ペットフードに使われる寒天とは。質感、安全性、効果、配合量などについて。

寒天とは

寒天はテングサやオゴノリといった紅藻類を煮出して抽出される多糖類で、主成分はアガロースとアガロペクチンという2つの構造をもっています。

植物性のゲル化剤として常温でも固まる性質をもち、他の増粘剤に比べて優れた熱耐性を発揮します。

ゼラチンのように動物由来ではなく植物由来であることから、ビーガン対応の食品や、アレルギー対策を求められる製品にも使いやすいというメリットがあります。わかりやすい使い方ではデザートの凝固剤や飲料の粘性調整などに使われていて、ヘルシーな食材として人気があります。

増粘剤というよりゲル化剤

寒天は増粘剤のように粘りを足すものではなく、液体を固体にするもので、ゼリー状のゲルに変化させるタイプです。このため食感などには違いがあり、寒天の方がゼリーやプリンのような固まり上になり、ぷるんとした質感になります。

一方増粘剤は粘りを足すものなので、固体にはならず、あくまで分厚い液体といった様相で、とろっとした質感になります。

項目 増粘剤 ゲル化剤
主な目的 とろみをつける 固める(ゼリー状にする)
物理変化 粘度の上昇(液体のまま) ゲル化(半固体になる)
使用例 スープ、グレービー、ピューレ状ペットフード ゼリー状ペットフード、寒天菓子
代表物質 グアーガム、キサンタンガム、CMCなど 寒天、ゼラチン、カラギーナン、ペクチンなど

ペットフードでの寒天の主な用途と目的

ペットフードに寒天が使われる理由は、増粘剤として原材料を一定の形状に保つということの他に、見た目や口当たりに特徴ある製品になることです。

また、寒天の作り方は原料となる天草やオゴノリをよく洗浄してから、煮出して溶け出した寒天成分の含まれた寒天液を布やフィルターなどで濾したものを冷やしてかためます。固まった寒天を野外に干して夜間の寒さで凍結、ひつの日光で溶解を繰り返して乾燥させて作ります。

このように完全に自然素材であることも添加物不使用を希望する飼い主、ご家族様から賛同を得られやすいポイントです。

ヨウ素含有量が少ないこともポイント

また、海藻から作られる製品でありながら、寒天の原料となる紅藻類はヨウ素を多く含んでおらず、更に寒天製造中にろ過や洗浄で除去されるため、極めて微量になります。

ヨウ素含有量は昆布5gで8~9mgとして、寒天は10gで0.18mg程度しかなく、非常に少ないと言えます。

低アレルギー食材

海藻由来の天然物のため、食物アレルゲンに該当しにくく、アレルギー体質であっても使いやすいというメリットがあります。

天然素材がゆえに配合量が多めになりがち

カラギーナンはより少量でゲル化することができますのに比べて、寒天は天然素材であるがゆえに多少個体差もありますし、ゲル化するまでに一定量が必要となります。

しかし天然素材だから多少の量は許容できるという飼い主・ご家族も多く、自然であることに付加価値を感じる方にも良いかと思います。

ただ寒天はやはりその質感がポイントですので、愛犬愛猫が好むかどうかで選ぶのがよいように思います。

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