に関する研究が進められ、獣医療も向上したことで寿命は延びていますので、改善されていますので、過去と今が同じとはいいません。
子どもを育てる親が「うちの子が全然食べなくてどうしていいか悩んでいる」ということはよくある相談ですが、「見てください。お子さんはしっかり育っていますよ」というのが名答としてあります。これは「食べていないと気にしていますが、しっかり育つだけ食べていますよ」という意味です。
人も猫も飽食の時代です。キャットフードを選ぶことができるようになって、フードジプシーという問題が生じるようになってきました。もちろん猫種が増えたことによる、嗜好の違いが生まれてきたことにも関係はあるかと思います。
猫を我が子のように思い過ぎるが故に、食べない食べないを繰り返してしまうこともあるということも知っておくといいかもしれません。
こう言うと語弊があるかもしれませんが、それしかなければそのうち食べる!その位の気持ちもあってもいいかもしれませんね(笑)(もちろん猫が健康であることが前提です)
時には猫に対してどっしりと構えることも大切です(笑)
参考記事:
株式会社ヒューマル代表取締役。ペットフード専門家。「動物にも食育を」を掲げて2016年に会社を設立。ヨーロッパを巡って自身の希望レシピを製造できるペットフード工場を探し出し、オリジナルキャットフードを開発。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士、ペット防災指導員、ペット共生住宅管理士、保育士などの資格保持者。詳しくは紹介ページへ
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