キャットフードを飲み込む理由は?猫の歯からわかる食事の仕方や、消化能力の高い消化管

猫がキャットフードを丸飲みしてしまうことについて、猫の習性や体のつくりから考えてみました。猫は食べ物が飲める大きさになるまでちぎったら飲み込んでしまう生き物です。
具体的には口内の環境が影響しています。
猫の歯のほとんど全てが肉を食べるためのものです。皮を剥いだり、毛をむしったり、肉を引きちぎったりするためのものです。
猫にも奥に臼歯があり、飲み込める大きさに裂いたら飲み込みます。
猫は乳歯は26本、永久歯が30本です。私は二浪三浪(2630)と覚えました(笑)
生後6ヶ月で抜け替わりますので、飼い主が気付かない間に生え替わっていることもあるかもしれません。
特徴的な犬歯は食べ物を加えたり、獲物となる動物の脊椎を脱臼させたりするために使われます。
キャットフードも飲み込める大きさになれば飲み込むのが普通です。このため、サイズによってはそのまま飲み込むものもあると思います。
もちろん小さくても噛むことはありますし、必ずしも一粒ずつ食べるわけではありませんので、口に含んだ量で噛むこともあります。
猫の消化管は体長の3~4倍しかありません。これは肉に特化しているということと、高い消化能力を表しています。
人の消化管は体長の10倍、犬は6倍、牛は22~29倍とも言われています。
草食に近づくほど消化管は長くなっていき、猫は肉食であることを表した、最も短い動物の一種です。
消化管が短くても効率よく消化吸収できるように腸管の構造も発達しています。例えば発達した小腸を持つ猫は粘膜の大きな襞を持っていたり、絨毛を微細な微絨毛で覆うことで表面積を600倍に増やしていたりします。
このように飲み込める大きさになった時点で飲み込んでも、しっかりと消化吸収できる機能が備わっていますが、注意すべき点があります。
それはあくまで肉食の構造を持っているため、穀物や植物は多くは消化できない点にあります。こうした理由からもグレインフリーなど肉の種類が豊富なキャットフードがいいと考えられている理由のひとつです。
こうした消化管にあったものを考えると、自然と肉類が豊富なものであり、あまり噛まないことを考えると消化吸収率が高いものが望ましいことがわかります。
また、植物が全くないことは猫にも望ましいことではありませんが、逆に多すぎるものは負担を掛けてしまうことも考えられる事です。
株式会社ヒューマル代表取締役。ペットフード専門家。「動物にも食育を」を掲げて2016年に会社を設立。ヨーロッパを巡って自身の希望レシピを製造できるペットフード工場を探し出し、オリジナルキャットフードを開発。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士、ペット防災指導員、ペット共生住宅管理士、保育士などの資格保持者。詳しくは紹介ページへ
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