糖質と呼ばれる炭水化物
炭水化物は糖質ともいわれています。単糖、少糖(オリゴ糖)、多糖に分けられ、多糖は更に、ホモ多糖(単一の単糖が結合したもの)、ヘテロ多糖(複数の単糖が結合したもの)に分類されます。単糖が炭素が1つのもの、少糖が2~10程度結合したもの、多糖はそれ以上のものです。
炭水化物の種類 | 炭素の結合状態 | |
---|---|---|
単糖 | 炭素が1つのもの | |
少糖(オリゴ糖) | 単糖が2~10程度結合したもの | |
多糖 | ホモ多糖 | 単一の単糖が結合したもの |
ヘテロ多糖 | 複数の単糖が結合したもの |
デンプン
デンプンはグルコースが結合したもので、米などの穀類、いも類、豆類に多く含まれるホモ多糖です。主にエネルギー源として活躍します。
デンプンは大きくわけて2種類あり、アミロース(α-1,4-結合)、アミロペクチン(α-1,6-結合)です。
デンプンで大事なのはα化(糊化)していることです。例えばお米を炊く行為はβ状態のお米をα化することで、こうすることで消化がしやすくなります。
人はお米やイモの炭水化物をエネルギーにしているんですよね!
食物繊維としてのセルロースもグルコースが結合したものですが、結合方法が違い、動物はこの食物繊維の結合(β-1,4-結合)を分解する消化酵素を持っていません。
このため食物繊維は体内を掃除したり、カロリー摂取量を抑える目的などで使われています。
犬猫にとっての炭水化物
猫とデンプン(糖質)
猫はこれら炭水化物のデンプンをエネルギー源として使用することができますが、人や犬のようにデンプンの消化吸収は得意ではありません。加熱調理して消化性を良くすることで消化ができるようになります。
すると余り必要ない栄養素なんでしょうか。
実は猫の炭水化物要求量は明確にはされていません。重要な栄養素というわけではありませんが、完全に必要がないわけでもなく、適度に取り込むことが大切と考えられています。
適度の量ですが、キャットフードには30~40%程度までがいいのではと言われています。また猫の嗜好性は高くありません。
犬とデンプン(糖質)
犬は肉食寄りの雑食であり、人ほどではありませんが炭水化物からエネルギーを作り出すことができます。このためキャットフードと比較するとドッグフードでは炭水化物量が多く設定されています。
食物繊維
炭水化物の含有量が増えれば自然と食物繊維量も増えてきます。
一般的なキャットフード・ドッグフードでは通常3%程度ですが、高繊維量のペットフードでは10%からそれ以上という製品もあります。
食物繊維量の多いペットフードは炭水化物だけで補っているわけではなく、じゃがいもなども使用しつつ、セルロースやビートパルプを使用して補っています。
ドライフードにとっての炭水化物
ドライフードを製造する際に、粒の形にするためにデンプンの再結晶化を利用しています。このため炭水化物といいますか、デンプンがゼロというドライフードは作れないという話を聞きました。
まとめ
- 犬猫は炭水化物の糖質を利用することができる
- 猫は人や犬ほどデンプンの消化吸収は得意ではない
- 適度に摂取することが大切
炭水化物は犬にとっては必要なエネルギー源であり、猫にとっては必ずしも不必要なものではないということがわかりました。もし気になる場合はキャットフード・ドッグフードの表示を確認し、エネルギー量や食物繊維量、原材料を見ると参考になりそうです。