キャットフードに使われるマグロについて。猫にマグロは好物?世界の漁獲量からマグロの人気を探ってみよう

本日のテーマ

  • 日本人にとってもなじみ深いマグロ。キャットフードではどのように使われているのでしょうか。世界の漁獲量も確認し、身近な国や地域も感じてみましょう。

1.

日本ではキャットフードといえばマグロ(ツナ)


  • 日本でキャットフードといえばマグロ(ツナ)という人が大半を占めるのではないでしょうか。マッサンのキャットフードの学校を見に来てくれている方々の場合は、チキンやサーモン、ターキーなどが普通な感覚になっているかもしれませんが(笑)
  • そうですね!スーパーやホームセンターで買っていたときはほとんど必ずと言っていいほどマグロやカツオ系を選んでいました。
  • 世界的にみると日本ほどマグロやカツオなどの魚類がペットフードの主軸になっている国はないと思います。このサイトをご覧いただいている皆さんも最初は猫に鶏肉のドライフードという方が違和感があったのではないでしょうか。
  • …若い方の場合はそんなに珍しくないかもしれませんが(笑)私たちの世代だと魚一辺倒といえるほど、猫には魚のキャットフードでしたよね。
  • 私もキャットフードといえばマグロなどの魚類という認識でしたので、鶏肉のキャットフードがとても人気が出てきているということを聞いたときは半信半疑でした。

    猫の特性を考えてみれば不思議なことではないのですが、「猫には魚」というイメージが強すぎる日本ではまだまだこの認識は続いていくかと思います

2.

海外のマグロ事情


  • ペットフード製造で考えた場合、私が数社訪れたヨーロッパの工場で原材料にツナが選択できる工場はありませんでした(笑)「どんな原材料が使える?」と確認しても選択肢にも入っていないんですよ。「ツナは?」「ノー」位の反応です。

