フードジプシーの方へ。猫の幸せを優先して、飼い主がいいと思うものか、猫が好きで食べるものかを考える

キャットフードジプシーになっていつまでもキャットフードが決まらないというご相談が多いです。その答えについてマッサンに話を聞いてみました。
最近はこんな相談が多くなってきました。
フードジプシーとは理想のキャットフードがあり、それを追い求めているが、いつまでも見つからない状態のことです。
「ナントカが良くない」という言葉を聞くと不安になりまた探し始めてしまう猫想い、犬想いの優しい人が多い印象です。
また、キャットフードについて調べ始めると、今まで与えていたフードが悪く見えてきて戻れなくなるというのも原因のひとつのようです。
どの市販品もダメなように見えてきてしまったら、栄養価も全て計算した手作りフードがいいのかもしれませんが、それは非常に難しい話だと思います。そしてこれだと話が終わってしまいますので(笑)
ドライフードで考えると、もちろん選択できるドライフードの中で一番いいものを選びたいですよね。
今はインターネット上に多くの情報があるので、ドライフードを選ぶのも大変です。
まだまだありますが、こうした情報が沢山あるので正解不正解はわからないまま、あれこれ試してみているのではないでしょうか。
このように飼い主がいいと思うペットフードは、原材料の品質が良く、化学合成された酸化防止剤などを使っていない、なるべくナチュラルなものと考えていると思います。
加えてできるだけ値段が安いものですね。
猫が好きな食べ物は極端にいえば人間が食べる食べ物です(笑)味が濃く、匂いが強く、質感があり、適度な温度がある。
これをキャットフードに当てはめていけば猫缶が近いですね。味は濃くありませんが、自然な匂い、質感、適度な温度があります。
ドライフードはそもそも猫が好む肉とは遠い形状、質感の食べ物です。このため本来ドライフードを好んで食べてもらうというのはかなり難しいことです。
人間が求めるものと猫が食べるもののギャップは必ず生まれるので、人間が思った猫の体にいいキャットフードだから猫が食べるかは別の話です。
また猫の体にいいキャットフードだからといって、その猫に合うかどうかもまた別の話です。
現代の飼育されている猫は野生で暮らしていた猫に比べると腸の運動能力が落ちています。腸だけでなく、体全体の能力が落ちています。
このため食べるものを変えるだけで下痢や便秘を起こすことがあるそうです。
原材料などにこだわりすぎて猫が食べないドライフードを与え続けるよりも、猫が好んで食べるドライフードを探してあげることが大切です。
好きなものを食べるということで活力がわき、猫自身の不安や不満、ストレスが減ります。
人間もいくら体に良くても好みではないものを食べ続けるのは大きなストレスになります。
愛猫が好むキャットフードは穀物入りかもしれませんし、激安のキャットフードかもしれません。人にはいいと思えないものである場合もあります。
一度固定概念を捨てて、猫が好んでしっかり食べるものを前提に、少しずつ飼い主もいいと思えるものにチェンジしていくのが猫も飼い主も幸せになれるかもしれません。
現在販売されているドライフードを原因として将来的に病気になるという科学的な根拠はありません。
この辺りは人間の満足度という点も大きく関係してくると思います。
猫も飼い主も納得できるキャットフードを選びたいですね。
株式会社ヒューマル代表取締役。ペットフード専門家。「動物にも食育を」を掲げて2016年に会社を設立。ヨーロッパを巡って自身の希望レシピを製造できるペットフード工場を探し出し、オリジナルキャットフードを開発。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士、ペット防災指導員、ペット共生住宅管理士、保育士などの資格保持者。詳しくは紹介ページへ
スギさん
エノおじさん