キャットフードのトッピングについて。海外ではあまり使われず、日本のキャットフードに多い

ちゅーるなどに代表されるトッピング製品。実は日本は世界的にもペット用のトッピングが発展している国だって知っていましたか??
ドライフードの食いつきが悪いということでトッピングを多用するケースも見られます。多い要因としては「猫がキャットフードを食べてくれない」「たまには違うものを与えたい」が多いように感じます。
いずれにしても以下のような猫のことを考えた理由が見られます。
それではトッピングとは具体的にはどのようなものになるでしょうか。言葉の通りに捉えれば「飾り、味付けとして上にのせるもの」ということになるようです。
このため最初から混ざっているものはトッピングとして捉えるかは難しいところですが、インスティンクトのロウブーストのようにフリーズドライ生肉の粒入りといったものもあり、これはトッピングが最初から混ぜ込まれているといった考え方でもいいのかもしれません。
ただ複数のキブルが混ざっているタイプはトッピングとは捉えないようにしたいと思います。
また、ちゅーるのようなセミモイスト製品や猫缶はそのまま食べることが基本なので上にかけるという意味ではトッピングではありませんが、トッピングとしての使用法もあるため、トッピングに含むこととします。
あくまで上記のものがトッピングだと仮定すると以下のような製品が考えられます。
※すべてペット、猫用
以前はトッピングといえば削り節やカニカマなど乾燥製品主流でしたが、現在はちゅーるなどのセミモイスト製品の台頭により、よりしっとり感のある生感のあるものが好まれるようになってきました。
上記に紹介したように、トッピングに使用される原材料は魚類の使用が多いです。肉類はウェットフードやジャーキーなど、比較的限られた製品のみであると感じています。
私が時折チェックしに行っているヨーロッパでは、日本のチュールのような製品は全く見られず、ペットフードが置いてある大手スーパーでも猫缶でさえ多くは見られませんでした。缶よりもパウチ製品の方がまだ置いてある印象です。
探せばあるかもしれませんが、探すほどペットショップがあるわけでもなく、日本のちゅーるや猫缶のように行けばどこでも売っているようなものではないのは確かです。以下も参考になるかと思いますので合わせてご覧ください。
参考記事:
例えばなんでも小分けにするのは日本独自の文化です。逆に海外ではパッケージの中に更に小分けパッケージが入っていたら、ゴミが出るし、エコじゃないし、二重に開けるのも面倒だしで批判の方が多いこともありますよ。
このようにメイン路線から側道に移ると日本で花開くものも多い印象ですね。日本人の細やかな配慮、考え方が影響しているように思います。フードにトッピングもそうしたタイプではないでしょうか。
裏話ではありますが人用の不織布などに入った出汁パックを、ドライフードの袋に数パック入れてドライフードに匂い付けをして、嗜好性を刺激するという方法があります。
人用の出汁パックには食塩も多く含まれていますので、振りかけはしない方がいいですが、この方法は匂いをトッピングするという考え方も出来るのではないでしょうか。
因みにこの方法はフードに違う匂いを付けるわけですから、より食べることもあれば、食べなくなることもありますので悪しからず。
日本は世界的に見ても補助的なフードが多い国と言えると思います。トッピングもそのうちのひとつ。従来の乾燥品からセミモイスト、ソフトモイストなど豊富な形状、味、匂い、価格のものが揃っています。
ヨーロッパではもっと実利志向といいますか「猫や犬はドライフードを食べる。だからそれ自体の嗜好性を上げ、食いつき改善を目指したり、原材料から見直したり、ドライフード自体の質を上げる」ということに注力する方向性を感じます。ドライフード工場も製造経験や製造した商品のレビューが多く集まり、改善を繰り返すことで規模も大きくなっていきます。
このため弊社のようにブランドひとつに注力したメーカーもたくさんあります。工場も大きく、OEMも盛んだからです。ですが日本だとブランドひとつで会社をやっているドライフードメーカーはかなり数少ないですよね。
それは日本ではドライフード製造環境が非常に限られているからです。
経験も世界のトップクラスに入るOEM工場と比べれば圧倒的に少ない。その中でも経験のある大手ドライフード工場には空きがない。だから単純に作れないんです。
こうした事情からトッピングなど乾燥品やウェットフードが作られていくのは自然なことだと思います。更に日本人は工夫が好きですから、多くのトッピングも生まれています。
結果的に日本では選べるフードがとても多く、簡単にトッピングを買える環境でもあるので、フード選びには迷いが生じやすいとも感じています。
株式会社ヒューマル代表取締役。ペットフード専門家。「動物にも食育を」を掲げて2016年に会社を設立。ヨーロッパを巡って自身の希望レシピを製造できるペットフード工場を探し出し、オリジナルキャットフードを開発。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士、ペット防災指導員、ペット共生住宅管理士、保育士などの資格保持者。詳しくは紹介ページへ
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