目次
発売されているドライフード
多くのドライフードが発売されていて購入時にどれを買っていいのか悩むと思います。ここでは見方を紹介して、選ぶ基準を作れたらと思います。ドライフードはいくつかに分けることができますが、猫の年齢や状態、種類に合わせて作られている固体別のドライフード、テーマを決めて原材料を選んでいる原材料別ドライフード、猫の味の好みを考えた原材料に工夫が見られる味別のドライフードがあります。
- 固体別ドライフード(年齢や猫種など)
- 原材料別ドライフード(テーマ)
- 味別ドライフード(鶏肉や魚など)
これらは相互に関わりあっていますが、それぞれ紹介してみます。
うちでは今11歳未満へ与える年齢別キャットフードをあげています。でも味は余り好きじゃないみたい。
ドライフードを選ぶ時、大体の家庭では毎回同じキャットフードを買ってきていると思います。年齢ごとに変えても、メーカー自体は何年も変えていないという家庭も少なくないのではないでしょうか。
そうですね!メーカーを変えたのは1歳になる頃に変えた位でその後はよく食べるものを見つけてからはずっと一緒です!でも最近は余り好んで食べているようには見えないかも・・・
人間も猫も同じです。毎日同じものばかりを食べていては例え健康に配慮していたとしても、飽きてしまいますね。そして年齢によって好みも変わってきます。どんないいキャットフードでも食べなければ意味がなく、体力がなくなり、体調を崩してしまいます。一番はきちんと食べることを重要視してください。
やはり食べなくなったりしたら、そのまま同じものをあげ続けないで他の選択肢も考えてみた方がいいんですね。
猫のことなので、”ただ食べない気分だった”だけのこともありますし、闇雲に変える必要はありませんが、愛猫が喜んで食べるものをその時々で見つけてあげることは大切ですね。
個体別フードの種類
ではまずは固体別ドライフードを見ていきましょう。
ロイヤルカナンやサイエンスダイエットは沢山の種類があるイメージがあります。
その辺りのメーカーが日本でとても売れている理由のひとつですね。獣医師の視点からもおすすめされています。種類として大きくみてみると、
- キトン(幼猫用)
- 成猫用(1歳~)
- 老猫用(7歳や10歳~)
- 毛玉排出サポート用
- 家猫用
- 肥満猫用
- 猫の種類別
- 食事療法食
- 栄養補完食
ざっとですがこんな種類があります。メーカーによっては以下のようなドライフードもあり、細分化されていたりしますね。
- 皮膚被毛維持用
- 歯垢・歯石対策用
- 尿対策用
これだけあると選ぶのにも悩んでしまうんじゃないでしょうか。
愛猫に適したフードが2つ以上ある場合の選び方
この時点でどれを買えばいいのか悩みます。肥満気味だけど長毛種だし年齢も気になる。その場合は肥満用なのか、毛玉排出サポート用なのか、年齢に合わせたものなのか・・・
これは本当によくある質問です。まずは栄養の観点からですが、肥満用や毛玉排出サポート用が「総合栄養食」であるかを確認してください。総合栄養食であれば、それだけ与えても猫が1日に必要な栄養バランスは保てる配合になっています。大体のドライフードは食事療法食や栄養補完食のように特別なタイプでなければ総合栄養食になっていますよ。
その上で、年齢別に肥満用、毛玉排出用があると思いますが、もし年齢別でなかった場合は猫の年齢や状態を考えて選びます。
例えば歳をとって代謝も悪く、ほとんど運動もしない長毛種の猫に、カロリーが高めの毛玉排出サポートを与えては太ってしまったり栄養過多になってしまいますね。
年齢や状態でも変わってくるんですね。
猫の状態と毛玉の場合は時期も大きく左右します。肥満対策はワンシーズンでどうにかなるものではなく、長い時間がかかりますが、毛玉排出は長毛種であっても暑い時期や夏だけ使用しても十分効果が得られます。
明らかに毛が抜けてきて、触るだけで抜け毛がとれるような時期には毛玉排出サポートにし、それ以外の時期では肥満用を与えるのがいいでしょう。
