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ひとつのキャットフードで複数の猫全てに合わせたいという願い
最近私のもとに寄せられる相談からよく思うことがあります。それは「ひとつのキャットフードで複数の猫全てに合うことを望んでいる」ということです。
それは思ってるよりも難しいことなんですか?
何千、何億匹。猫がこの世界中にどれだけいるかはもうわからないほどですが、その全てに合わせるフードを作るというのはもちろん不可能です。
しかし、私の今までの相談からの統計…というほどではないですが、感想では、
- 飼い主にとってはひとつのフードで間に合わせたい
- 複数飼いしているけど同じフードを与えたい
など「ひとつのフード」にこだわる傾向にあり、「我が家の全ての猫が食べるフードがいいフード」「友達なども含め、多くの猫が食べるフードがいいフード」と結論づける人も多いこともわかっています。
こちらの記事も参考になると思いますので、是非一緒にご覧下さい。
ひとつのフードで複数の猫に合わせることが難しい理由
アレルギー
大きな原因のひとつにアレルギーがあります。
アレルギー要素は猫によって違う
基本的にアレルギーはタンパク質原因で発生します。ですがどんなキャットフードであっても何かしらの原材料が入っていますので、タンパク質を含まないキャットフードを作るのは不可能です。
このため全ての猫にとってアレルギーが出ないキャットフードは作ることができません。
健康に配慮した原材料の多いものほど可能性は高まる
原理的には使用している原材料が多ければ多いほど、猫が摂取する食物が多くなるのでアレルギーになる可能性があります。
とはいえ人間でもアレルギーが出やすいもの、症状が重篤になりやすいものは特定原材料として選ばれている通り、なんでもかんでもアレルギーになるわけではないのですが、それでも多く摂取すればあくまで可能性が高くなることはわかるかと思います。
原材料数が少なくシンプルなものほど可能性は低くなる
反対に数も少なくシンプルなレシピの原材料はアレルギーが発症する可能性は低くなります。
どちらが猫の健康にいいキャットフードか
ではどちらが猫の健康にいいキャットフードでしょうか。
豊富な原材料を使用しているキャットフードでしょうか…?
例えば豊富な食材を使用し健康に気を使ったけど”アレルギーが出る”プレミアムフードと、アレルギーの出ない安価なフードであれば、その猫にとっては安価なフードの方がいいフードということになります。
しかし一般的には豊富な食材を使用し、多くのものから栄養素を摂取することがいいとされています。
このように猫のことを考えているフードであっても必ずしも全ての猫にとっていい食事とは限りません。
好き嫌い
これはよく言われているように、単に好き嫌いがあります。これは思っているよりも重要な問題です。
人間の場合は無理にでも食べさせたり、いずれ克服することがありますが、猫の場合は嫌われたら食べさせるのはなかなか難しいです。
さすがに1歳と10歳ほどに年齢が違えば食の好みは変わりますので、時間をかければ食べなかったものを食べるようになることはありますが、先月嫌いだったものを今月、来月に好きになるようなことはなかなかありません。
ロニーキャットフードでも研究の結果、猫が好むように作っていますが、それでも全ての猫が必ず好むというものではありません。
年齢
猫の食を左右するのもののひとつに年齢があります。
人間も年齢を重ねてくると油や重たいものを避けるようになったりしますが、同じように猫も年齢によって好むものに変化があります。
1歳の猫と15歳の猫が同じものを同じように食べるのは難しいことです。
それでもこのあたりは随分と改善され、全年齢対応フードは全年齢に好まれやすいような嗜好性やバランスにされています。
猫は安心した環境下では新しいものに興味を示す
猫は警戒心が強いので同じものを食べたがると考えられていて、それはあっているのですが、飼い猫のように安心した環境下では新しいものに興味を示すということがわかっています。
つまり、「猫を可愛がれば可愛がるほど、新しいものに興味を示す環境が作られていき、新しいものを食べたいがために今のフードを食べなくなる」
そんなループができていることを考えてみたことはありますか?以下の記事も是非参考にしてみて下さい。
これは好き嫌いではなく、飽きたから食べなければ他のをもらえるという猫の策略と考えてもいいかもしれませんね(笑)
抗がん治療
これは今までとは話が違いますが、抗がん治療をすると味覚、嗅覚が変わり、食べるものが変わります。
まとめ
- ひとつのキャットフードで複数の猫に合うものはない
- アレルギーの要因は猫それぞれ
- 好き嫌い
- 年齢による嗜好の違い
- 猫は安心した環境下では新しいものに興味を示す
複数匹猫を飼育している場合は、ひとつのキャットフードで全猫に与えたいという飼い主さんが多いですが、実際にはとても難しい問題であることがわかりました。
猫それぞれに理想的なキャットフードを探してあげるか、できる限りシンプルなものでひとつで済ませられるように探してみるかということになりそうですね!