目次
アミノ酸とは
アミノ酸とはタンパク質を構成する有機化合物です。20種類存在し、アミノ酸の結合の順番や形によって種類が変わってきます。
良質なたんぱく質とは
厚生労働省の資料で確認できるアミノ酸スコアについての一文を紹介します。
以下の通り、必須アミノ酸をバランスよくとることのできる、アミノ酸スコアが100に近いものを良質なたんぱく質としています。
たんぱく質のうち、必須アミノ酸をバランスよく含んでいるもの。またはその食品の呼び名。たんぱく質を構成するアミノ酸には、体内で合成することのできない必須アミノ酸と、体内で糖質や脂質から作り出すことのできる非必須アミノ酸があります。たんぱく質を多く含む食品の中でも、必須アミノ酸をバランスよく摂ることのできるものが良質なたんぱく質といわれます。
たんぱく質を構成するアミノ酸には、体内で合成することのできない必須アミノ酸と、体内で糖質や脂質から作り出すことのできる非必須アミノ酸があります。たんぱく質を多く含む食品の中でも、必須アミノ酸をバランスよく摂ることのできるものが良質なたんぱく質といわれます。
必須アミノ酸が、人間の身体にとって望ましい量に対してどれくらいの割合で含まれているかを示す指標として、アミノ酸スコアという数値があります。この値が高いほど良質なたんぱく質とされます。
動物性たんぱく質には、植物性たんぱく質に比べアミノ酸スコアの高いものが多く、たとえば卵はアミノ酸スコアが100で理想的な食品のひとつです。ただ、大豆などは、植物性たんぱく質の中でも良質なたんぱく質といえます。肉や魚は同時に脂質も多く含んでいるので、バランスよく摂ることが大切です。
アミノ酸スコアとは
アミノ酸スコアとは、食品毎に含まれる各アミノ酸のバランスから考えた利用効率を評価したスコアです。
必須アミノ酸を摂取するとき、ひとつだけ多く摂取しても意味がありません。
というのも、アミノ酸は全てのバランスが良くなければ、最も少ないアミノ酸に合わせてしか摂取することができません。
上の画像はアミノ酸の桶の理論と言われています。
左の桶がアミノ酸スコア100を表しています。
右の図はイソロイシンが60位まで低くなっているため、中の水も60までしか貯めることができない状態です。この状態がアミノ酸スコア60です。
中の水はたんぱく質を表しています。
このように、ひとつでもアミノ酸含有量が少ないと、それに合わせたアミノ酸しか生成することができません。
猫の場合はタウリンも必要
このため、全てのアミノ酸のバランスが取れるように摂取することが大切です。
猫の場合はタウリンも追加されますが、総合栄養食ではまずタウリンは別途添加すると思いますのでタウリンが問題になることはないかと思います。
第一制限アミノ酸
最も少ない必須アミノ酸のことを第一制限アミノ酸といいます。中でもリジン、メチオニンが第一制限アミノ酸になりやすいと言われています。
アミノ酸評点パターンとは
FAO/WHO 等は、食事のたんぱく質に含まれるべき不可欠アミノ酸の組成(mg/g たんぱく質)を、標準となるアミノ酸評点パターン(Requirement pattern)として公表している。このアミノ酸評点パターンと食品のたんぱく質中のアミノ酸量を比較することで、たんぱく質の栄養価を評価できる。
アミノ酸評点パターン1985年 | アミノ酸評点パターン2007年 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
15~17歳 | 1~2歳 | 3~10歳 | 11~14歳 | 15~17歳 | 18歳以上 | ||
mg/gN | mg/g たんぱく質 | ||||||
イソロイシン | 20 | 32 | 31 | 31 | 30 | 30 | 30 |
ロイシン | 39 | 66 | 63 | 61 | 60 | 60 | 59 |
リジン | 30 | 57 | 52 | 48 | 48 | 47 | 45 |
メチオニン+システイン | 15 | 28 | 26 | 24 | 23 | 23 | 22 |
フェニルアラニン+チロシン | 25 | 52 | 46 | 41 | 41 | 40 | 38 |
トレオニン | 15 | 31 | 27 | 25 | 25 | 24 | 23 |
トリプトファン | 4 | 8.5 | 7.4 | 6.6 | 6.5 | 6.3 | 6.0 |
バリン | 26 | 43 | 42 | 40 | 40 | 40 | 39 |
ヒスチジン | 10 | 20 | 18 | 16 | 16 | 16 | 15 |
参考:日本食品標準成分表 2015 年版(七訂)アミノ酸成分表編
アミノ酸スコアの計算式
アミノ酸スコアの計算式は以下を使用します。
第一制限アミノ酸含有量(mg)÷アミノ酸評定パターン該当アミノ酸含有量(mg)×100
食品毎のアミノ酸スコア
上記のように計算式がかわっても、アミノ酸評点パターンからひとつひとつ計算していくことは大変ですので、2015年度版ではありますが以下の参考リンクから確認することもできます。
参考:日本食品標準成分表 2015 年版(七訂)アミノ酸成分表編 教育図書
食品 | アミノ酸スコア |
---|---|
まあじ 皮つき 生 | 100 |
めかじき 生 | 100 |
しろさけ 生 | 100 |
さんま 皮つき 生 | 100 |
うし [和牛肉] もも 皮下脂肪なし 生 | 100 |
うし [輸入牛肉] リブロース 脂身つき 生 | 100 |
ぶた [中型種肉] ロース 皮下脂肪なし 生 | 100 |
にわとり [若鶏肉] むね 皮つき 生 | 100 |
こめ [水稲めし] 精白米 うるち米 | 93 |
とうもろこし コーングリッツ 黄色種 | 44 |
じゃがいも 塊茎 生 | 100 |
えんどう 全粒 青えんどう 乾 | 100 |
揚げパン | 60 |
カレーパン 皮及び具 | 78 |
犬猫の必須アミノ酸は
犬の必須アミノ酸は下記の10種類、猫はそれにタウリンを足した11種類と言われています。
- アルギニン
- イソロイシン
- スレオニン
- トリプトファン
- バリン
- ヒスチジン
- フェニルアラニン
- メチオニン
- ロイシン
- リジン
- タウリン(猫)
犬猫にとっては動物性たんぱく質が大切
犬猫にとって動物性たんぱく質が有益
動物性たんぱく質はそのほとんどがアミノ酸スコア100となっていて、犬猫にとって非常に有益な食べ物であることがわかります。
特に鶏卵は完全食と言われるほど栄養価が高く、ペットフード製造でも重宝されている食材です。
こうした表から見てもわかるように、犬や猫にとっては鶏肉などの肉類が主要な栄養源として重要であることがわかります。
もし肉類を避けるのであればペットフードでもよく使われるまぐろやサーモン(鮭)もいい選択肢と言えます。
植物性たんぱく質
精白米やじゃがいもは決してアミノ酸スコアも低いわけではなく、例えば人の食事ではプロテインの主要原料として大豆たんぱく質なども効果的に活用されています。
しかし肉食を主とする犬猫の場合は動物性たんぱく質の方が消化吸収率が高いとされており、植物性よりもより効率的に活用できますので鶏肉や豚肉、鶏卵などがおすすめです。