    実際にヨーロッパのマグロ事情を考えてみたいと思います。まずは以下資料を見てみてください。

  • 2017年度世界のマグロの漁獲量

    順位国名単位:トン
    1インドネシア375,395東南アジア
    2日本177,481東アジア
    3台湾169,667東アジア
    4メキシコ133,025北アメリカ
    5エクアドル123,744南アメリカ
    6スペイン122,259ヨーロッパ
    7イラン119,941南アジア
    8パプアニューギニア115,190オセアニア
    9韓国90,500東アジア
    10フィリピン89,222東南アジア
    11中国86,271東アジア
    12フランス70,648ヨーロッパ
    13セーシェル60,209東アフリカ
    14米国55,445北アメリカ
    15モルディブ50,454南アジア
    16パキスタン45,216南アジア
    17スリランカ43,436南アジア
    18マレーシア42,715東南アジア
    19オマーン40,301西アジア(中東・近東)
    20パナマ38,023中央アメリカ
    21キリバス37,525オセアニア
    22ベトナム26,385東南アジア
    23タイ26,287東南アジア
    24ミクロネシア連邦25,532オセアニア
    25ガーナ24,850西アフリカ
    26ベネズエラ24,384南アメリカ
    27インド22,069南アジア
    28イエメン20,358西アジア(中東・近東)
    29ペルー19,091南アメリカ
    30オーストラリア18,642オセアニア
    31コロンビア18,247南アメリカ
    32マーシャル諸島18,164オセアニア
    33ソロモン諸島17,719オセアニア
    34フィジー16,646オセアニア
    35エルサルバドル13,215中央アメリカ
    36バヌアツ13,105オセアニア
    37キュラソー11,309中央アメリカ
    38ニカラグア10,905中央アメリカ
    39モーリシャス9,863東アフリカ
    40ブラジル9,036南アメリカ
    41ベリーズ7,392中央アメリカ
    42セネガル7,375アフリカ
    43イタリア7,294ヨーロッパ
    44ポルトガル6,406ヨーロッパ
    45コモロ5,976東アフリカ
    46仏領ポリネシア5,485オセアニア
    47アンゴラ5,319中央アフリカ
    48マルタ4,770ヨーロッパ
    49タンザニア4,099東アフリカ
    50グアテマラ4,098中央アメリカ
    51カーボヴェルデ3,906北西アフリカ
    52米領サモア3,608オセアニア
    53クック諸島3,569オセアニア
    54南アフリカ3,317南アフリカ
    55ニュージーランド3,181オセアニア
    56サモア3,168オセアニア
    57コートジボワール2,740西アフリカ
    58カナダ2,726北アメリカ
    59スリナム2,660南アメリカ
    60モロッコ2,649北アフリカ
    61アイルランド2,508ヨーロッパ
    62ニューカレドニア2,341オセアニア
    63トルコ2,336西アジア(中東・近東)
    64ギニア2,300西アフリカ
    65ツバル2,101オセアニア
    66セントビンセント・グレナディーン2,065中央アメリカ
    67モーリタニア1,905西アフリカ
    68クロアチア1,818ヨーロッパ
    69チュニジア1,791北アフリカ
    70リビア1,631北アフリカ
    71マダガスカル1,523東アフリカ
    72グレナダ1,363中央アメリカ
    73アルジェリア1,038北アフリカ
    74レユニオン1,034東アフリカ
    75北マリアナ諸島1,003オセアニア
    76グアム970オセアニア
    77トリニダード・トバゴ968中央アメリカ
    78キューバ935中央アメリカ
    79アラブ首長国連邦900西アジア(中東・近東)
    80ギリシャ843ヨーロッパ
    81キプロス678西アジア(中東・近東)
    82サントメ・プリンシペ659中央アフリカ
    83ドミニカ共和国519中央アメリカ
    84赤道ギニア511中央アフリカ
    85トンガ423オセアニア
    86ナミビア409南アフリカ
    87ケニア406東アフリカ
    88セントルシア377中央アメリカ
    89バルバドス318中央アメリカ
    90サウジアラビア301西アジア(中東・近東)
    91リベリア276西アフリカ
    92セントヘレナ258大西洋の島
    93ナウル254オセアニア
    94ドミニカ241中央アメリカ
    95エジプト224北アフリカ
    96マヨット214東アフリカ
    97ガイアナ181南アメリカ
    98モザンピーク169東アフリカ
    99ベナン117西アフリカ
    100チリ80南アメリカ
    101モンテネグロ73ヨーロッパ
    102マルティニーク60中央アメリカ
    103シリア58西アジア(中東・近東)
    104アルバニア57ヨーロッパ
    105ノルウェー50ヨーロッパ
    106バミューダ43北大西洋の島
    107ヨルダン39西アジア(中東・近東)
    108セントクリストファー・ネイビス31中央アメリカ
    109トケラウ29オセアニア
    110イギリス26ヨーロッパ
    111ガボン22中央アフリカ
    112トーゴ11西アフリカ
    113ガンビア10西アフリカ
    114イスラエル10西アジア(中東・近東)
    115プエルトリコ7中央アメリカ
    116英領ヴァージン諸島5中央アメリカ
    117米領ヴァージン諸島4 中央アメリカ
    118英領インド洋地域3南アジア
    119東ティモール3東南アジア
    120スウェーデン2ヨーロッパ
    世界計2,560,743

    資料: GLOBAL NOTE2019年3月28日更新 出典: 国連

  • 赤が東アジア、東南アジア、南アジア緑が北アメリカ青がヨーロッパに色づけしています。

    マグロは総合してアジアでよく獲られていることがわかります。

    反対に、ヨーロッパ、アメリカの漁獲量は高くありません。

  • アジアのマグロ魚客量、消費量はやっぱり凄いんですね!
  • ペットフードの原材料は人に消費されないものが主流

    基本的にペットフードの原材料の為だけに漁業が成り立つことはないと言っていいので、ペットフードに使われる原材料は、人に使用する部位が取り除かれたものや消費されないものが主流です。

    魚でいえば消費されなかった残り、サイズや傷など規格外のもの、切り落とした頭部(カマ)、三枚おろしの中骨部分(中落ちが取れる部分)などです。

    マグロの頭部や中骨部分であってもかなり大きく可食部も栄養も豊富なので十分に原材料となります。

    こうした原材料は人が消費しないと出ませんので、必然的に漁獲量が高く、消費量も高い国が有効活用するためにペットフードや飼料によく使う国と考えられるようになります。

    ヨーロッパやアメリカでは一部の取れる地域での使用があっても、主原材料としてマグロが鶏やターキー、サーモンなどと同じメインに並ぶということは少ないと考えられます。

    地域の産業を守る資源の活用

    反対に、マグロとは関係がなくなってきますが、その土地土地で獲れる魚があるので、それらが原材料になることは十分にあります。

    例えば地域の産業を守るためにも活用されています。どんな場所でもサーモンなど消費量の多い魚ばかりが獲れるとは限りません。こうなると水産業が安定しにくくなります。

    ペットフード工場が地元の食材を積極的に利用することで、地域の産業(水産や畜産)を守ります。

    「サーモン」など限られた魚ではなくなりますが、種類を問わない、または、ある程度幅を持って仕入れることで仕入れ価格も安く安定させたり、猟師さんも一定の金額が補償されるなどメリットがあります。

    もちろん魚自体は新鮮なものですのでペットフードの原材料としては問題はありません。

3.

