キャットフードの原材料として使われるフルーツの解説

キャットフードに含まれている原材料にはフルーツやハーブなどメインの原材料以外にも多くの原材料が使用されています。今日はその中でフルーツに焦点を当てて聞いていきたいと思います。
余りイメージがないかもしれませんが、全てを紹介すると結構な数になりますよ。ここではよく使われるフルーツを紹介していきますね。
などがあります。この中で特筆すべきはビルベリーです。
ベリー類には「バラ科キイチゴ属」、「ツツジ科スノキ属」、マルベリーに代表される「クワ科クワ属」、グーズベリーやカシスに代表される「スグリ科スグリ属」、ハスカップに代表される「スイカズラ科スイカズラ属」があります。
この中でスグリ科スグリ属、スイカズラ科スイカズラ属を使用しているキャットフードはないのではと思います。
どの種類も基本的にはアントシアニンが注目成分となり、それぞれにビタミンや独自成分など特色があると考えていいと思います。
ベリー類は猫に悪いと言われているものはありません。
ブルーベリー、クランベリー、カウベリー、ビルベリー、ハックルベリー、チェッカーベリーが属しています。一粒からなっています。
ビルベリーはブルーベリーの原種ともいえる種類で、栽培が非常に難しく、ポリフェノールの一種であるアントシアニンがブルーベリーの2~5倍含まれています。強力な抗酸化作用があり、ヨーロッパでは医薬品として扱われている地域もあります。日本ではサプリメントとして利用されています。
カウベリーとは日本名ではコケモモと言われ、葉を薬用として使われていたことがあります。抗酸化作用が高いレスベラトロールを豊富に含み、長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子を活性化させるとも言われています。
尿路の健康維持を助ける働きがあるキナ酸が含まれています。腎疾患や尿臭の軽減のために使われることもあります。抗酸化作用、免疫力を高める作用もあります。
ブルーベリーに含まれるアントシアニンは抗酸化作用、目の疲労改善効果があります。またアントシアニンは抗酸化作用もあり、老化を防ぎ、血流をよくする働きがあります。
ラズベリー、ブラックベリーが属しています。木苺に分類されます。小さな粒が集まった小さなブドウのような見ためです。
豊富な成分が含まれているブラックベリーは目にもよく抗酸化作用があるアントシアニン、強い抗酸化作用と美白効果のあるエラグ酸などが含まれています。
アントシアニン、エラグ酸による抗酸化作用、そしてラズベリーケトンという香気成分が脂肪分解、脂肪燃焼の効果があると言われています。
マルベリーが属しています。ビタミン類が豊富です。
ビタミンCとカリウムの量が豊富で免疫力を高めたり、むくみ改善、高血圧予防に効果的です。
柑橘系が嫌いな猫は多いですね。しかし柑橘系が猫の体に悪影響を及ぼすということはありません。ではミカン科ミカン属のフルーツからみていきましょう。
ビタミンCを多く含み、抗酸化作用、疲労改善効果が期待できます。
しかし柑橘系に分類されるミカン科のフルーツは猫にとって嫌な臭いとして認識され、苦手な猫が多いと思います。
猫は酸っぱい匂いを腐敗臭として認識しているため、柑橘系に代表される酸っぱい匂いを嫌う傾向にあります。
ただみかん自体が猫に悪いわけではありません。
猫にとって有毒になり得るものは「みかんの皮」の「リモネン」です。まさに猫が苦手な皮の香りの成分。猫はリモネンを分解する酵素を持っていないため、痙攣や嘔吐を起こす可能性があります。
もちろんキャットフードに含まれているオレンジに対しては心配する必要はありません。上記は全て生の状態での話であり、キャットフードにリモネンが検出されません。
キャットフードのオレンジを入れているメーカーの意図としては豊富なビタミンやミネラル、エネルギー転換が早い糖分、クエン酸も豊富である点から夏バテや疲労回復に向いているからだと思われます。
バラ科のフルーツはリンゴ、アンズ、イチゴ、サクランボ、プラム、梨、ビワ、桃、プルーンなどがあります。中でもリンゴ、梨はキャットフードによく入れられているフルーツです。
リンゴポリフェノールによる自然酸化防止による老化防止に役立ちます。またアップルペクチンは腸の調子を整えると考えられています。
