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ペットフードによく使われるビール酵母
キャットフードやドッグフードの原材料でビール酵母をよく見かけますが、なんで入っているのかとても疑問に思っていました。
ビールの酵母ですもんね?大丈夫かなと勘ぐってしまいます。
私も初めて知ったときは驚きましたので、工場スタッフに色々聞いてみましたよ。
ビール酵母はビールを作る際に使用される酵母で、種類によっても違いが出るため、酒造メーカーは酵母を大事に育てたり、工夫して独自のお酒を造り出しています。
名前にビールとつきますが、アルコールを含んだりしているわけではありません。
ビール酵母の名前の由来
日本語では、明治時代にビール製法が輸入されたときに、yeast の訳として発酵の源を意味する字が当てられたのが語源。微生物学の発展とともに、その意味するところが拡大していった。
ビール酵母はBrewer’s Yeastと呼ばれ、ビールを醸造した後の残渣を精製して作られます。
明治時代にビール製法が輸入されたときにyeastが酵母と訳され、Brewerはビールの醸造者のことを言いますので、ビールを製造する時に使う酵母としてビール酵母となったようです。
酵母と酵素の違い
酵素はタンパク質で、酵母は微生物で善玉菌です。
全く違うものなんですね!だから酒造メーカーは「大事に酵母を育てる」って言うんですね!
ビール酵母は必須アミノ酸の塊
必須アミノ酸の塊で、キャットフード・ドッグフードに限らず、多くの食品で便利に使うことができます。
ビール酵母にも種類がありますので違いはありますので、以下に参考商品の成分を紹介します。
※各社から販売されているビール酵母はそれぞれ成分に微妙な違いがありますので、あくまで一例です。
たんぱく質、脂質、炭水化物、糖質、食物繊維、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、イノシトール、コリン、カルシウム、鉄、カリウム、マグネシウム、リン、銅、亜鉛、マンガン、セレン、リジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、シスチン、チロシン、ヒスチジン、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリン、システインペプチド、RNA(核酸)、DNA(核酸)、プリン体
※参考商品の成分です
凄い豊富ですね!完全栄養食のようですね!
ビタミンB群
ビール酵母にはビタミンB群が豊富に含まれています。
ビタミンB群はビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチンがあり、上記の参考商品の場合、ビタミンB12以外が全て含まれています。
ビタミンB群は食物から得た糖やアミノ酸をエネルギーに変換するために必要な成分で、必須アミノ酸を摂取する場合にも必要なため、必須アミノ酸が複数含まれているビール酵母は最適な原材料といえます。
必須アミノ酸
猫の必須アミノ酸は11種類あります。この必須アミノ酸のほぼ全てが含まれています。
ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、アルギニン、タウリンです。
上記の参考商品の場合、タウリン以外が全て含まれています。
キャットフードの場合はだいたいタウリンは別に添加されていますよね!
RNA(核酸)、DNA(核酸)
上記製品にはRNAも配合されていますが、一般的にビール酵母にはRNA(核酸)が豊富に含まれています。
新しい細胞を作り出すために必要な成分であり、体内の合成量は年齢を重ねる度に落ちていってしまいます。
加齢を伴う合成力の低下を補う意味でも効果が期待できるんですね!
ビール酵母のデメリット
ビールと名前はついていますが、アルコールなどを含んでいるわけではありません。
ビール酵母には基本的にはデメリットがないといっていい原材料ですが、どの食品でも言えることですが、唯一はアレルギーが出る場合があるということでしょうか。
食物アレルギー
どの食品にも言えることですが、ビール酵母にアレルギーが出る場合があるようです。
ビール酵母はビールを醸造した後の残渣を精製して作られますので、大麦に食物アレルギーがある場合は注意が必要です。
犬猫は痛風にならない
ビール酵母にはプリン体が含まれています。高尿酸値の方は注意が必要なプリン体です。このプリン体は分解されると尿酸になりますので、犬猫でも摂取すれば体内で尿酸ができます。
しかし、犬猫は尿酸オキシダーゼという酵素を持っていて、尿酸を更にアラントインという物質に変えるために通風にはなりません。
まとめ
- ビール酵母は栄養豊富で優秀な原材料
- 必須アミノ酸の塊
- ビタミンB群が豊富
- 新しく細胞を作り出すのに必要なRNA(核酸)が豊富
ビール酵母が予想以上に使い勝手が良く、メリットが多い原材料であることがわかりました。色々なものを配合するよりも、ずっと簡単に調整もしやすく利用することができるんですね!