猫の鼻の機能
猫の鼻は基本的には人間と同じ機能を持っています。
呼吸器として空気の温度、湿度を調整し、ウイルスやゴミが体内に入らないようにするフィルターのような機能があります。
また匂いを判断する器官として判断、識別します。
猫は鼻で温度を感知する
人間とは少し違う点として、猫の鼻には温度を察知する機能があります。0.5度の違いも区別できるとされ、口に含む前に鼻で温度を察知し、判断しています。
猫舌の真実
よく熱いものが苦手なことを猫舌といいますが、猫は食べる前に鼻で温度を判断しているため、熱ければ食べません。このため猫に猫舌は当てはまりません。
猫は食べ物かを嗅覚で判断する
猫は好き嫌いは味覚で判断しますが、その前段階の食べ物かどうかを嗅覚で判断しています。このため匂いの強いものを好む傾向にあります。
猫は食べ物だけでなく、なわばりや相手、人物、持ち物など多くのものを匂いから判断していて、この情報から次の行動を判断しています。
生まれたばかりの子猫は目が見えなくても匂いで巣に戻れるとされ、猫にとって匂いがどれだけ大切かがわかります。
嗅覚
匂いを感じる嗅受容器は鼻の奥の突き当たり、嗅上皮にあります。この嗅上皮を覆う粘膜に溶け込んだ物質のみを反応し、匂いを判断します。
この嗅上皮の面積は人の5~10倍あり、40~50万種類の匂いを認識、判別するほど敏感です。
40~50万種類も匂いがあるんですね…
猫は人の5~10倍ですが、犬は40倍ともいわれています。警察犬が匂いで判断できるのは優れた嗅上皮を持っているからです。
鋤鼻器
鋤鼻器はヤコブソン器官ともいい、鼻とは違い、上顎の門歯の後ろ(口内上部)にあります。このため嗅上皮とは違った神経路で嗅覚皮質に届けています。
よく猫が変な匂いを嗅いだ時に口を開けてホワーっとした顔をするフレーメン反応を示しますが、この時が鋤鼻器への導管を開いて感知している状態です。
アホみたいな顔していて可愛いですよね!笑
フレーメン反応は猫でよく見るかもしれませんが、ほとんどの動物で共通のしぐさです。
猫にとって生死を分ける嗅覚
このように猫にとって判断の材料となる匂いを判別する嗅覚は生死をわける重要な器官です。
もし嗅覚を失ったら生きていけないかもしれませんね。
視力、聴力を失っても危険はあっても生きていけるかもしれません。味覚がなければ食べてくれるかはわかりませんが、まだなんとかなる可能性はあります。
しかし嗅覚を失うとなわばりや食べ物、人など全ての判断がきかなくなり、最も重要な器官のひとつとも言えるかもしれませんね。
まとめ
- 嗅覚は様々なものを判断する情報源
- 鼻で0.5度差位まで温度を判断できる
- 嗅覚で食べられるものかを判断している
- 猫は嗅覚と鋤鼻器で匂いを判断する
- 嗅覚は人の5~10倍
嗅覚は猫にとって生きる上で最も大切な器官といえる感覚であることがわかりました。鼻で温度を判断できるというのも驚きです。反面、猫舌が猫には当てはまらないということも驚きました。
フレーメン反応の理由もわかって嗅覚について理解が深まった気がします。