しかし肥満対策を今すぐに行わなければ健康被害が出るというような場合には肥満用を与え、猫草など他のもので毛玉排出をサポートをしてもいいと思います。ただしキャットフードを短期間でコロコロ代えてしまうことは避けてください。
室内飼い用と年齢別で悩んだ場合の選び方
日本の猫は多くの方が室内飼いだと思います。なのに室内飼い用と年齢別に分けられているとどっちを買えばいいか悩みます。
室内飼い用は大体が「糞便の量、匂い軽減」「運動不足に陥りやすい室内飼育の猫のカロリー制限」辺りが目的です。これらは人と猫が同居する上でお互いが快適に過ごせるような機能を持たせているといえます。
室内飼い用は便臭の軽減のあたりを考えると、どちらかというと人間の都合に合わせたキャットフードともとれますね。
確かにそのようにも捉えられるかもしれません。猫にとって大事な栄養素のほとんどはたんぱく質から摂取しています。猫は人間や犬と違い、内臓が肉から多くの栄養を摂取できる仕組みになっています。このように肉食なので便がある程度匂うのは当たり前のことです。
それを抑えるためにはより草食的な食事のように穀物であったり、食物繊維を増やす必要があります。
こうした食事が猫に合っているとは言いがたいですが、同居している飼い主もより快適に過ごせることが、結果的にお互いに穏やかに過ごすことができたり、愛猫へ優しく接することができるきっかけになったりします。
飼い主にも色々な事情、性格の方がいらっしゃいますので、その選択肢に合わせたフードも必要ではあるかと思います。
上記にような悩みがなければ、年齢用からお選びいただく方が選びやすく、簡単であるかと思います。
キトンは栄養が豊富なので、成猫に与えると肥満を招く
キトンという幼猫用、主に1歳未満に与えるキャットフードがあります。これは猫は1年で一気に成長するため、成猫に比べてもかなりの栄養素を必要とします。それに見合うような配合を行っているのがキトンです。加えて幼猫は成猫に比べても食べられる量が少ないため、少ない量でも効率よくエネルギーが摂取できるように高カロリーに設定されています。
そのため、成長した成猫に与えると栄養過多で肥満を招くことがあります。
成猫の方が体も大きくて筋肉もあるのに、幼猫の方がエネルギーを使うんですね!
キトンはたんぱく質に加え、早くエネルギーになりやすい脂質も多めに含んでいる傾向にあります。グルーミングも余りせず、体の大きさから考えても毛が大量に抜けることも少ないので食物繊維は少なめになっているはずです。
比較して成猫用は豊富な栄養素を全体的に含む配合になっています。
1年きっかりで成猫用に変えてしまってもいいんですか?
その辺りは個々によって違いますが、メインクーンに代表される大型猫は3年で成猫になると言われています。この間はまだ成長期なので様子を見ながらキトンにするか成猫用にするかを考慮していけばいいかと思います。愛猫が成長期にいるかは体重、体格、身長などから判断できると思いますので、心配であれば3ヶ月から半年ほど様子をみながら変えていっても問題はないと思います。
原材料(テーマ)別のドライフード
最近よく耳にするグレインフリーですが、こうしたキャットフードのように目的があってそれに合わせた原材料を使用しているキャットフードがありますよね。
グレインフリーを始め、オーガニック、低アレルゲン、肉も魚も卵も食べないヴィーガン、やや定義が曖昧ですがプレミアムキャットフードと言われているものもありますね。もちろんこれらは愛猫が求めているもの、愛猫の状態にマッチしたものを選ぶことが正しい選び方ですが、どれも療法食ではありませんので、飼い主が見定めて選ぶ必要があります。
その中でも最近はグレインフリーキャットフードが注目されていますね。
グレインフリーキャットフードについて
グレインフリーというと穀物不使用ですよね。穀物が入っていないこと以外にメリットはありますか?
