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歯周病について
歯周病は全身に関係する病気
口内、歯はとても重要で大切なものであるにも関わらず、非常に注目度の低い部位です。猫の歯周病は全身、また命にも関わる非常に危険な病気ですので、普段からのケアが非常に大切になります。
実は歯周病は猫に最も多く見られる生活習慣病です。歯周病という言葉が身近なので余り大変な病気だという認識がない人が多いようです。
歯周病は歯肉炎の間はまだ治すことができますが、歯周炎になると元に戻すことはできません。歯周炎が重度になると顎が折れ、歯に沿って溶けてなくなってしまいます。つまり顎が壊れてしまった状態になってしまいます。
顎が壊れるなんて、フードも食べられないですよね?
フードを全く食べないことで、飼い主は体調が悪いと思って連れてくる人がいますが、実際は歯周炎で顎が折れていて痛がって食べていないことも多いということです。
歯周病の進行と口臭は比例していて、歯周炎まで進むと酷い口臭で近くにはいられないほどの匂いがするということですので、飼い主は必ず口臭をチェックするようにしましょう。
口内トラブルの猫の割合
動物保険のアニコムによると0歳から12歳の猫の保険請求割合のうち2.5%が歯・口腔疾患となっています。
請求年齢は0歳(約1.3%)から始まり、11歳(約4.8%)が最も多くなっています。
歯肉炎とは
歯と歯茎の間に入り込み、溜った歯垢の中の病原菌によって歯肉炎が引き起こされます。
歯の根元が赤くなることから目で見てわかるようになります。歯肉のみの炎症で予防歯科処置で元の状態に戻すことができます。
歯周炎とは
歯と歯茎の間に歯周ポケットができ、その部分に膿が溜ります。進行すると口臭が酷くなり、出血などが起こります。
更に進行すると歯槽骨が破壊され、組織が腐っていき、歯槽膿漏になります。
更に進行すると歯が抜け、最終的には顎の骨まで折れてしまいます。
歯周病がどれ周病は歯ブラシのCMなんかでもよく耳にするので、身近でなんとなく大きな病気ではない気がしていましたし、すぐに治るものだと思っていました。
そして犬猫が歯周病にかかるというイメージがわきませんでした。
固いものを咬ませてはいけない
ケージ、固いボール、プラスチック製のロープのようなものなど、猫の場合は特にネズミのおもちゃ、紐についたボールなど固いもので猫に咬ませたり遊ばせたりすることは一般的に見られることですが、これらの固いおもちゃが原因で歯が壊れていることは少なくないということです。
「固過ぎるものは咬ませてはいけない」という認識を持っていない飼い主が多いように思います。
またやってしまいがちなのは、紐付きおもちゃで噛んでいる時に急にひもをひっぱることも避けてください。
一般に購入できるものなのに駄目なものがそんなに多いんですか?
デンタルケア用品であってもよくないと考えられるアイテムは多く、飼い主がしっかりと判断する必要があります。
先が固すぎるブラシなどもよくありません。デンタルガムなども固すぎるものはNG。
またアルコール入りのデンタルスプレーなどが売られていますがこれも駄目ということでしたので注意してください。
ブラッシングの重要な考え方と取り組み方
人間と同じようにブラッシングは食べ物を食べた後にしなければいけないと考えている人が多いようです。
しかし動物のブラッシングでは歯に付いた歯垢を落とすためなので、「1本磨いたらご褒美を与える」という具合に食べながらでもかまいません。これを毎食繰り返して何回かで全部の歯を磨きます。
決して一回で全部の歯を磨く必要はありませんし、一回で磨くのは非常に難しいと思います。
嫌がる子にはどうしたらいいですか?
ブラッシングを嫌がらないようにブラッシングの先に好物をつけて歯ブラシに慣れさせます。
最初から磨かずにブラシを歯に当てるだけからスタートします。
もし嫌がったらおやつを中止するだけで、怒ってはいけません。
正直なところ猫の場合は犬のようにはいきませんが、甘い物など猫が好むもので、食べてる間に磨かれているような状態を作れるようにチャレンジしてください。
まとめ
- 歯周病は顎を壊す病気
- 歯周病は体全体、命にも関わる
- 歯周病は口臭を伴う
- 歯肉炎なら元に戻せるが歯周炎は戻せない
- 毎日のブラッシングが大切
- 固いおもちゃやブラシは使用してはいけない
歯周病の怖さや、当たり前に思っていたおもちゃが駄目だったりと始めて聞く話が多くて、これから気をつけようと思いました。