猫にとってマグロは好物?


  • これは正解であり不正解であるというのが正しいと思います。

    日本のように海が近く、昔から猫が魚を食べていたような国、地域では、猫が人から魚をもらいやすく、食べる機会が豊富だったことから、個体差はありますが好物になり得る環境がありました。

    しかし、海のない国や、魚をほとんど食べない国では猫も食べませんので見向きもしないこともあります。

    こうしたことから、その国、地域の人が「魚が好きか、または身近か」「魚をよく消費するか」によって、猫の嗜好も影響されると考えられ、全ては猫の近くにいる「人」次第なのかなと感じています。

4.

魚単体でキャットフードで作ることの難しさ


  • マグロの栄養について考えてみたいと思います。

    今年(2019年)弊社では魚のドライフードの開発をしていたのですが、一種類の魚だけで作ろうとすると希望の栄養数値にならなかったということがありました。

  • 魚ならなんでも一緒じゃないんですね!
  • 恥ずかしながら、なんとなくペットフードを製造する時は乾燥、粉末にしてから使用するので、魚なら大きな違いはないのかなと思っていたところがありました。

    しかし、魚ならなんでも一緒という訳ではありません。

    原材料の組み合わせ方(参考程度にしてください)

    魚は部位だけでもカロリーなどかなり違いますし、ペットフードにおいて単体の栄養素はあまり意味がありませんが、マグロの栄養素は以下のようになります。

    マグロ赤身100gあたり参考値

    エネルギー125kcal
    タンパク質26.4g
    脂質1.4g
    炭水化物0.1g
    食塩相当量0.1g

    サーモンの刺身100gあたり参考値

    エネルギー139kcal
    タンパク質22.51g
    脂質4.51g
    炭水化物0.11g
    食塩相当量0.11g

    鶏肉の100gあたり参考値

    エネルギー200kcal
    タンパク質16.2g
    脂質14g
    炭水化物0g
    食塩相当量0.1g

    マグロは低カロリー高タンパク低脂質なので補いあってレシピを作る

    マグロとサーモンの切り身、鶏肉を比較すると、マグロが低カロリー、高タンパク質、低脂質な食材であることがわかります。

    そこで、マグロを大量に使ってキャットフード(ドライフード)作った場合、かなり低カロリー、高タンパク質、低脂質になると予想できます。

    このためサーモンをプラスすることで脂質を足すことができるという考え方もできますね。

    鶏肉はタンパク質はやや抑えられていますが、エネルギーと脂質も豊富なので、原材料として使用した場合は過剰になったら、栄養素を減らす方向を考えればいいので、比較的作りやすいといえます。

    以上は部位も不明確で数値が正確性に乏しいので、考え方の参考程度にしてください。考え方としてはこのように素材を組み合わせていくという解説です。

    この他にも当然それぞれの原材料にはミネラルやビタミン、不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸などが含まれていますので、バランスをとって使用します。

    これが魚一種類だけで作ろうとしたら、思い描いた栄養素にはならなかったことの解説です。

    よく考えれば当たり前なんですが、作ってみるまで意外とそう思えなかったんですよね。それは私が普段料理をしないからかもしれません。

  • 水産関係者はもちろん、料理をする方なら最初からピンときたかも?しれませんね。
5.

ヘルシーなマグロは体重管理用キャットフードにも使いやすいようです


まとめ


  • 日本の猫に大人気のマグロ
  • 必ずしも世界ではマグロは主の原材料になることは少ない
  • マグロはアジアで多く獲られ、消費されている
  • マグロは部位にもよりますが、低カロリー、高タンパク質、低脂質でヘルシーな食材
  • 体重管理用にも使われやすい原材料
  • 私たち日本人に馴染みのあるマグロですが、こうして調べてみると日本を始め、アジア圏にとって馴染みがある食材であることがわかりました。また、低カロリー、高タンパク、低脂質で非常にヘルシーな食材だったんですね。オメガ3脂肪酸も摂取することができ、猫にとって有益な原材料であることがわかりました。

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