猫が消化できない、また血糖値上昇を招きやすい穀物が含まれていないことが大きなメリットのひとつですが、もちろん他にもメリットがあります。肉や魚を豊富に含み、本来の猫の食事に近い、高たんぱくにできていること。消化吸収率が高く余計な量を与えることがないので胃腸の健康を保ちやすいことがあります。
他にも動物性食品に含まれるミネラル、例えば鉄の場合はヘム鉄でそのまま活用できる還元型であり、植物性食品の鉄は非ヘム鉄で変換をしないと活用することができません。このように肉食の猫にとっては動物性食品から栄養を摂取することがより効果的であると考えられます。
グレインフリーのデメリットはありますか?
基本的にデメリットと言える部分はないように思いますが、消化吸収率が高いため、与える量が少なくなりがちです。そのため、今まで沢山もらっていた猫がご飯が足りないと文句をいうことでしょう(笑)そしてこれが意外と切実な問題であり、結局他のものを与えてしまうと肥満を招く原因にもなります。
そして食物繊維が3%程度のものが多くなってくると思います。従来の穀物入りの場合は6~10%程度のものも多いですので、食物繊維が少なくなったことにより、自力で便を固めることが出来ない場合は最初のうちは軟便になる場合があります。
もう一点は価格があがることです。材料の多くを肉や魚で作られている分、原材料費がかかることがあげられます。イギリス、フランス、ベルギーなど複数のペットフード製造工場と話していますが、雑食である犬のドッグフードよりもキャットフードの方が肉類が豊富なレシピが多く、キャットフードの方が若干原価が高いものが多いようです。
猫がどうしても足りない時はどう対処していますか?
まずはキャットフードの変更の仕方が重要です。いきなり全て変えずに今まであげていたものを少し減らし、そこに混ぜてあげてください。この分量を少しずつグレインフリーだけにする方向で変更していってください。それでも少ないという場合にはドライフードだけにせず、適度に缶詰やおやつで対応してもいいでしょう。
お腹が減ったようだからとドライフードを1日の必要分を超えて何回も与えるのはやめましょう。また、違うキャットフードを混ぜる期間を長くするのはおすすめできません。各社1日の量、栄養素を考えた配合になっていますので、混ぜる期間が長いと栄養が偏る可能性が出てきますので注意が必要です。グレインフリーのドライフードを選ぶ際の注意点は以前の話を参考にしてください。
味別ドライフード。どんな味がありますか?
チキン、サーモン辺りが人気ですね。原材料は鶏や七面鳥、サーモン、マスなどです。他にもウサギの肉や牛肉がメインのキャットフードもあります。
日本の猫は魚を食べるイメージがありますよね!
それは日本は島国なので食卓に魚が並ぶことも多く、非常に身近な食材だったからです。イタリアではパスタをよく食べるといいますし、アメリカやオーストラリアではピザを良く食べて、チーズが好きだといいます。その国々の食文化によって猫にとって身近な食べ物をよく食べる傾向にありますね。しかし面白い実験として、日本の猫に魚と肉を並べると肉のほうを食べるという結果も出ていたりしますよ。
ウサギの肉や牛肉もよく食べるんでしょうか?
ウサギの肉はEU県内では普通にスーパーで売っていたりしていますし、非常に身近な食品で猫も食べますが、どれにしても好みはわかれると思います。猫は匂いで食べるとも言われるほど匂いは重要であり、その子の好みでしか決められないため、色々あげてみるのがおすすめです。
私の愛猫は圧倒的に魚が好きで、肉は余り食べなかったのですが、あるときコロリと肉食派になったという経験もあります。エリザベスよりロニーの方が好んでいます。
どれがいいということはありませんので、長年一緒にいる中でそれぞれ試してあげてみてもいいと思います。ただし、決めた後に食べないからとコロコロ変えるのはNG。猫は頭がいいので、食べなければ違うものが出てくると覚えてしまいますので注意してくださいね。
まとめ
- 適しているドライフードが多くて迷った時は改善したい症状を優先して
- 室内飼い用のドライフードは余りおすすめできない
- キトンは成猫にあげると肥満を招く
- グレインフリーにはメリットデメリットがある
- 好きな味は時間をかけて探してあげて
これでドライフードを買う時に悩むことが少なくなりました!愛猫が一番喜んでくれるキャットフードを探し当てたいと思います。