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肉食動物と高タンパク質
猫が動物食性動物、肉食動物であることから、タンパク質が大切であることは今までも解説をしてきました。
そこで高タンパク質が猫にとってどれだけ良いことをもたらすかをまとめてみたいと思います。
宜しくお願いします!
まずは動物食性動物としてのタンパク質です。
猫は人間やその他の動物ができない、「タンパク質からエネルギーを作り出す」ことができます。
反対に糖質の分解が苦手で、人間などがエネルギーとして必要とする炭水化物を多くは必要としません。
このため猫にとっては高タンパク質で低炭水化物な食事が良いとされています。
糖尿病と高タンパク質
猫の糖尿病では食事療法による効果が出る可能性が高いとされています。
そのために高タンパク質、低炭水化物(低糖)、高繊維食にすることで少しずつ改善され、インスリンを打たなくて済む確率が高くなります。
心臓病と高タンパク質
猫の心臓病で多いもので肥大型心筋症があります。
心臓病は基本的に完治せず、病気が進行しないように考えるため、食事はとても大切です。そんな食事療法の基本は低ナトリウム、高タンパク質。心臓が肥大し、十分な血液を送ることができなくなるので、心拍数をあげて心臓を動かします。
心臓を含む筋力の低下を最小限にするため、十分なカロリーとタンパク質を摂取します。
肝疾患と高タンパク質
肝炎、肝リピドーシスの肝臓回復期の原則としては高エネルギー、高タンパク質、低脂肪が原則です。ただしタンパク質を含むと症状が出るため、急性肝炎急性期や栄養療法の開始期には肝性脳症を起こさないように低タンパク質とします。
タンパク質を含むと症状が出ても、タンパク質がないと治らないため、状況をみて判断します。タンパク質のコントロールがとても大切な部位です。
タンパク質維持
癌とタンパク質
癌細胞が最も好む栄養素が炭水化物です。癌の餌となってしまう為、低炭水化物質食を選びます。
タンパク質はがん細胞が好む栄養素ですが、タンパク質を減らすと患者が消耗し、免疫、消化管、創傷治癒などの機能の低下をもたらします。
このため、癌細胞と患者とでタンパク質を体内で取り合うことになりますが、一定の量が必要です。
糖質は癌細胞が最も苦手な栄養素です。もし脂肪からだけでエネルギーをとることができれば、理論的には癌細胞を兵糧攻めすることができると考えられています。
こうしたことから低炭水化物、普通のタンパク質、高脂質(ω3脂肪酸)の食事が良いと言われています。
タンパク質制限
腎臓病とタンパク質
タンパク尿があればタンパク制限を行います。このため、軽症のステージ1やステージ2であってもタンパク尿次第ではタンパク質制限を行います。
本当はタンパク質を少しでもとってほしいため、ステージ2でタンパク尿が出ていなければタンパク制限はしないという流れとなってきています。
猫とタンパク質のまとめ
猫にとっては健康な状態のみならず、病気であってもほとんどの状態でタンパク質が非常に重要になることがわかったかと思います。タンパク質は髪の毛から内臓、筋肉など体を作る非常に重要な栄養素として常に必要な栄養素です。
病気で制限する場合でも可能な限りタンパク質はとってほしい
病気の場合には体重を減らさないためにも、筋力を衰えさせないためにも利用されます。
癌や腎臓病の場合でも、できる限りタンパク質はほしいというのが基本的な考え。しかしその他の状況を考えてコントロールをしています。
栄養効率の高いタンパク質が大切
このように猫にとってタンパク質はとても大切な栄養素であり、高タンパク質、特に少量であってもタンパク質をしっかり摂取できる栄養効率の高いタンパク質を摂取することが猫にとって大切になります。
まとめ
- 猫にとってタンパク質は最重要な栄養素のひとつ
- 療法食としてもほとんどが高タンパク質を必要とする
- タンパク制限をする場合においても、基本的にはタンパク質をできる限り摂取したい
健康なときだけでなく、病気の場合でもほとんどのケースで高タンパク質が必要であることがわかりました。少量でも効率よく摂取できる消化吸収率の高いタンパク質を使ったキャットフードがおすすめです。