すべての猫が食べるフードは存在するか?食いつき研究を進める中で可能と不可能のラインを知る

本日のテーマ

  • すべての猫が食べるフードは存在するのでしょうか。J-stageに公開されている文献を題材に、どうしてすべての猫が食べるキャットフードを作れないのかを勉強していきたいと思います。

1.

すべての猫が食べるフードは存在するか?


  • 答えからいえばもちろんNOです。絶対にすべての猫が食べるフードは存在しません

    私自身かなり食いつきについて研究した結果ロニーキャットフードを作りました。販売までの試験では食べない猫がいなかったほどです。

    それでも販売を進めるうちに、比率としては非常に少ないながらも食べない猫も出てきました。当たり前ですし、わかってはいましたが、多少なりとも悔しくはあります。

    ですので今日は食いつきについての研究結果などを紹介し、皆さんで造詣を深めていければと思います。

2.

犬と猫の嗜好性 ロイヤルカナンジャポン


  • 今日はJ-stageに公開されている「犬と猫の嗜好性 ロイヤルカナンジャポン(PDFファイル)」を題材に、引用させていただきながら紹介していきたいと思いますので、是非ご一読ください。

    嗜好性に影響を与えうる因子には、におい、味、栄養組成や水分含量、噛み心地や舌触り、食事をする環境等があげられる

    上記の通り、嗜好性に影響を与える要素は犬も猫も、人と変わりがないといっていいと思います。

    私自身、ぬるっとしたウニや塩辛が苦手です。これは食感なので、上記でいう噛み心地や舌触りに当たるでしょう。

  • 私はタコが苦手です…噛んでも飲み込めない系のものが全般的に苦手です。
  • ただし、それぞれの影響力の大きさには違いがありますので、以下に紹介していきたいと思います。
3.

においについて


  • においは、犬と猫の嗜好性を左右する非常に重要な因子である

    この点に関しては様々なサイトや本でも目にすると思いますが、人(3~4㎡)よりも犬(18~150㎡)や猫(21㎡)はずっと嗅覚上皮面積が広く、においを判別する能力が高いので、嗜好性においてにおいは重要な要素になってきます。猫についてはピンポイントで重要な点が以下です。

    猫はアミノ酸とペプチドを嗅ぎ分けることができる極めて特殊な嗅覚を持つ

    アミノ酸とペプチドに匂いの違いがあることに驚きますが、猫はこれらを判断できるようです。

  • アミノ酸の匂いってどんな匂いなんでしょう…プロテインみたいな匂いなんでしょうか。
4.

味について


  • 人だけでなく、犬や猫にとっても味は重要な要素のひとつです。

    ただ嗅覚と違うのは人(7,000)に比べて味蕾の数が犬(1,700)、猫(500)ともに少ない上、猫は甘味を感じないと言われています。

    また、その鈍感さとでもいうべきか、性質から、苦手なカプリル酸なども製品(供給源)によっては覆い隠すことができると考えられています。

5.

酸味について


  • 一般的に動物は、酸味のあるものと苦味のあるものを避ける習性があるが、特に猫は興味深い性質を持っており、ある種の酸味が嗜好性を上げるための重要な要素となっている

    酸味はペットフード会社が猫の嗜好性を上げるために研究、利用してきている味覚である

    参考:犬と猫の嗜好性 ロイヤルカナンジャポン

    猫はミカンなどに代表される酸味を非常に嫌う動物でありながら、一部の酸味は嗜好性をあげる重要な要素のひとつであるということです。

    この点はフード作り、また嗜好性アップにおいては非常に重要な要素ですが、答えがあるわけではない非常に難しいポイントです。

6.

食事の栄養組成について(重要)


  • ここを理解頂けない飼い主の方は非常に多くいらっしゃいます。説明しても理解がしてもらえないポイントとも言えるかもしれません。

    猫において、異なる香りと異なる栄養組成の食事を用いた最近の研究では、最初は好みの香りがするが栄養組成は劣る食事を選択するものが多かったが、給与試験を続けると、好みではない香りはするが栄養組成の優れたものを選択し始めるという結果が得られた。このことは、長期的には生物は生命を維持するために、感覚的に好みのものよりも栄養学的に適したものを選択することが示唆されるという点で、においや味とは独立した嗜好性を左右する因子として留意されるべきかもしれない

    これが特にすべての猫に食べてもらう食事を作ることはできない理由のひとつであると考えています。一例ではありますが、例えば「貧血気味だからレバーを食べよう」という行為は、人が血を作るのにレバーが適していることを知っていて選択するというものですが、こうした行動を行うものであるかと思います。

    その時に満たされていない栄養素を摂取したいと思うのは人も動物も変わらず、動物は本能的にそれを知っている、感じているともいうこともできるかと思います。

    どれだけ現段階で計算可能な栄養素が整ったフードを作っても、また、どれだけ嗜好性の高い香りのフードを作っても、また、どちらも持ち合わせたフードを作れたとしても、猫にとってその時欲している食事でなければ、それらのフードは選択肢にはならないということでもあります。

7.

食物の形と食感について


  • 人も同じ、形や食感は嗜好性に大きく影響します。歯への刺さり具合や口内への刺激、もちろん温度も含まれます。温度を上げることは猫の食欲を刺激します。

    猫舌という言葉が一般的になりすぎていて、猫には温かい食べ物は敬遠されるように考えられていますが、人肌程度の温かさを最も好みます。猫は腐敗肉ではなく新鮮肉食動物であることもあるかもしれません。

8.

すべての猫が食べるフードは存在しない


  • 上記を読むだけでも、すべての猫が食べるフードを作ることは不可能であることがわかります。

    逆に、一部に熱狂的なフードであれば、一部からは拒否られるものになるはずであり、一般的なフードになればなるほど、特殊なものには短期的にはかなわないと考えるのが妥当です。

    一番重要なことは、食べるものを選んであげることです。どれだけいいフードでも食べなければ意味がありません。だからといってそれが悪いフードだというわけではないのです。

    キャットフード探しに答えはありません。猫が成長すれば好みも変わります。その時々に好むものを探してあげて下さい。といっても頻繁に変え過ぎると食べなくなりますので注意してくださいね。

  • 猫はわがままですね笑

まとめ


  • すべての猫が食べるフードは存在しない
  • 猫は一部の酸味が嗜好性を上げるための重要な要素となっている
  • 猫は生命を維持するために、感覚的に好みのものよりも栄養学的に適したものを選択する能力がある
  • 今回はJ-stageに公開されているロイヤルジャポンの文献を元に、犬猫の嗜好性について紹介してみました。すべての猫が食べるフードはない。このことを胸に、愛猫が食べるフードを探していきたいですね。

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