子猫の受け渡しに関する8週齢規制が始まる
2021年6月1日から生後8週間経たない犬猫の販売が禁止される法律が施行されました。
人の子どもと同じように、幼い早い段階から親元を離すべきではないということですね。
親が子猫に生き方を教えていきます。噛めば痛いということや、遊ぶときの加減、食べて安全なものなど、多くのことを母猫から学ぶはずなのですが、子猫は小さい、幼い方が売れるという傾向にあり、ペットショップも商売ですから、どうしてもこうしたことを考えてくれるショップは少なかったように思います。
幼い子の方が値段も高く、育ってくると売れ残りのように値段が下がっていきますもんね…
これまでは7週までは引き渡し禁止となっていたのですが、やはり子猫は1週間でもだいぶ見た目が変わってきますから、たった1週間、されど1週間ということなのかもしれません。
ペット業界と動物福祉のせめぎ合い
8週齢規制は改正動物愛護法で施行されました。
しかし業界は大反発。それはもちろん少しでも高値で、かつすぐに販売ができる子猫の時間を取られてしまうのですから、売上は落ち、かつ8週以前であれば売れていた子も8週以降では売れなくなったというケースも出てくるかもしれません。
こうなると所謂売れ残りという状態が出てしまい、ペットショップとしては大きなリスクを背負うこととなります。
しかしペットショップ大手のコジマが56日以降の引き渡しを推奨したことで、流れが一変。他社も追随する形で広まっていきました。
海外の感覚から考えてみる
私はヨーロッパを巡ったりもしましたから断然反対派でありますが、経営という観点からすればそれは大きなことであったというのは理解することができます。
イギリス、フランス、ベルギー、オランダではそもそも犬猫が箱に入れられて売られているというところを見たことがありませんでした。
当時現地の友人に聞いた話では売っているところもあるらしいのですが、私が訪れた範囲で見かけたペットショップではどこに行っても犬猫を見かけることはありませんでした。
ヨーロッパでは人の法律よりも動物の法律の方が早く出来たという位ですから、もう犬猫を「売る」ということ自体が大変奇妙なことに映るようです。
そのような地盤でも海外には大きなペットショップがたくさんあります。それが日本ではなかなか難しい理由が、日本は「日本語」を使用した島国であるため世界に比べると非常に販売網が小さいからであるというのもヨーロッパと比べることができない大きな点かと思います。
それでしか生きていけない人もいるということですね…
8週齢規制の抜け道
実はこの8週齢規制は申告制なので事実がわからないという点が上げられます。
誕生日を偽造するということですか?
つまりはそういうことになってしまいますね。
猫は子猫の時ほど成長が早いですが、個体差もありますので、1週間早めてもちょっと早く育った子かな?程度の認識で、全くわからないと思いますので正直なところいつでもできてしまうということはあるかもしれません。
しかし血統の場合は血統書が付きますので、誕生日が明確であり、不正を働くことはできません。
この点を考えればペットショップで販売されている猫はほとんどが血統ですのでこうした不正はそれほど多くはないのではと思いますが、抜け道というのは思わぬところからやってくるものですから、今後は第三者機関のチェックを入れるなどが言われているようです。
ただし、血統書の誕生日はブリーダーしか確認することができません。
ということは誕生日の日付は…そういうことなんですね。
実は規制前から一週間延びただけ
え?一週間延びただけだったんですか?
たった一週間、されど一週間。猫が社会化するためには1週間でも非常に大きな意味を持つと思います。この時期の猫は1週間でもかなり見た目が変わりますから、これによって今度どうなっていくか。更なる規制を行うことができるのか、果たして8週齢規制を受け入れたのだからこれ以上はないぞ!という姿勢なのか、今後に注目ですね。
まとめ
- 2021年6月1日に8週齢規制が施行
- これにより以前の規則から1週間伸びた
- 56日以下の猫を引き渡してはいけなくなった
- 子猫子犬の社会化が促進され、かみ癖などが少なくなる可能性
たった1週間、されど一週間。小さな猫にとって母と一緒にいれる1週間はとても大きいことであるかもしれません。