たんぱく質の合成に必要なアスパラギン酸が含まれています。
バラ科のフルーツはアンズ、イチゴ、サクランボ、プラム、梨、ビワ、桃、プルーンなどがあります。
バラ科のフルーツで注意しなければならないのは種です。種が割れてアミグダリンやプルナシンが酵素によって加水分解されるとシアン化水素が生産され、青酸中毒になり、命に関わる可能性があります。
しかしドライのキャットフードの場合は心配する必要はありません。
まずアミグダリンなどによる中毒症状を起こすには種子の大量摂取が必要です。キャットフードの場合種子が大量に入っているわけでも、そのまま入っているわけでもありません。
しかももし種が含まれていたとしてもキャットフードを作る際には、私の知っている工法でも3度高熱で熱せられ、3回目の乾かす段階だけでも130~170℃の温度で20~30分間熱せられます。
もちろんできあがったキャットフードからアミグダリンやシアン化水素は検出されません。
リンゴには抗酸化作用があり、天然の酸化防止成分としても広く使われています。
洋梨は多くが水分でアスパラギン酸も熱に弱いため、キャットフードの工程でほとんどが飛んでしまい、適度な繊維質としての効果を期待しています。
凄いですね!当たりです。時計の文字盤のような花を咲かせるから時計草というそうですよ。今回はそのトケイソウ科のパッションフルーツについてです。
パッションフルーツが入っているキャットフードは一部ですが、原材料として使われているフルーツのひとつです。
パッションフルーツの効能としてはビタミンC、ビタミンB2、カリウム、マグネシウムが豊富で、ビタミンB2は脂質の代謝を促し、エネルギーに変えていきますのでダイエットも期待できます。
この他に、森永製菓がアンチエイジングに効果のあるピセアタンノールが多量に含まれていることを発見しました。
猫にどのような作用があるかはわかっていませんが、とても注目したいポイントです。
βカロテンも多く含まれていて熱に強く、加熱した方が吸収率もアップしますが、猫はβカロテンをビタミンAに変換することができないので変換ができません。
ザクロ自体は猫にとってもとてもいいフルーツですよ。
血液を綺麗にするといわれているザクロ。エストロゲンが悪玉コレステロールを減らす作用があります。
幹や根の樹皮には駆虫薬として使われています。ザクロの実には問題がありませんが、幹や根、根皮には注意が必要です。
エストロゲンが含まれている数少ないフルーツのザクロ。以前は肝リピドーシスに効果があると言われていましたが、エストロゲンで肝リピドーシスの発症を抑えられるのは猫には関係がないと結論付けられました。
エストロゲン以外となるとミネラル、ビタミン、タンニンなども多く含まれていて抗酸化作用、抗ガン作用、殺菌作用などが認められます。
また多くのポリフェノールも魅力。アントシアニンやエラグ酸も多く含まれています。
ブドウなのに毒でもあるんですか?
ブドウといえばポリフェノールを多く含むフルーツ。若返り成分と言われているレスベラトロールが含まれ、老化防止効果が期待でき、脂肪がたまることを防ぐ効果もあります。
医学的にどうといえないのですが、アメリカの検証結果から体重1kgあたり、生のブドウが30gで致死量に至ると言われ始めました。急性腎不全などの症状が起こると言われています。
問題はどの成分が影響しているのかわからないという点です。
ぶどうだけにしか含まれていない成分はないといってもいいので、ここは研究が進むことを待ちましょう。
ただし、希にキウイを食べてそうした症状になる猫もいるようですので、必ずしも実なら大丈夫とは言えないようです。
もし近所にキウイ畑なんかがあったら、ヘロヘロになっている猫がいるかもしれませんよ(笑
株式会社ヒューマル代表取締役。ペットフード専門家。「動物にも食育を」を掲げて2016年に会社を設立。ヨーロッパを巡って自身の希望レシピを製造できるペットフード工場を探し出し、オリジナルキャットフードを開発。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士、ペット防災指導員、ペット共生住宅管理士、保育士などの資格保持者。詳しくは紹介ページへ
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