キャットフードに使われる油脂について。代表的な動物性油脂と植物性油脂を解説

キャットフードに使われている動物性油脂と植物性油脂の違いを解説してもらいました。
キャットフードに使われる動物性油脂とは、動物の体内に含まれる脂肪のことです。
バターやラードなども動物性油脂にあたりますが、ペットフードに使われている動物性油脂は主原料であるチキンなどの肉原料を調理する際に出る脂などを使用します。
動物性油脂という表記の他に、鶏脂、魚脂などがあります。
紅花、亜麻仁、エゴマ、ココナッツ、キャノーラなどが代表的な植物性油脂です。例えばマーガリンやショートニングも植物性油脂(植物性食用油)と表示されます。
植物性油脂の場合は動物性油脂のように抽出原料に問題があることはほとんど考えられないので安全であるとも言えます。
ただし植物油に多く含まれる不飽和脂肪酸は酸化しやすいという点もあります。また、動物性油脂よりも融点が低いです。
キャットフードは高温でクッキングし、水分を10%以下まで落とします。このままではボソボソとして、キャットフードの形にまとめることができません。
そこでキャットフードを成形するために油脂が必要となります。
高温で処理されたドライフードに匂いや質感を与えるために、油脂を吹き付けて嗜好性をあげるために使用します。
猫の嗜好性をあげるためには植物性油脂よりも動物性油脂の方が猫に好まれます。
脂肪は素早く栄養源になる大切な栄養素です。猫にとって一番のエネルギー源はたんぱく質ですが、脂質もほどよく摂取することで健康な体、被毛などを維持することに繋がります。
動物性油脂は気をつけるべきもののひとつでもあります。
低品質な動物性油脂は、原材料となる動物が腐敗が進んでいたり、骨、肉、内蔵、糞便、毛など全て煮込んで抽出していたり、病気で亡くなった動物も含まれていることもあります。日本でも事故や病気、寿命で亡くなったペットを扱っていた業者があり、ニュースになったこともありました。
「鶏脂」など何の動物から取られた油脂であるかを明確にしたフードがおすすめです。
動物には動物性油脂が必要であり、動物性油脂が必ずしも悪いというわけではないので、動物性油脂が使われているから悪いということではありません。
動物性油脂ではなんの動物が使われているかもわかりませんが、鶏脂と書かれていれば、鶏であることはわかります。
その工場で鶏を原材料として使っているフードがあればそれから精製されたものであることも予想できます。
動物性油脂は酸化しやすいので、酸化防止剤が使われます。この酸化防止剤にエトキシキンなどが使われていないかを調べておくといいかもしれません。
動物性油脂は他社から購入している工場もあれば、自社で原材料から抽出している工場もあります。
ただし油脂に使用している酸化防止剤は表記しなくてもいいことになっていますので、厳密に知ることは難しいかもしれません。
株式会社ヒューマル代表取締役。ペットフード専門家。「動物にも食育を」を掲げて2016年に会社を設立。ヨーロッパを巡って自身の希望レシピを製造できるペットフード工場を探し出し、オリジナルキャットフードを開発。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士、ペット防災指導員、ペット共生住宅管理士、保育士などの資格保持者。詳しくは紹介ページへ
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