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猫の社会化について
社会化とは子犬・子猫が人、他の動物、様々な環境(音、場所、物など)に慣れ、適応能力を身につける学習期間のことです。
社会化期は警戒心が少なく、好奇心旺盛なため、この間に様々な経験、刺激を受けさせることでその後の行動に変化が起こります。問題行動を減らすこともできるといいます。
猫の社会化期
猫は3週齢から9週齢と言われています。
3週というとまだまだ小さいですが、母猫もいつまでも見ていられませんのでゆっくりと教え始める時期になるでしょうか。
例えば多くの人に触られた方が社交的な猫になるとも報告されていて、社会化期の重要性がわかります。
また、社会化期を過ぎると子猫らしい好奇心が抑えられ、警戒心、恐怖心が芽生えて自衛本能が上昇してきます。
猫のドライフード切り替え時期
猫のドライフード開始時期も3~4週位から、離乳食からの切り替えを始め、8週位で切り替え完了といったイメージです。
このため、猫の社会化期とドライフードへの切り替え期はほぼ同じであるということが言えます。
社会化期を過ぎると好奇心が抑えられ、警戒心、恐怖心が高まってくるということからも、社会化期を過ぎて以降は新しい食べものを受け付けにくくなる可能性もありますので、この時期に切り替えを行っていくというのは理にかなっているように思います。
ただし子猫になんでも与えていいわけではない
社会化期を過ぎると新しいものを食べなくなるかもしれないからといって、なんでも与えていいわけではありません。
子猫はまだ免疫力が高くない状態のため、食物アレルギーなども考慮すると、様々な食事を与えるよりは、問題がなかったことを確認しているフードでしっかりと切り替えを行い、体が成熟してきてからチャレンジした方が良い場合もあるかと思います。
社会化期に必要なこと
- 触られても嫌がられないようにする
- 家族以外の人に慣らす
- さまざまな刺激に慣らす
- キャリバッグに慣らす
- ドライフードなど主要フードへの切り替え
動物病院が嫌なものにならないように慣らすということもありますが、これは病院の環境にもよるため、子猫向けの社会化プログラムなどを開催している病院に連れていってみるのも良い方法かもしれません。
ねこ医学界が企画したこねこフレンドリープログラム
犬用のプログラムは比較的多くありますが、猫用はそれっぽいものを聞いたことがありませんでした。
しかしねこ医学界がこねこフレンドリープログラムとして「動物病院に連れていける猫を育てる」ための社会化プログラムです。
しかも2~6ヵ月の子猫を対象として毎月一回来院し、診察はせずに診察内を歩いたり、おやつを食べたりすることで動物病院が楽しい場所だと思える経験を重ねるというものです。
理にかなっていると思いますが、動物病院が限りある診療時間の中でこうした取り組みを行うというのは大変なことだと思います。
これらを行っているキャットフレンドリークリニックは2025年4月時点で181病院もあるそうです。
生後56日(8週齢)まで販売や展示禁止
現在は生後56日(8週齢)までは犬猫の販売・展示が禁止されています。
そうなると最短で引き渡しを受けたとしてもすでに社会化期が終わる頃ということになります。
このため、キャッテリーやペットショップでの取り組みによっても猫の社会化具合は大きく変わってきます。
もし56日経過後すぐにお迎えした場合は、すぐに社会化に取り組めば違いが出てくるでしょう。
刺激に慣れさせることは社会化期に関係なくできますので、取り組めることに取り組むということもできます。
猫の社会化期とその後の食事は関係がある
親猫について社会化する子猫の時期はその後の食事を決めるうえでも大切な期間です。
色々なことを試してみることができる時期でもありますが、嫌な思いをさせてしまえばずっと覚えてしまう時期でもあります。
愛する猫の様子をしっかりと見ながら、その後愛猫が生きやすいようにうまく導いてあげられるといいですね。