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安いキャットフードでいいキャットフードはあるの?

安価なキャットフード、猫用餌で注意する点を教えてください。
キャットフードで価格を優先する場合は一定の穀物の配合はあるものと考え、「ペットフード選びでチェックしたい項目は?」でもお話した気になる原材料がないかなど気にしておきたいポイントがあります。安くても病気の原因になると医療費が嵩んでしまう原因になります。

例えばミートミールが使われていないものでも安いものがあるのでしょうか。
スーパーやホームセンターで販売されている安いキャットフードは、原材料で一番多く含まれているものが穀物であったり、ミートミールが豊富に使われているものが多くなると思います。そのため、安価なキャットフードでこれがいい!とおすすめするのはなかなか難しいのですが、キャットフードを与えないわけにはいきませんよね。
安いもので売れているものを紹介しながら、少しでもいいものを一緒に探してみましょう。
【カークランド】キャットフード ドライメンテナンス
コストコオリジナルブランドでコストコでは11kg4,598円ほどで販売されているキャットフードです。1kg辺り約405円です。

安いですね!これは一体どういうカラクリなのでしょうか。
実は私も時々訪れているイギリスでは1kg1ポンド(約150円)程度のキャットフードは珍しくありませんでした。(ここ数年でかなり値上がりしていますが・・・)
コストコの場合は原価率が9割にもなるほど、ほとんどのものがほぼ原価で販売されています。それができる理由に年会費があり、この年会費で利益の半分以上を占めているからそこできることです。
しかし私の知る限り、原価でも1kg405円でキャットフードを作ることは不可能なので、安価な原材料で大量に製造し、世界中に輸出、販売しているからこそできる商品だと思います。

気になる点はありますか?
価格が価格ですから原材料は原価も考えて選択されているものと思いますが、品質に問題があるといったことはないでしょう。どちらかというとこれほどの量ですので使い切るまでの時間が気になりますね。気温の変化が激しいうえ、多湿の日本では開封後の保存に気を付けないとカビなどの問題が生じる可能性もありそうです。
【ねこ元気】キャットフード ドライ お魚とお肉ミックス
参考:ねこ元気 全成長段階用
ユニチャームから販売されている人気キャットフードのねこ元気。猫元気 複数猫用は3.5kgで1,620円ほどと安価です。

スーパーやホームセンターで良く見かけます。
ねこ元気は穀類が最も多く配合されており、次点に肉類です。こちらはチキンミール、ポークミール、ビーフミールが使われています。油脂は動物性油脂のみの表記ですね。そして着色料が使われています。

おすすめできる点はありますか?
安いことに加えて、手に入りやすい点がありますね。そして2013年9月にアメリカ生産から日本生産に変更されました。管理体制が目の届くところに変更になったのは高ポイントではないでしょうか。
たんぱく質は30%を超えていて、脂質も9%以上含まれているところもいいと思います。原材料に対して飼い主がどう考えるかというところでしょうか。
【キャラット】 ミックス まぐろ仕立ての味わいブレンド
日清ペットフード株式会社(ペットラインに事業譲渡を行い、現在はペットラインから販売されています)から発売されているキャラットです。こちらも定番商品として人気があります。2.7kgで実売1,087円ほどですね。

内容物はねこ元気と比べてどうでしょう?
原材料には大きな差はないといえます。穀物が一番多く、次点に肉類(ミートミール)と続きます。魚類(フィッシュミール)も使われいますのでいいように感じますね。たんぱく質は23.4%と少し抑えめです。

動物性たんぱく質の材料が多くみえますが、なぜたんぱく質が少ないのでしょうか?
原材料はあくまで配合量順に記載しているだけなので、他の材料が多くなれば比率は下がってしまいます。この場合は肉類、魚介類以外の材料も多いのかもしれません。

その他に欠点はありますか?
食用赤色3号、食用黄色4号、食用青色1号、食用黄色5号、食用赤色102号が使用されています。
【ミオ】 おいしくって毛玉対応 まぐろ味
多頭飼いでは猫同士が毛づくろいをしあうことや、部屋に抜け毛が舞いやすいことから毛玉ケアも人気があります。ミオは日本ペットフードから販売されていますが、実売価格2.3kgで800円程とかなり安いです。

日本で始めてドッグフードを発売した会社ですね。
そうですね。今でも根強い人気のあるビタワンです。ペットフードを製造、国内発売した業者としては日本では一番長い歴史を持っています。製造者としては、いなば食品株式会社が国内販売はしていない海外向けの缶詰を先に製造していました。
そしてミオですが、こちらも上記2商品と余り変わらない原材料構成となっています。カルシウムが0.9%、リン0.7%、マグネシウム0.11%といいのではないでしょうか。たんぱく質は27%とやや控えめですがもちろん問題ありません。そして毛玉ケア系の商品は繊維質が10%近くある商品が多い中、ミオは4.5%以下と抑えられたレシピになっています。
【銀のスプーン】 贅沢うまみ仕立て
ユニチャームの中でも売れている印象の銀のスプーンです。実売価格が1.5kgで1000円程と単価は少し高くなりましたが、それでも安いですね。しかし実はねこ元気と大差ないのが実情です。うまみ成分など独自の考え方で食いつきなどを考慮して作られているようです。

