猫と緑茶。キャットフードに使われる緑茶エキス(緑茶抽出物)の期待される効果は?

猫って緑茶を飲みますか?飲んで大丈夫ですか?緑茶の種類とカフェイン摂取量に注意すれば飲んでも問題ありません。
緑茶とは緑のお茶の総称ですので、玉露、抹茶、煎茶、釜炒茶、番茶などがあります。
日本食品標準成分表(2010)からそれぞれのカフェイン量を確認してみましょう。
抽出液100g中 | カフェイン(mg) | 浸出法 |
---|---|---|
玉露 | 160 | 茶 10g/60°C 60mLで2.5分 |
煎茶 | 20 | 茶 10g/90°C 430mLで1分 |
釜炒茶 | 10 | 茶 10g/90°C 430mLで1分 |
番茶 | 10 | 茶 15g/90°C 650mLで0.5分 |
抹茶 | 3,200 | 粉末製品 |
カフェインの致死量は体重1kgにつき80~150mg前後です。
1kgの猫が煎茶100mlをごくごく飲みほしたとしても、20mgになりますので、致死量に至るほど飲むことができず、煎茶で致死量を摂取するのはかなり難易度が高いといえるでしょう。
より危険なものとして考えると玉露があります。玉露は100mlで160mgのカフェイン含有量がありますので、50ml飲めば1kgの猫の致死量に到達します。
これを一気に飲む猫はいないと思いますが、もし置きっぱなしにしていれば1日かけて飲む猫はいるかもしれません。
しかしわざわざ玉露を選んで与えるということはなかなかないと思いますので、リアルな猫の生活を考えると煎茶であれば問題がないと考えてもいいかと思います。
あとは人が飲むよりも薄目に入れると良いかと思います。
緑茶の主要成分はカテキン、カフェイン、L-テアニンです。
ポリフェノールの一種で殺菌力のあるカテキンや、L-テアニンが注目され、口内環境改善や血糖値の上昇抑制、消臭、抗アレルギーなど多くの効果があります。
とはいえ、緑茶は大部分が水ですからそのまま使うのではなく、緑茶エキス、緑茶抽出物を使用します。
緑茶は体に良いといわれるだけあり、この他にも多くの効果効能があります。「この通りに猫に効くのか?」というと臨床結果がありませんのでわかりません。しかし少なからず期待できるのではないでしょうか。
消臭が期待されている点として猫糞の匂い対策があると思います。
しかし2004年に行われた実験では緑茶抽出物が猫の糞の匂いを必ずしも減少させないという結果が示されています。
参考:緑茶抽出物の給与がネコ糞の悪臭に及ぼす影響 ペット栄養学会誌
猫に協力してもらって、猫に対してどこまで効果があるかは検証されていないと思いますが、作用自体に違いがあるわけではありませんので、少なからず効果が期待できるのではと思います。
今後の調査に期待したいところです。
株式会社ヒューマル代表取締役。ペットフード専門家。「動物にも食育を」を掲げて2016年に会社を設立。ヨーロッパを巡って自身の希望レシピを製造できるペットフード工場を探し出し、オリジナルキャットフードを開発。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士、ペット防災指導員、ペット共生住宅管理士、保育士などの資格保持者。詳しくは紹介ページへ
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