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猫はキノコを食べても大丈夫?
ただ猫にキノコをあげてみようと思い方は非常に少ないかと思いますが、毒キノコでなければ、猫もキノコを食べることに問題はないと言われています。
むしろキノコは出汁を取るのにも使えるようにグルタミン酸が豊富に含まれていますので、旨味が強いです。
この旨味を好む猫もいます。
ただし、キノコの全てが消化できるかという点から考えるとほとんど消化できないと思いますので、キノコを与える意味があるかというと大きくは与える意味はないのかもしれません。
ただしドライフードの原材料としてのキノコの情報蓄積が少ない
ではドライフードでの原材料としてはどうでしょうか。
ヨーロッパ最大といってもいいOEM工場にも確認をしてみたのですが、ドライフード工場においてキノコがほとんど使われていないので、キノコの情報の蓄積がされていません。
このため、私の知る限りの工場では取り扱いがなく、詳しくわかりませんでした。
情報の蓄積が少ないとすると、よく使われている原材料に比べるとなにかが起こる可能性というのは高いですか?
そう言ってしまうと根拠なく否定するようになってしまうので一概には言えません。現にそのまま食べても問題がないわけですから、私の回答としてはよくわからないというところです。
アガリクスは食べても大丈夫?
さて、キノコの中でも良くも悪くも注目されてきたのがアガリクスです。
悪くも…ですか?
アガリクスには様々な効果効能が言われていますが、前知識としては厚生労働省のアガリクス(カワリハラダタケ)を含む製品に関するQ&A(厚生労働省)が役立つかと思います。
発がん促進作用が見られた製法もある
悪くも。という点を簡単に紹介すると、当時平成18年当時、国内に広く流通していた製法の異なる代表的なアガリクス3製品のうちの1つ「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒(販売者:キリンウェルフーズ(株))」について、製品の摂取目安量の約5倍~10倍の量をラットに与えたところ、発がん推進作用が認められたことです。
発がん促進ですか!!
摂取目安量の5倍から10倍ですから一概にメーカーが悪かったというものではないのかもしれませんが、人への健康被害を未然に防ぐために製品名を公表して注意喚起が行われています。
実際に健康被害はあったんですか?
アガリクスを含む製品による健康被害が明らかになった事例はなかったようです。肝障害疑いの事例、肺炎、肝障害等の複数の疑い事例が学術誌に掲載されたようです。
でもアガリクスって「抗がん効果がある」とか言われていますよね…
免疫力アップも言われていたりします。しかしアガリクスは医薬品ではないので効果効能を標榜することはできません。
ただし3製品のうち、2製品では発がん促進などは見られませんでした。
こうしたことからアガリクス自体ではなく精製方法に問題があったのかもしれませんし、詳細はわかりません。
現在のアガリクスの信頼性は?
この情報はずいぶん古い情報ですが、アガリクスには注意しなければいけない点があることはわかりました。
では今はどうなんでしょうか。
食品安全基本法第8条や食品衛生法第3条により、食品関係事業者(製造業者、販売業者等)は、自ら販売する食品の安全性を確保する必要があることが規定されており、各事業者においては、自らの責任において、製品の安全性について確認していただく必要があります。
このように販売メーカーに委ねられています。
するとペットフードに使用されているアガリクスの場合、どうなのかはほぼわからないと言ってもいいんじゃないでしょうか…?
そのように捉えることはできるかと思います。
アガリクスを使用したキャットフード
これはなんといってもこれでしょう。最近三井松島ホールディングスに買収されたKMTのブリスミックスです。
KMTは本当にアガリクスに力を入れています。このブリスミックスはKMTのオリジナルブランドですし、その前にはドッグフードではありますが、なんといってもアーテミス アガリクス I/Sがあります。
商品名にアガリクスが入っているんですね。
こちらの商品は犬用ですが、アガリクスを販売イメージにして他社との差別化を図っています。
話がそれますがこの買収は本当に驚きました。最近はペットフード事業の買収で参入される会社が多いですが、まさか三井松島HDがKMTを買収するということは考えもしませんでしたし、KMTも売上高14億1700万円もありましたから買収される必要があったのか?という点にも驚きました。
これについてはまたお話しましょう。
まとめ
- 猫はきのこは食べられるがほとんど消化できない
- きのこは旨味が強いので味には影響を与えられる可能性
- あまりドライフードにキノコは使わないため使用メーカー以外に情報の蓄積がない
- アガリクスには発がん性など不明点がある
注目されることの多いアガリクス。しかしまだその実態はよくわかっておらず、メーカーの自主性に任せられている状態であることがわかりました。効果効能もよく耳にしますので、飼い主自身で判断するようにしましょう。