原材料もほとんど変わったところが見られません。
そうですね。味という観点ではフレーバーやちょっとした材料の違いで、違いを出していくことになりますから大きく変わるところはないようです。肉類、魚介類を豊富にしては価格があがってしまいますね。

安いキャットフードよりひとつ上の銀のスプーンの価格帯が一番売れている価格帯なのではと感じています。
一番安い商品よりもひとつ上の価格帯であることが安心感に繋がっていると思います。ユニチャームとしても銀のスプーンを1ブランドとして取り扱っているようですし、安いキャットフードよりワンランク上のキャットフードというブランディングでしょうか。実際にこの銀のスプーンはブランド化に成功しているように見えますし、売れていると思います。
安いキャットフードの原材料は余り変わらない
紹介した6商品は全て大手メーカーの商品です。どのメーカーも管理体制もしっかりしていて、使用している材料もさほど違いはないと予想できますし、成分比率も大きな違いはみられません。価格競争になるとある程度レシピが似通ってくることもわかります。

各社価格もそれほどは変わりませんね。やはり安いキャットフードで本当に猫に合ったキャットフードはないのでしょうか。
肉を豊富にすると原価が上がってしまうので試行錯誤した結果であると思います。多くの人が望んでいるのは安く安定した商品ということを表しているように思います。ここからは少しだけキャットフードの価格帯をあげてみてみましょう。
【ピュリナ ワン】 室内飼い猫用 インドアキャット
2022年3月にドライフードがリニューアルされました。健康免疫システムなどを導入し、免疫力維持のサポートをされているようです。具体的にはオメガ3脂肪酸&オメガ6脂肪酸、βグルカン、ビタミンE&Cを配合することで体内外から免疫力を維持する配合としています。
ピュリナ ワンの室内飼い猫用 インドアキャットです。こちらは原材料で一番内容量が多いものがチキン、チキンミールで、たんぱく質は34%以上と高たんぱくを実現しています。実売価格は2kgで1,900円(950円/kg)ほどです。
次点にコーングルテン、小麦、米と続いています。穀物を使用したタイプですね。

ミールの表記が気になります。
チキンミールに関しては乾燥肉で高たんぱく質を実現していること、価格的なことを考えるといい点ではないでしょうか。

尿路結石対策はどうでしょうか。
カルシウム:リン:マグネシウムが0.6:0.5:0.12となっています。ミネラルは少なめの配分となっているようですが、バランス的には下部尿路について考慮しているかはわかりません。
【サイエンスダイエット】 アダルト チキン 成猫用
出典:サイエンスダイエット アダルト 成猫用 1歳~6歳 チキン
日本でも人気のサイエンスダイエットをみてみましょう。
原材料はトリ肉(チキン、ターキー)を一番多く含み、たんぱく質も33.7%といいのではないかと思われます。小麦、とうもろこし、米などの穀物を多く含み、動物性油脂も使われています。カルシウム:リン:マグネシウムは0.79:0.78:0.088となっていて、含有量は抑えめです。

実売価格は2.8kgで2,600円(928円/kg)ほどですね。
この辺りから原材料や配合比率に徐々に変化が出てきますが、価格があがるのは原材料の種類や質が上がることもありそうです。
【ロイヤルカナン】 インドア
出典:インドア
ロイヤルカナンで人気のインドアです。実売価格が2kgで6,100円とグッとあがってきます。ここまで来ると安いキャットフードの中には入らないかもしれませんね。

10匹以上飼っていると1ヶ月で10袋近く買うことになるので2kgで6,100円の商品はなかなか買えませんが興味はあります。
この辺りの価格帯になるとカルシウムのバランスもしっかりできていますし、たんぱく質量など成分には問題がありません。原材料としては米、小麦などの穀物がまだ多く含まれています。
私はロイヤルカナンならインドア以外にもプロテイン エクシジェントなんかも今の流れに沿った商品かなと思います。しっかりした猫らしい体作りに役立ちそうです。もし太りやすさを懸念するのであればフィットもいいですね。

この価格帯になると気になる点はありませんか?
ロイヤルカナンは酸化防止剤にBHT、没食子酸プロピルを使用しています。ロイヤルカナンでは問題がないと説明していますし、私も問題ないように思っていますが、気にしている飼い主の方が多いのも事実です。
まとめ
- 安いキャットフードは原材料に大きな違いは見られない
- 安いキャットフードを与える場合は尿路結石に注意
- 高タンパク質、高脂質のものがあるので肥満に注意
- 価格と品質は概ね比例する
- 原材料に人間が食べることのできるレベルの食材を使うと価格があがる

価格と品質は比例することがよくわかりました。国産だからいいというものでもないのですね。

残念ながら期待に沿える答えを準備できなかったかもしれません。ペットフードの規制はヨーロッパなど海外の方が高いので、自ずと品質も高い傾向にあるのは事実です。しかし食いつきなどを考えれば、安いものの方がよく食べる猫は少なくありません。食べることが大切ですから、よく選んでみてくださいね。

良く考えてキャットフードを選んでみたいと思います。