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猫の健康なうんちとは
特定のキャットフードを与えていると、乾燥したコロコロで余り匂いのないうんちが出ることが多いと思います。実際の健康なうんちは艶があって適度にうんちの匂いがあり、少し長さのある一本うんちです。
だからといってベタベタして猫砂だらけになってしまう感じではなく、猫砂が付くか付かないか位の固さがちょうどいいと言われています。
この点を勘違いして、キャットフードを変えたら便が緩くなったと思っている飼い主の方が非常に多いです。
私も完全に勘違いしていました…うちの子はずっと乾燥したコロコロうんちです。
人間がコロコロの乾燥した匂いのないうんちだったらかなり驚くはずです。水分不足かなにかを疑うでしょう。
匂いの少ないコロコロうんちの原因
匂いの少ないコロコロうんちの原因のひとつは、うんちが猫の体内に長く留まっているからです。
ただ更に留まり過ぎると下痢になる場合もあります。
水分不足
水分不足でうんちが固くなり、腸内に留まる時間が長くなるので栄養を過剰に摂取し、乾燥し、匂いがなくなり、コロコロとしたうんちになります。
更に善玉菌より悪玉菌が優位となったり、便秘が促進されます。
腸の機能低下
多量の食物繊維に頼り続けた(自然とそうなった)猫は猫本来の腸の機能が低下し、蠕動運動が減り、便秘気味になることがペット栄養学会などでも言われています。
年齢によるものばかりではなく、本来備えている機能も生活習慣によって退化していきます。
これは特別なことではなく人間でも同じで、若い人でも走らなければ足の筋肉が衰えていくのと同じことです。
年齢による腸の機能低下
人と同じく猫も年齢によって内臓の機能低下を起こします。
食物繊維は量が大切
適度な食物繊維は腸内を綺麗にし、腸内細菌の住処となります。さらに蠕動運動を促進することで便秘を解消します。
これが長毛種など毛が体内に溜りやすい種類には有効です。
しかし食物繊維も量が多いと消化管通過速度が速まることで下痢になる場合があります。
これは通過速度が上がることで腸が栄養分をしっかりと吸収する前に通過してしまうためです。
これが更に食物繊維が多すぎると便の容積が増し、便秘になります。
グレインフリーにすると便がゆるくなる?
- グレインフリーに変えたらうんちが柔らかくなった
- 匂いが臭くなった
この相談はグレインフリーに変更した後によく聞かれる相談です。
穀物など食物繊維が豊富なキャットフードからグレインフリーにすると、だいたい少しうんちが柔らかくなって匂いが出るようになります。
うちでも最初そうでした。マッサンもそうだったと言っていましたよね。
このうんちが本来の適度な水分があり艶のあるうんち。もしくはそれよりも少し柔らかいものなはずです。
少し柔らかいうんちは日を追うごとになくなり、ベタつきがあまりない、艶のある健康的なうんちになっていくと思います。
先日、「今の猫は屋内でペットフードだけで育てられるので本来の猫のように腸が強くなっていない」というある教授の話を聞きました。
このため野生の猫を目指すような肉類が豊富なものにして食物繊維を減らせば一時的に便はゆるくなるが、継続していれば腸がしっかり動き出し、艶のある理想的なうんちになっていく可能性があるいうことです。
個体差はありますし、環境の違いもあります。もちろん食事だけ変えても腸の能力は何も変わらない場合もありますので一概には言えませんが、ご参考いただけましたらと思います。
健康なうんちを目指す
猫の本来持っている機能の復活を目指します。
肉主体のキャットフードで食物繊維は3%程度が目安としてはいいのではないでしょうか。適度な量の食物繊維は必要です。
水分をしっかり取ってもらえる食事環境を作ります。
腸内環境は善玉菌を増やすように意識します。便秘になると悪玉菌が増え、下痢になっても善玉菌が減ってしまいますので、猫の場合は腸球菌を意識してみてもいいかもしれません。
最近は、人の場合のビフィズス菌や犬の場合の乳酸桿菌は猫には少なめで、猫では「腸球菌」が善玉菌としてよく働いていると東京大学の研究チームより発表がありました。
また、適度な運動も大切です。
まとめ
- 乾燥した匂いの少ないコロコロうんちは正しいうんちではない
- 健康なうんちは適度な水分と艶がある
- 水分不足や食物繊維の取り過ぎに注意
匂いが少なくてコロコロしたうんちは狭い部屋で暮らす人間にとっては非常に都合のいいものです。しかし本来うんちは匂いのあるもので、乾燥しているものではないことを知って、正しいうんちを覚えておくようにしましょう。
コロコロ乾燥うんちは時に便秘を招くことがあるので注意が必要です。