食いつきがいいと話題のキャットフードなのに「その商品だけ」食べない!なんで?

食いつきがいいと話題のキャットフードなのに「その商品だけ」食べない。これは製造側からすると当たり前に起こりえることだそうです!マッサンに製造メーカーの視点から解説してもらいました。
面白い話題を頂きました。「食いつきがいいと話題のキャットフードなのに”その商品だけ”食べない!のはなぜ?」という話題です。
これは開発側からすると当たり前のことといいますか、そういうことは起こり得ることなんですよ。
開発する時に考えることは、多岐に渡ります。
など上げればキリがないほど多くの点があります。これに加えてどのように販売するかも考える必要がありますので、ブランディングやマーケティング、広告から管理体制、輸送方法なんかもありますよね。
そう、食いつきテストですので、猫の趣味嗜好も違っていなければいけませんから、たくさんの対象(猫)がいます。
そこで既に他に同じような味があったり、他の方がおいしかったらどうですか?
ということなんです。猫に「お?これは?」と振り向いてもらわなくてはいけませんので、他の製品とは少しでも違うアピールができるものを作る必要があります。
多くの猫が食べたことがない、もしくは気になる匂いや味でありながらも「食べてくれるフード」を目指して開発を行っていきます。
つまり、食いつきの評判がいいフードはどこか一部分でも「オリジナリティ」を持つフードということにもなります。
オリジナリティを持つということは、猫にとっては新しいものになるわけですし、反対に苦手と判断する猫がいるのは当然のことなんです。
本来猫にとって問題ない原材料であっても、あまり使われていない原材料や、貴重な原材料を使ったり、あまり行われない原材料の組み合わせにしてみることで、猫次第では下痢になったりする可能性もあるでしょう。
例えば大ヒット商品で知らない人はいないとさえ言えるであろう「Ciaoちゅ~る」でも食べない猫や下痢をする猫、拒否する猫もいると思います。
なので食べる食べないといった評判はあくまで割合なんです。
食いつきがいいと評判のキャットフードはある程度…例えば6~7割位の猫には食いつきがいいのではないかと思います。参考までに、弊社ロニーキャットフードではあくまでテスト段階では9割以上が食べてくれました。
しかし残りの3、4割の猫には、そうでもない、もしくは食べないという猫がいるでしょう。合わせて下痢になったり、吐いたり、気に入らない状況を表すこともあると思います。
余り特殊でないフードに変更した場合、似たようなものを普段から食べているわけですから、食いつきが悪くても吐いたりすることは少ないでしょう。
それなのに価格が高めのプレミアムキャットフードにした結果が食べなかった!吐いた!となると反動も大きいということです。
なるほど…!凄く納得ができました!
そのフードのオリジナリティが、逆効果になってしまう猫もいるということですね。
このように、評価評判の高いフードはそれなりに食いつきが良いなどの結果は認められると思いますが、一定数の反対もあると思います。
面白いことを例題に上げるとパクチーに似ています。
パクチーが大好きな人にはパクチーに変わるものがない。その他の香菜ではだめ。そんな人達にとってパクチーは大変引きが強く、食いつきがいいものになります。
そんなパクチーであっても、全く食べられない、好まない人もいます。その人達にとってはパクチーは食いつきが悪いものになります。
口コミなどの評価はこの戦いですので、パクチーというものを知らない人に初めてパクチーを出したときに、パクチーが好きな人は「美味しかった」「癖になる」となりますし、パクチーが苦手な人は「まずかった」「吐いてしまった」など感想を言うことができます。
このように口コミは必ず主体がいて初めて成り立つものなので、食いつきのような口コミは良いも悪いも、食べる主体が違いますので鵜呑みにはせず判断するしかないかなと思いますね。
今度はフランス料理に例えてみましょう。高級なフランス料理はきっと美味しいでしょう。しかしそれが苦手な人もいます。
高いから、素材がいいから、調理方法が優れているから必ずしもその人の好みに合うというわけではありません。
猫も生き物は皆同じなんですね。
株式会社ヒューマル代表取締役。ペットフード専門家。「動物にも食育を」を掲げて2016年に会社を設立。ヨーロッパを巡って自身の希望レシピを製造できるペットフード工場を探し出し、オリジナルキャットフードを開発。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士、ペット防災指導員、ペット共生住宅管理士、保育士などの資格保持者。詳しくは紹介ページへ
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